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考える、ジブリ。

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宮崎駿監督作品に関する豆知識のまとめ。
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#民俗学

宗教と、「千と千尋の神隠し」。

宗教と、「千と千尋の神隠し」。

 いつもご覧いただき、ありがとうございます。

 さて、前回の『もののけ姫』の考察に引き続き『千と千尋の神隠し』(2001)です。

 下記の考察は、以前質問系SNSのQuoraに掲載したことがあり、後半はあまり変えずに掲載させていただきます。笑

 ただ、多少の修正などもあり、こちらが最新版となりますので、宜しくお願いします。

1. 働こう、というメッセージ。 まず、魔女の姉妹である、姉の銭婆

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歴史の闇と、『もののけ姫』。(中)

歴史の闇と、『もののけ姫』。(中)

 いつもご覧いただき、ありがとうございます。

 さて、前回の『もののけ姫』(上)に続きまして、(中)です。

 以前は「1. あらすじとメッセージ」について書かせていただきましたが、今回は民俗学的内容です。

 歴史のうちに閉ざされた闇をまた少しだけ深く、覗いていきたいと思います。

2. タタリとケガレ 『もののけ姫』の始まりは「タタリ神」の登場で幕を開けます。

 ごっついミミズのようなモノ

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歴史の闇と、『もののけ姫』。(上)

歴史の闇と、『もののけ姫』。(上)

 いつもご覧いただき、ありがとうございます。

 さて、前回の『紅の豚』から引き続き、いよいよ『もののけ姫』(1997)です。

 ジブリを食い潰すとまで言われた調査と研究と予算(21億円)を当て込み、構想16年、制作に3年をかけ、結果、圧倒的な興行収入(当時の日本映画史上、歴代4位193億円)を叩き出した、えげつない作品ですね。

 当時、中学の時、友人が「サンに惚れた」とか言って15回ぐらい見

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神様と、『となりのトトロ』。

神様と、『となりのトトロ』。

さて、前回に引き続きまして、今回は『となりのトトロ』(1988)のお話。

とにかく、最初の「引っ越し」する時に出てくる車が好きだった私。

形状といい、サイズ感といい、子供心にとてもグッときました。

あれは、ダイハツ「ミゼットDK」という車種で、調べたところ発売時期が1957〜1972年で、当時ガックリ来たのを覚えています。

そのため、時代背景はおよそ1970年前後だと思います。

トトロの

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インド神話と、『天空の城ラピュタ』。

インド神話と、『天空の城ラピュタ』。

さて、前回に引き続いて、『天空の城ラピュタ』です。

「空から女の子が降ってきた!」から始まり、数々の名言を残した、言わずもがなの超名作ですね。

キャッチコピーも「ある日、少女が空から降ってきた...」です。

もちろん、少女「シータ」は、飛空挺から落下して降りてきました。

でも、ラピュタのテーマである「空の上にいる人々」と言うイメージは、かなり古くからあります。

1. 空の上にいる人々「空

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総合芸術としての、 『風の谷のナウシカ』。

総合芸術としての、 『風の谷のナウシカ』。

どこかでまとめておこうとずっと考えていました。

とりあえずは、SNSや仲間内のメーリングリストなどに、雑談がてら投げていたジブリ映画の小ネタ集。

このまま小さな範囲で置いておくのも勿体無いので、ここに載せておくことにしました。

もし映画を見るとき、ちょっとしたアテにしていただければ幸いです。

1. 「ナウシカ」と「シュナ」まずは、ジブリの初映画、1984年放映の『風の谷のナウシカ』です。

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