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考える、ジブリ。

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宮崎駿監督作品に関する豆知識のまとめ。
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2021年4月の記事一覧

恋と愛と、『ハウルの動く城』。

恋と愛と、『ハウルの動く城』。

 いつもご覧いただき、ありがとうございます。

 さて、前回『千と千尋の神隠し』に続いて、『ハウルの動く城』(2004)です。

 『ハウルの動く城』以降は、それまでの商業的成功もあってか、宮崎駿監督がやりたい事が溢れ出ている感じがあります。

 それでいて、決して直接表には出さない、強いメッセージが感じられるところが、また魅力でもあります。

 また彼は、常に作品を通して「君たちはどう生きるか」

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宗教と、「千と千尋の神隠し」。

宗教と、「千と千尋の神隠し」。

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 さて、前回の『もののけ姫』の考察に引き続き『千と千尋の神隠し』(2001)です。

 下記の考察は、以前質問系SNSのQuoraに掲載したことがあり、後半はあまり変えずに掲載させていただきます。笑

 ただ、多少の修正などもあり、こちらが最新版となりますので、宜しくお願いします。

1. 働こう、というメッセージ。 まず、魔女の姉妹である、姉の銭婆

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歴史の闇と、『もののけ姫』。(下)

歴史の闇と、『もののけ姫』。(下)

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 さて、前回『もののけ姫』(中)に引き続き、『もののけ姫』(下)です。

 ということで、先述したアシタカが呼ばれた『鬼だ…』という言葉、「鬼」についてから始めたいと思います。

6. 鬼と鉄 古くは、鬼は「~童子」と呼ばれていることがありました。

 例えば、近畿で有名な「酒呑童子」という鬼がいます。

 酒呑童子は近畿を代表する鬼の頭領であり、色

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歴史の闇と、『もののけ姫』。(中)

歴史の闇と、『もののけ姫』。(中)

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 さて、前回の『もののけ姫』(上)に続きまして、(中)です。

 以前は「1. あらすじとメッセージ」について書かせていただきましたが、今回は民俗学的内容です。

 歴史のうちに閉ざされた闇をまた少しだけ深く、覗いていきたいと思います。

2. タタリとケガレ 『もののけ姫』の始まりは「タタリ神」の登場で幕を開けます。

 ごっついミミズのようなモノ

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歴史の闇と、『もののけ姫』。(上)

歴史の闇と、『もののけ姫』。(上)

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 さて、前回の『紅の豚』から引き続き、いよいよ『もののけ姫』(1997)です。

 ジブリを食い潰すとまで言われた調査と研究と予算(21億円)を当て込み、構想16年、制作に3年をかけ、結果、圧倒的な興行収入(当時の日本映画史上、歴代4位193億円)を叩き出した、えげつない作品ですね。

 当時、中学の時、友人が「サンに惚れた」とか言って15回ぐらい見

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欠けた王と、『紅の豚』。

欠けた王と、『紅の豚』。

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さて、前回の『魔女の宅急便』に引き続き、『紅の豚』(1992)です。

さて、この映画、前作までの成功もあってか、宮崎駿監督が好きなものを詰め込めた作品という感じです。

原作として『飛行艇時代』という本もあり、これも航空機趣味の本みたいになってます。

でも、映画のストーリー自体は超王道ですので、とても面白く、そして登場人物が皆カッコいい。

やっぱ

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