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ベンチャーCOOの上場物語

▼マネジメントのご相談乗ります!1on1にご応募ください。

2020年4月28日の株主総会をもちまして約3年間勤めた株式会社ハウテレビジョン(東証マザーズ  7064)の取締役を退任し、退職しました。

2017年に入社し、COOを担当しました。2019年には東証マザーズに上場するなど、非常にエキサイティングで学び多き3年間でした。

いずれ記憶というものはぼんやりと美化されていくものだと思いますので、
そうならないうちに、ベンチャー企業のCOOとして実践したことや学びを書き留めておこうと思います。

・現在ベンチャー企業のCOOとして働かれている方
・ベンチャー企業のCOOを目指されている方
・COOを採用されたいと思っているベンチャー企業の経営者や人事の方

上記のような方に参考になると思います。
Withコロナの時代、アフターコロナの時代、働き方はきっと変わると思いますが、ベンチャー企業のCOOにとって本質的に大事なことはあまり変わらないのではないかと思います。
私が思う本質的に大事なことを、私の経験を通じてお伝えできればと思います。


”本物”をエンパワメントするのがCOOの仕事

①修正

ハウテレビジョンには、入社する1年弱程度前から経営アドバイザーとして関わっていました。
同社が運営する「外資就活ドットコム」は、創業者であり社長の音成さんが自らの経験に深く向き合い、まっすぐユーザーのことだけに集中し、そのユーザーの想像をはるかに超えてやろうと細部までこだわり抜いて生み出したプロダクトでした。
外見だけ良く中身の伴ってない”偽物”ではなく、それはまさしく”本物”でした。

一方、ビジネスとして成長するために必要な、「組織を作る」「収益を作る」「拡大の仕組みを作る」こういった部分はまだ未完成であり、業績も横ばい、マイナスに転じる危険性も孕んでいる状態でした。

世の中に求められる本物のサービスを自分の力で持続発展可能なものにしたい、そう強く思うようになり入社に至ります。

COOの仕事は、「これは世の中に求められてる!無くしてはいけない!」そんな風に心から思えるプロダクトに関わり、それを持続的に発展させるようにすることだと思います。

壮大なビジョンに具体性を与える

ビジョン 

入社して一番はじめに行ったのは、社員の皆さん全員と1on1で話すことでした。この1on1を通じて、以下のような意見を聞きます。

・会社がどうしたいのかわからない
・どうしたいかわからないからやることがなく暇だ
・暇だから成長実感もないしつまらないから辞めたいと思うこともよくある

会社がどうしたのかわからない、という社員の意見はよく出る意見だと思いますが、それには2パターンあります。

・壮大なビジョンがわからない
・壮大なビジョンを実現するための方針やアクションがわからない

どちらのパターンの話をしているのか見極めないと、打ち手を間違います。
前者であればビジョンミッションを作ろうとか、ムービーを作ろうとかそういう打ち手になるのでしょうが、実は後者であることがほとんどです。
せっかくお金をかけてコピーやらムービーやら作ったのに何も変わりませんよというときは、後者の課題に前者の打ち手を当ててしまってます。

ハウテレビジョンには、社長が掲げるN年後の壮大なビジョンはたしかにありました。N年後の壮大なビジョンと本物のプロダクトがあることは本当に素晴らしいことです。
しかし、N年後の壮大なビジョンは、今日のアクションは生んでくれません。だから、暇なのでしょう。

COOは、壮大なビジョンに以下のようなものを付与し、具体性を与えます。

・N年後ではなく、ある期間で区切った際の具体的な定性・定量の目標
・そこに至るための戦略
・戦略の実現度を図る重要なKPI
・KPIを達成するための重要なアクション
・アクションを実現する組織とマネジメントシステム

これを付与することで、暇だと嘆いていた社員が、徐々に燃え出し、組織の動きが活発になります。
このように、COOは壮大なビジョンに具体性を与え、組織にアクションを生み出します。

重要なことに会社をフォーカスさせる

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ベンチャー企業には余計なことをするための時間もリソースもありません。
COOの仕事は、「目標達成のためには何が重要なのか」を徹底的に考え、それに会社をフォーカスさせるようにすることです。

まず、目標達成のための「重要な戦略」「KPI」「重要なアクション」を考え、1つのシートに全て書き出し可視化しました。
そして、重要なアクションを担当するリーダー陣で集まり会議を開催し、そのアクションの進捗度を把握し、必要な指示をします。

成長軌道に乗るまではこの会議を高頻度で行い、「会社にとって今何が重要なのか」ということをリーダー陣と共通認識にします。そして、そのリーダーたちが動かすチームのリソースが重要なことに割かれるようになります。

また、この「重要なこと」というのは高頻度で変わります。むしろ、変えなければならないと思います。その理由は2つあります。

①激しい環境変化
経済環境や技術の変化、競合の続出など、ベンチャー企業を取り巻く外部環境は頻繁に変わります。また、人の出入りや資金の状況、株主の状況など内部環境も頻繁に変わります。ベンチャー企業は常に不安定な環境下で活動します。変化に合わせて「重要なこと」も変わります。
②新規性が高いチャレンジ
ベンチャー企業は新規性の高いことにチャレンジするケースがほとんどで、これが重要だと掲げて動いてみても失敗するケースがほとんどです。そういうものです。失敗するのが悪いのではなく、失敗しているのに失敗だと認識せず、当初決めた「重要なこと」にこだわり続けることこそが命取りになります。すぐやってみて、すぐ失敗して、すぐ変える、そんな風にして「重要なこと」はどんどん変わります。

コロコロ変えるなんてよくない、のではなく、コロコロ変えることができない、コロコロ変えることに耐えられるチームが作れない、というのがベンチャー企業の勝利のためには良くないことなのです。

モメンタムを作る

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業績が停滞してきた、停滞により会社の雰囲気が暗くなってきた、停滞感を感じて辞めたいと言ってくる人が出てきた・・・
そんなときにベンチャー企業の経営者がやるべきことは何でしょうか?1on1?飲み会?合宿?昇給?・・・おそらくどれも効果的ではないでしょう。

壮大なビジョンに向かって日々会社が発展しているんだという実感こそがベンチャー企業の組織を癒します。
そのためには、社員一人一人が「勢い=モメンタムを感じる」ことが大事です。

KPIや業績がどんどん上がっていることがモメンタムを生むには一番効果的なのですが、ベンチャー企業はいつもそんなときばかりではありません。
大事なのは、壮大なビジョンに向かって日々会社が発展しているんだという実感、です。たとえ今は業績が上がっていなかったとしても、この実感をどう生み出すかを考えましょう。
この実感が生まれれば、組織の動きは格段によくなり、いずれKPIも業績も上がります。
具体的に以下のようなことを行いました。

①アクションが変わっていることをアピールする
KPIや収益など結果指標はすぐには変わらないので、仕掛けているアクションの背景・進捗・期待効果を週次・月次の全社会議や、各会議などあらゆる社内接点で社員に伝え続けます。次々に生まれるアクションをきちんと全社にアピールすることで、モメンタムは生まれます。
②外部への発信を増やす
業績が伸びてない会社に取材など来ませんので、自分たちによる外部発信を増やします。経営陣が変わった、からはじまり、新しい商品が出た、新しい記事が出たなど、トピックスがあれば、自分自身のソーシャルメディアなど小さな発信でも良いので発信します。外の人に届かなくてもいいです。社内の人が外部に発信されている自社の様子を見て、自社の進化を感じ、モメンタムを感じるのです。
③目に見えるものを変える
目に見えるものを変えることでモメンタムを生みます。たとえば、社内の座席にあったパテーションは全て取り払いました。これも目標達成のための大事な一歩だと説明すれば、変わった景色とセットでモメンタムを感じます。
④副業・顧問を積極的に活用する
優秀な人を採用することは非常に難しいことですが、副業や顧問という形であれば関わってくれる人の幅は一気に広がります。
素晴らしい人がたくさん関わってくれ、その人たちから自社にない知見をもらい、成功できる期待感が社員の中に生まれ、モメンタムは生まれます。

こうして、何らかのKPIや業績に良い結果が出てくれば、それも全力でアピールします。
モメンタムは業績が上がるまで生まれないのではありません。自分で生みにかかります。業績向上⇒モメンタム、ではなく、モメンタム⇒業績向上⇒モメンタムの流れで、業績をどんどん上げていきます。

数字の話ばかりするな、つまんねーよ

数字

重要なアクションがどんどん進み、会社に勢いも生まれつつあったころ、ある部長さんに呼ばれました。わざわざ気遣って喫茶店に連れ出してくれて、どっちが上司なんだかと情けなくなりますが (笑) そういう風に気遣いつつはっきり進言してくれたからこそ、忘れられない学びになりました。本当に感謝しています。

はっきり言って数字の話ばかりしんどいです。せっかく一緒に仕事ができるのを楽しみにしてたのに、私もみんな疲弊してます。つまらないです。

数字を軸に会話をするのは本当に楽です。そこに解釈の余地はなく、足りてる、足りない、足りないならどこ、という風に会話がどんどんスムーズに進みます。

ですが、人は数字をあげるために仕事をしているのではありません。
人生の大半の時間を使う仕事というものに、意味を求めています。
人生は数字を上げるためにあるのではないのです。

壮大なビジョンと本物のプロダクトに惹かれ、意味を感じて入ってきてくれている人に、その人の夢を壊すような会話しかできていなかった自分を心から恥じました。

意味の話が中心、数字の話はサブ、だけどきっちり、というイメージで会話するのが良いと思います。

3つのアトラクト

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モメンタムが生まれてくれば、それは外部にも伝わります。株主の皆さんやエージェントさんなどパートナーさんも積極的に採用に動いてくれます。そして、自信が出てきた社員の皆さんからのリファーラルも増えます。

そうして、いろいろな人と接点を持ち、この人を採用したいなと思ったら、最後はアトラクトが重要になります。採用力の弱いベンチャー企業の採用では、この「アトラクト」が他の採用施策に比べ100倍重要になります。
人がその会社に入る理由は3つあります。

①自分が必要だと感じる
会社の課題に対し、自分自身が解決できることが大きい、自分はこの会社に必要な一員なんだ、と感じることが入社動機になる。
②ビジョンに共感する
会社が目指すビジョンが素晴らしいと共感することが入社動機になる。
③キャリアにおけるメリットを感じる
報酬・役職・未経験の担当業務などキャリアが広がることにメリットを感じることが入社動機になる。

皆さんはどれに当てはまるでしょうか?1つだけの人もいれば、複数の人もいると思います。

重要なのは、アトラクトはワンパターンではダメだということです。
①の動機が強い人に、ひたすら年収アップを押したらどうなりますでしょうか?おそらく気分を害して二度と会ってくれないのではないでしょうか。

面接ではその人の能力や人間性を見極めるだけでは不十分です。①~③のどの動機が強いのか、をきちんと見極めておくことで、有効なアトラクトができるようになります。

ハウテレビジョンでは本当に優秀な人がたくさん入ってくれ、その人たちが会社を急激に成長させてくれました。

才能を起点にブレイクスルーを起こす

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ある社員の人にこんなことを言われました。その人はある部署の部長を担当してくれていて、会社の成長に大きく貢献している最も信頼しているマネージャーの一人でした。

自分の強みと今後のキャリアを考えるとマネージャーはやりたくない。むしろ、XXの領域でプレイヤーになり、より専門性を高めたい

かなり参ってしまいました。自分が考えていたプランが壊れるし、今まで信頼していた気持ちが裏切られたような気持ちにもなりました。

でも、よくよく考え直しました。その人が専門プレイヤーになり、その人の才能を思いきり活かすような戦略・組織にデザインにし直した方が、自分が今想定しているプランなんて凌駕するようなもっと素晴らしいプランになるのではないか。
不真面目な人のわがままであれば全く聞くつもりはありませんが、その人が本当に勤勉で、優秀で、責任感があって、結果を残してきた人だったからこそ、そして自らそのような申し出をするような覚悟があったからこそ、きっとそのアサインではその人の才能が爆発して、会社に良いことが起こるに違いないと思いました。その人の申し出を受け入れる形で方向で戦略・組織をデザインし直しました。

結果は、自分の想像など遥かに超えるような良い結果になったと思ってます。

自分の考えたプランなど、経営経験の浅い自分のちっぽけな能力の範囲内で作った脆弱なプランです。正解である確証などどこにもありません。単なる”たたき台”にすぎません。
そこにブレイクスルーを起こしてくれるのは、どうすればその人の才能が爆発するのか?という問いです。

「このプランにその人を当てよう」
ではなく、
「その人がいるならこのプランにしよう!」
です。

才能からの逆算志向でプランを考え直してみると、目標からの逆算では生まれてこなかった大きなものが生まれてきます。

ルールの遵守と相互理解が強いチームを生む

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短期間で新しい人がたくさん入ってきたので、チームメンバーの同士の信頼関係がなかなか作れず、そのことが会社にとっての機会損失になっていました。

そこで、2つ施策を実施しました。

①ルールの遵守を要望する
努力次第で誰でも守ることができて、かつチームで仕事をする際に必要なことをルールとし、どれだけ成果を上げてもルールを守れない人は一切評価しないことを明言。
例)朝●時までに業務を開始する、会議までに●●を入力する、週報を書く、など
②相互理解を促進する
お互いのことを共有する時間を取る、メンバー同士が協働できるプロジェクトを設ける、マネージャーからメンバー同士の対話を促す、マネージャーから各メンバーに各メンバーのすごいところを紹介する、チームみんなで一緒に目標や戦略を考える時間を作る、など相互理解が深まるような機会を設ける。

バックグラウンドの異なる人が短期間でたくさん入ると、価値観の違いからはじめはなかなかうまく協働できません。
しかし、事業の急成長には組織の急拡大はつきものなので、なんとかここを耐えなければなりません。

①:「ルール」という誰でも守れることを守るということをお互いに実践することで、「この人たちは約束をきちんと守れる人だ」という信頼感がお互いに生まれます。みんなで1回ルールを守るごとに信頼関係が生まれます。
もちろんルールは円滑なチーム運営のために守ってもらう必要があるものですが、ルールは「信頼関係を構築する媒介」の役割も果たします。
自由な発想で新しいことにたくさんチャレンジする空気感を出すためには、ルールは必要かつ最低限に抑えることは重要です。そのうえで、それをきっちり守るという経験をチームが何度も繰り返すことで、信頼関係が生まれます。

②:相互理解は放っておいてもなかなか生まれません。短期間で人を増やしたならば、相互理解の自然発生を待っているとそのうちにチームが崩壊し、またゼロからチームを作ることになるでしょう。相互理解のための機会を設けていく必要があります。

相互理解が生むメリットは以下です。

・メンバーが周囲に質問や相談がしやすいので業務スピードが上がる
・メンバー同士の連携が自然に発生するので、マネージャーがいちいち連携の指示をしなくて済む
・新しいアイデアや改善案に関してメンバー同士で気軽に話せるので、どんどんそれらが生まれ実行される
・お互いから学ぶことができ、成長実感があり楽しい職場になる

短期間で増員し組織に負荷をかけなければならないタイミングは、ルールの遵守と相互理解の徹底を行うことで乗り切ります。

権限が見えない才能を発火させる

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新しい取り組みをいくつも仕掛けました。
自分が仕掛けたものはわりと成功し、メンバーに仕掛けをお願いしたものはあまり成功せず、「結局俺がやらなきゃだめか」なんて思ってました。

ある新規事業を立ち上げる時のこと。様々なタスクに追われ自分が立ち上げに関与することはできなかったので、ある人にお任せすることにしました。その人はスキル十分、意欲十分で素晴らしいなと思っていました。自分が物理的に関与できないという事情があり、当初は関与していたのですが、ある日「これについて全部決めていい」と伝えました。
結果、自分が想像しているよりも遥かに大きな成功を抑め、その新規事業はものすごくうまくいき、会社の次の成長の希望になっています。また、その過程でその人も素晴らしいリーダーになりました。

ここで振り返りました。今までなぜ自分でやったことは成功し、人に任せたものはうまくいかなかったのか。そして、なぜ今回は成功したのか。そして、自分の思い上がりに恥ずかしくなりました。

任せると言っておきながら細やかな報告は求めるし、細やかなところに口を出すし、さらには任せたリーダーのメンバーに直接口も出すこともある始末。任された人からすれば、仕事はたしかに任されたが権限が何もない状態です。
権限がなければ何かを決定する際は必ず私に承認を求めることになります。承認を得ることを求められるならば、私の発想にない新しい考えや取組であればあるほど説明コストが高いから、いいなと思うアイデアが浮かんでもそれを私に言わないこともあるでしょう。そして、そのアイデアがその人の頭の中でお蔵入りします。また、いちいち承認を求められるので思いついたことをすぐに実行できないからスピードも出ません。つまり、承認を取らなければならないことが多ければ多いほど、その人の発想やアイデアを削ぎ落としているのです。
自分がこれまでたくさんの才能を台無しに、絶望させてきたことに気づきました。そのせいで辞めたのだろうと思い当たる人もいます。

自分でやるときは自分で全部決められるから成功したという話なだけでした。そして、何より社長は私に権限を渡してくれ、私に成果を出させてくれました

誰にでも権限与えて任せれば良いというものでは当然ありませんが、任せようとするメンバーがスキル十分、意欲十分だと思うならば、権限とセットで任せてみる。権限とセットで任せたならば、その権限の範囲内のアクションは報告を受けるにとどまり口出ししない。そうすることで自分の想像など遥かに超えた成果が出る。

これはと見込んだ人物ならば、”権限とセットで”プロジェクトを任せましょう。

強いマネージャーコミュニティを作る

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ベンチャー企業のマネージャーというのは本当に難しい仕事です。
前例のない、答えのないプロジェクトと戦い、激しい環境の変化に合わせて柔軟にチームを動かし、野心的で高い目標に向き合わなければならない。心身ともにタフな仕事です。

マネージャーは苦しいときに誰に支えてもらえるでしょうか?上司である私や社長に弱音は吐きにくいし、メンバーに弱音を吐けばメンバーに要望をしにくくなるし、社外の人に話しても自分の窮状は具体的には理解してもらえないでしょうし、誰に相談すればよいのでしょうか。

マネージャーを支えるのはマネージャーです。
同じ立場のマネージャーになら、弱音もはけるし、SOSも出しやすいし、必要な学びも得やすいです。だから、強い組織になるためには強いマネージャーコミュニティが必要です。

マネージャーコミュニティを構築するには、以下のような手立てが有効です。

①ワークショップを通じて同じ学びを共有する
同じ学びを共有した仲というのは、強力なコミュニティになります。マネージャーみんなで、同じことを学ぶ機会を作りましょう。
②自分がハブになり協働を促す
自分がハブになりマネージャー同士をアサインし、協働を促します。関係性ができていないマネージャー同士にいきなり一緒にやってとお願いしても難しいので、協働がスムーズに進むまで自分が間に入り、関係性を構築します。
③共にマネジメント課題に向きあう機会を作る
マネージャーが自分のメンバーの状態をほかの全てのマネージャーに開示し、ほかのマネージャーも含めたみんなでそのメンバーについて議論し、マネージャーがインプットや助けをもらう会を定期的に作ります。同じ課題にみんなで向き合うことで、強いマネージャーコミュニティが構築されます。

強いマネージャーコミュニティは、組織を強固にします。

マネージャーがメンバーに愚痴を吐きメンバーからマネージャーと認識されなくなりチームが崩壊する、そんなことが起こらないよう、マネージャーを支えるコミュニティが必要なのです。

業務の重要度と関与した時の成果に注目する

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なんでもかんでも関与するといずれmtgまみれになるというのはよくあるのではないでしょうか。
減らそうと思っても不安だから減らせず、結局減らせない。
そんなときは、「業務の重要度と自分が関与した時の成果インパクトに注目する」ということをやってみてくください。
アクション毎だったり、mtg毎でも良いかもしれません。

上場準備の最後の追い込みの際はmtgなどにも出れず、上場準備にフォーカスしていました。
IPOが終わり、さあ暇だな、何に関与しようかと考えていた時に、上記の表を作成し愕然としました。
今までたくさんのことに関与してきたがそれにどれほどの意味があったのだろうか・・。

効果の薄いことに時間を使うことによる自分の時間の無駄使いという観点からも良くないですし、メンバーの自主的な取り組みを邪魔している点でも良くないです。上司はそこにいるだけで、メンバーの主体性を奪う存在です。上司なんてその場にいなくていいならいない方が仕事は楽しいに決まってます
把握したいだけなら一人寂しく議事録でも読んでおきましょう。

定期的に上記の表を作ればいつか斜線が増えます。斜線が増えるということは「あなたが不要」という意味でもなく、「暇で最高」という意味でもありません。「COOとして会社の成長のため、さらに重要なことを考え実行推進せよ」ということです。それができなければ、その時点でCOOは終了です。価値はありません。斜線が増えたときは新しいチャレンジのはじまりなのです。

役割分担しすぎるとつまらなくなる

役割分担

ベンチャー企業で働く醍醐味は人それぞれでしょうが、
「仲間と大きな夢に向かって共に考え創っていく」醍醐味を味わいたい人は多いのではないでしょうか。

効率やスピードを考え、社長とはしっかり役割分担されていました。
そのことで、お互いの強みを活かし良い成果が生めたと思っています。
私が辞める話をした際に、社長が飲みに連れて行ってくれました。

もっと一緒に考える機会を増やせばよかったね

そう言われてはっとしました。この人の壮大なビジョンに魅了され、本物のプロダクトに惚れ、この人と一緒に仕事がしたくて、この会社に入ったのに、いつしかIPOを請け負った傭兵のような働き方をしていたなと反省しました。

経営陣は、一緒に考え、一緒に汗をかく醍醐味を味わえるよう、役割分担の中にも共同作業があるような、そんな関係性を作ることをお勧めします。

社長になりたくなったらCOOは辞める

社長に憧れ

実家や親戚一同が自分で商売をやっているという関係もあり、社長という仕事に憧れや畏敬を常に抱いていました。
IPOも終わり、「社長やりたいな・・」という思いは日に日に強くなります。COOと社長は明確に違います。会社のことは最終的には全て社長が決めます。COOは権限の一部を社長よりお預かりしていますが、その権限を付与する・しないも社長が決めます。
そして、プロダクトも、事業も、組織も、あらゆるところに社長の想念は宿ります。ベンチャーは社長が全てです。

その想念に惚れてはじまったプロジェクトではありましたが、いつしか自分の想念を体現したいと思うようになりました。

社長になりたいCOOほど役に立たないものはないでしょう。
COOというのはその想念が詰まった”本物”をエンパワメントする仕事なのですから、攻めの仕事でもありますがサポーティブな一面も必要です。
そのサポーティブさが自分からどんどん失われいくのを感じました。

よくわからないことでイライラすることも増えました。それにより社長や他の経営陣に迷惑をかけることもあったと思います。
会社の判断の一端を担う取締役でもありましたので、このままでは会社の判断に自分の私的な気持ちが混ざり、会社の判断のクオリティがかなり落ちるだろうと思い、使い物にならなくなりそうになる前に、退職を申し出ました。
幸い、IPOという一大プロジェクトを成し遂げる過程でハウテレビジョンの経営陣やマネージャーは相当に強くなっており、抜けても大丈夫そうだなと思えたことも気持ちを後押ししてくれました。

自分の裁量が大きい、自分が残している成果が大きい、と思い込み間違っても自分が会社を仕切ってると錯覚してはいけません。本物があってのCOOです。社内も社外もCOOの話なんて興味ありませんし、本物がなければCOOの成果も何もありません。自分が社長になりたいという想いが強くなりすぎてCOOという役割でありながら自分の想念を無理に会社に入れ込もうとし、社長の想念=本物を壊すようなCOOであれば何しに来たのかわかりませんし、それでは元も子もありません。

社長になりたくなったら、その会社でいつか社長になるまで頑張るか、それが難しいなら潔く辞めましょう。自分に嘘をつかないように。

さいごに:これからやりたいこと

1つの組織の中で、そのヒエラルキーに従って仕事に従事するという働き方から、ネットワークのように組織内外関わらず個人と個人がつながり仕事をプロジェクト型で進めていく世の中にシフトしてきています。

また、Withコロナ、アフターコロナの時代ではオンラインワークが加速化します。皆さんも今まさに実感されていると思いますが、オンラインワークは移動時間を減らし、また予定外の他者の介入を自ら遮断でき、時間を増やしてくれます。

ネットワーク社会xオンラインワークの世界では、昔の人がやりたくてもできなかったことがたくさんできるようになるでしょう。そのひとつが複数のプロジェクトを行うことだと思います。
クリックひとつで、いろんな組織のmtgに参加できちゃう世界ですね。

好きなテーマを3つ挙げろと言われれば

・インターネット広告
・社会人教育
・岐阜県郡上市

この3つなので、ネットワーク社会 x オンラインワークの世界で、3つとも面白いことをやりたいなと思ってます。追ってまたいろいろご報告させてください。

▼社会人教育でやりたいことの第一弾、ベンチャーマネージャーのマニュアルはこちら


▼岐阜県郡上市の話はこちら

▼YouTubeチャンネルはこちら

▼ベンチャーマネージャーのためのスクール&コミュニティ「Emo」

▼成果の出るベンチャーマネジメントの型を教える株式会社EVeM

▼ベンチャーマネージャーのマニュアルを実践するノウハウをまとめた書籍が予約販売開始!


めちゃくちゃ長い文章でしたね(笑)すいません🙇‍♂️
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
しばらくはStay at homeでしょうが、オンラインで気軽にお話でもしましょう😊

それでは、お疲れ様です!!


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