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晴れの日も雨の日も#226 助けを求める

先日知人と一献傾けた。
近況を聞いていると、仕事の上で大きなトラブルに見舞われているらしい。彼が悪いのではないのだが、やっかいなことが起きていて、彼はその責任者として火消しに努めている。

私には何もしてやれることがない。「そうか、そりゃ大変やなあ」と話を聞いてやるだけだ。

会社の中で起きていることゆえ、彼は当然上司に事態を報告している。上司は苦虫を噛み潰したような顔をして聞いているという。
まあ、そうだろうなあ。上司としてもできれば聞きたくないような話だ。

何をやってるんだ。
もしくは、これまで気が付かなかったのか。
あるいは、なんでそんなことになっているんだ。
としか思っていないように見えるという。

私は上司のそんな感じも容易に思い浮かべながら、彼に聞いた。
「そんな大変な状況やったら、上司の人も、ちょっと応援しよか、ぐらい言ってくれへんのかねえ」
いわく「ないない。そんなんがあったら、オレもすいぶん救われるんやけど。たぶん向こうは、自分の不始末ぐらい自分でケツ拭け、ぐらいしか思ってないで。もともとみんな冷たいんや。」

そうやなあ。現実はそんなもんかもしれんなあ。ということでこの話は終わって別の話題でワーワー盛り上がったのだが、彼と別れての帰路にふとこの話に思いが及んだ(その時は気づかない内に話が流れてしまい、あとからフッと蘇る、という現象は最近頻繁に起きる😂)。

これ、もし、その時に彼が上司に対して「ちょっと今のままではヤバそうなんで、応援部隊をお願いします」と助けを求めていたらどうだったんだろう?「助けを求める」というのは「報告」とは明らかに異なるし、「相談」とも景色が違う。

彼には彼の意地やプライドがある。自分のことで他の人に迷惑をかけたくないという思いもある。むしろ彼は人並み以上にそう思うタイプだ。だから、助けを求めるなどという選択肢は考えもしなかったのだと思う。
だが、だから、上司は、この問題を彼に押し付けて、自分事として捉えていないのではないか。

彼が助けを求めても、上司が「そんなもん、おまえの問題だ」「自分で解決しろ」と突き放す可能性も0ではない。が、ここで彼がこの問題をうまく収めきれなかった場合、最終的には自分のところにも責任問題が飛び火してくる。そこに思いが至れば、上司もいつまでも知らん顔をしていられなくなる。「じゃあ、どんな助けをしたらいい?」「応援部隊には誰がほしい?」という話になるのではないか。

こうなって初めて上司と問題を共有することができる。
かねがね上司が自分の仕事に無関心だということには、彼は鬱屈した思いを抱えていたのだが、ひょっとしたら、彼の「助けを求めない」姿勢がそういう状況を招いていたという一面はないのだろうか。

報告をする、だけでは相手にとってこちらのことはひとごとだ。相談をされてもまだ相手はひとごと感覚なんてことが多い。が、助けを求められると、もうひとごとではなくなってくる。

私も強い人間でありたいと思ってきたし、人を助けることはあっても助けられるなんてまっぴらだと思うクチなのだが、大きな考え違いをしていたのかもしれない。助けを求めるってすごい大事なんや、ということに気づいた日であった。

で、この話はその後彼にしていない。今度あった時話してみよっと

大阪御堂筋のイルミネーション。さあ、今から飲むぞ🍶

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之

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<予定(但し、臨時差し替え頻発😂)> 
#227 【創作SSタケおじシリーズvol.9】時
#228 而今
#229 【創作SSタケおじシリーズvol.10(番外編)】おじさんが帰ってきた

(つづく)

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