永森@三茶で食べる人

94年生まれ。最近、三軒茶屋に引っ越した。 書くこと、読むこと、食べることが生きがい。

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001みんな、30才になる。

今日からちょうど1年後に30才になる。 30才になるまでの1年間、人生ではじめて日記を書いてみようと思う。 幼いころ、大人の、特に女性が年齢を隠したがるのが不思議だった。今ならそれが少しわかる。 0才が10才になり、10才が20才になったのと同じような右肩上がりの線上に30才もあると思っていた。1年たつごとに体が成長して、できないことができるようになって、自然と学年も上がる、そういう年齢に伴うたしかな成長を感じられていた。 けれども、人生ってずっとそんな風には進んでいか

    • ロス·タコス·アスーレスで、タコス

      友達AとBがうちに来た。ふたりは大学の頃からの付き合いだ。引っ越したばかりで新居がきれいにととのっている今のうちに、誰かに見てほしかったのだ。 A、Bとは1~2ヶ月に1度は会っていたのだけれど、このところ転職や引っ越しが忙しくて、なんと半年ぶりの集まりなのだった。 夕方ごろから三軒茶屋のわが家で宅飲みの予定だったけれども、昼過ぎには3人とも集まれるということで、軽くランチでも、ということになった。 そういうわけで、前から行きたかったロス·タコス·アスーレスへ。 ランチ時

      • おひつ膳田んぼで、とりささみご飯

        私が働く会社のそばには、やけに早く咲く桜の木がある。春になるとまだ裸の木が多い中、濃いめのピンク色に染まるその木を見ると、入社した頃のことを思い出した。今年は不思議と開花が遅く、まだ蕾の状態だ。いつになったら咲くんだろう。3月に入ったくらいから、幾度となくそう思った。 今日は、3月末で辞める会社の最終出社日だった。 それなりに長く通ったオフィスだけれど、行くのは今日で最後になる。そう思うとなんだか不思議で、かといって、いつもと何かが変わるわけではない。 1つ違うのはお菓子

        • Hong Kong213で、雲呑麺

          昨日(16日)、いつも通りセーターにパンツ、ウールのコートで出かけたらとんでもなく暑い。とうとう春が来た、そう思って今日は薄着で出てみたら、風が吹いてとんでもなく寒い。冬のコートを来てきたのが不幸中の幸いだった。 それにしてもどうしてこんなに身体が冷えているのか、それは試験官が試験中、たびたび窓を空けたからだった。 今日はぶるぶる震えながら、大学にて、資格試験を受験していた。しっかり勉強さえすれば点がとれるペーパーテスト。綿密に勉強するはずだったのに、その予定は引っ越しとい

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        • 三軒茶屋で食べる。
          4本
        • ひとりで旅する
          2本

        記事

          RIZOで、パスタランチ

          三軒茶屋に引っ越して、一週間がたった。 これまで何度か引っ越しはしたけれど、いつも親に手伝ってもらっていた。前に引っ越したのはもう七年前。はじめて一人で引っ越してみて思う、これは本当に大変だ。 まだ段ボールだらけの部屋。ついこの前、家電量販店で即決して買った冷蔵庫は届いたものの、とうてい料理どころではない。そんな状況にかまけて、このところ外食ばかりしている。 「なにを今さら」と言われるかもしれないが、三軒茶屋の飲食店の質と量は目を見張るものがある。 この間、コーヒーが飲

          RIZOで、パスタランチ

          【フィリピンひとり旅】早くも"beef udon"に手を出した2日目

          2日目。明日からは語学学校の授業が始まるので必死に観光する。 まずは朝ごはん。 Baiホテルという、小綺麗なホテルの1階にいい感じのカフェを見つけたので、そこに向かった。宿泊先から歩いて50分。 朝だし、町の雰囲気を楽しみながら歩こうか、なんて思ったのもつかの間。とんでもない暑さと、そこらじゅうのフィリピン人に話しかけられることにひるんで、結局Grabを使ってしまう。安心と信頼のGrab。 そして怒涛の観光地巡り。まずはサンペドロ要塞。フィリピン最古の要塞だそう。小さいけ

          【フィリピンひとり旅】早くも"beef udon"に手を出した2日目

          【フィリピンひとり旅】9000円と1時間を失った、1日目

          11月がこんなに忙しいなんて、思っていなかった。しかも、ちょうど休みを取るタイミングで年末調整まで重なった。そういうわけで、セブ島に発つ前日は21時半まで仕事をしていた。 セブ島に向かうのに使った飛行機はセブ・パシフィック航空、8時55分成田発の便。そこそこ成田には行きやすいところに住んでいるのだけれど、それにしても始発に近い電車に乗ることになる。 朝4時に起き、もちろん化粧なんてせずに、着のみ着のまま、といったようすで成田へ向かう。意外にも朝の電車は座席が埋まるくらいに

          【フィリピンひとり旅】9000円と1時間を失った、1日目

          TOEIC、謎解き、イタリアン

          朝からTOEICを受けた。証明写真かいるのに撮っていなくて、朝、最寄り駅であわてて撮る。 久しぶりのTOEICは試験を受けるということそのものが新鮮でおもしろい。学生の時はそんな風に思わなかったんだから、不思議だ。 そして、ぜんぜん解けなかった。敗因は眠かったこと(リスニング部分)と、時間配分(リーディング)。悔しいので、再チャレンジを誓う。 そして、今日は謎解きがあるのだ。ジョジョコラボだという。私はジョジョをぜんぜん知らない。てっきり男の主人公だと思っていたら、空条徐

          TOEIC、謎解き、イタリアン

          細いリング

          細くて華奢な指輪が好きだ。 もともと、指輪とか、ブレスレットとかはあまり好きではなかった。わたしはタイピングとか、料理とか、文字を書くとかの手を使う作業が好きなので、手元が重たくなるとなんだか気分まで憂鬱になるのだ。   あるとき、アクセサリーの展示会に行くことがあった。目当ては、少し前になくした指輪だった。気づいたら無くしていて、でも気に入っていたからなんとか買いなおしたくて、そのブランドが出展するというイベントに向かったのだ。 残念ながらイベントでは目当ての指輪は見

          インディーズ的なもの

          わたしが高校生の頃、決してバンドブームとは言えない状況だったけれど、それでも音楽が好きな人はバンドの音楽を聴いていた。たとえば、くるり。たとえば、チャットモンチー。それから、BUMP OF CHICKEN。 中学生から高校生、そして大学生くらいまでの間、いろいろなバンドの曲を聴いていたけれど、とりわけグッとくるのはインディーズバンドだった。 インディーズ。どうして、インディーズって特別だったんだろう。 aikoとか、ミスチルとか、既にメジャーなアーティストの曲ももちろんい

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          2023/10/27 牛タンを食べた日

          今日も仕事が忙しい。仕事が忙しいとある種のハイというか、興奮状態になる。忙しいのはしんどいけれど、その状態になると追い込まれ過ぎて「あれが嫌だなあ」とか「こんな悪いことが起きたらどうしよう」とか考えなくなるから、ある種のストレスは減る。 忙しいのが好きな人というのはいるが、そういう人は何かに追われていた方が余計なことを考えなくていい、ということなのかもしれない。 仕事のあと、会社の近くの美味しい焼肉屋に行った。働きはじめて5年以上たつが、仕事終わりに飲みに行くというのは数え

          2023/10/27 牛タンを食べた日

          エッセイ037|迷子になったら3回まわれ

          迷子になったと思ったら、その場で3回まわる。 それが、幼いわたしの決めごとだった。 我ながら、賢いやり方だと思う。 迷子になったら、どうしたって焦る。不安にもなる。そうした焦りや不安は冷静な判断を妨げ、解決が遠のく。 だから、まずはなにも考えずに3回まわると決めていた。その場でぐるぐると回って元の位置に戻ると、その頃には少し落ち着いている。 それから、周りの人に助けを求めるなり、元来た道をたどるなりすればよかった。 このやり方は大人になった今でも応用できると気づいた。 仕

          エッセイ037|迷子になったら3回まわれ

          エッセイ036|ゆうすずみ

          夕涼み、ってすてきだ。 夏は夕方がいい。日が落ちて、涼やかな風が吹くころ。オレンジ色と紺色のグラデーションになった空の下、いくつかのお店が出ている。子供のころ、そんな地域の夏祭りが大好きだった。 外でごはんを食べるのってなんであんなに楽しいんだろう。お花見、バーベキュー、バイキング。夏祭りももちろんそうだ。 虫もいるし、風でいろいろなものが飛んでいくから、室内の方が絶対に食べやすいのだけれど、外で食べるとなんだかちょっとした焼きそばや安いお肉を焼いただけのものも特別美味しく

          エッセイ036|ゆうすずみ

          エッセイ035|はやりの曲、聴ける?

          聞かれると、ぱっと気のきいた答えが出てこない質問というのがいくつかある。 たとえば 好きな芸能人は? これは暗黙の了解でイケメンの中から、ということになっているので、女性アイドルなんかを答えると「分かってないなあ」という感じになる。 しかし、特段イケメン俳優に詳しくない私は答えに窮する。 それから 休みの日なにしてるんですか? そう聞かれてみると、なにもしていないような気がしてくる。休みの日なんてゴロゴロしていたら過ぎてしまうのだけれど「ゴロゴロしているんですよね~」では芸

          エッセイ035|はやりの曲、聴ける?

          エッセイ034|山について

          はじめて山を美しいなと思ったのは、香川県に行ったときのことだった。 緑の山々(丘?)と海の青のコントラストが美しく、山ってすてきだと思った。 そうして、地元に帰ってみると、地元で見られる山の景色もまた違った美しさがあるのだった。 わたしは山で囲まれたところで育った。 考えてみると、山というのはただの隆起した地形なのに、その一つ一つのでっぱりにいちいち名前がついている。 海もたとえば「日本海」とか「太平洋」とか大まかに指すことはできるけれど、あれは地理的な名称であって、「

          エッセイ034|山について

          エッセイ033|剥げたマニキュア

          マニキュアが好きだ。マニキュアのよいところは剥げていく姿にある。 夏、足の指に塗った赤いマニキュアがまだ残っている。残っているといっても、もう色がついているのは上半分くらいだけだ。 ほんとうは、きれいさっぱり剥がしてしまった方かいいんだろう。摩擦でずいぶん剥がれてしまっている。でも、その剥がれた感じも味があるから、こっそり、そのままにしてしまう。 こどものころ好きだったあるアーティストはマニキュアをした指でギターを弾いた。ギターの弦でこすれるから、いつも指先のマニキュアは

          エッセイ033|剥げたマニキュア