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育休待機児童問題、制度は充実していても中身が伴わない現実

一般男性育休教員です。

灰色は記事引用部分です。

□問題提起ー制度が変われば大丈夫か?

予測を大きく上回るスピードで、少子化が加速している。国は夫婦別姓や育休制度、待機児童問題などを検討し、あの手この手で婚姻数・出生数を増やそうとしているが、依然として効果は見込めていない。子供を産み育てるために足りないものは、本当に“制度”なのだろうか?

2019年出生数が、90万人を下回ったことを皮切りに、少子化対策が議論されていくと思いきや、頭の中が桜一色の野党のせいで、そんなお話微塵も出てきません。このままいくと、日本語を母語とする人(日本人)よりも、外国人労働者など、日本語を母語としない人の方がいずれ増えるのではないかと思うくらいです。
日本という国が、今後技術ではなく、観光地化してしまい、外貨に頼らざるを得ない状況になりそうで、怖いです。

□制度上に問題はない

あまり知られていないが、日本の育休制度は、世界の先進国と比べて遜色ない。取得期間は原則1年だが、保育園に入れないなどの事情があれば、最大で2年間まで取得できる。子供が1才になるまでの最初の半年間は休業前賃金の67%、それ以降は50%の給付金が受け取れる。
東京大学経済学部・政策評価研究教育センター教授の山口慎太郎さんの著書『「家族の幸せ」の経済学』(光文社新書)によれば、日本の育休制度の給付金が月給に占める割合は「世界一子育てしやすい国」とされるデンマークより高く、スウェーデンとほぼ同等。期間が12週で給付金がゼロというアメリカと比べてはるかに恵まれており、日本の女性には「出産→育休→職場復帰」というルートが約束されているかに思える。

海外諸国と比べても、ある程度の保障がなされていることが分かります。国が制度を…というのは、少し違うような気がしますが…。

□現実はそうでもない?

ところが、現実は異なる。国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」によると、2010~2014年に働きながら第1子を産んだ女性の46.9%が出産後に退職しているのだ。東京都の会社員の女性(35才)は頭を抱える。
「世間は育休が取れたら、なんとなく育児が一段落したと思われている感がありますが、それは違う。子育ては続きます。うちは復帰明けで第5希望の、かなり遠方の保育園に滑り込んだものの、熱を出して園からお迎えの要請があったり、インフルエンザにかかって看病したり。私が休むとほかの人に負担がかかりますから、どうしたって同僚の目は厳しい。どうしても仕事が休めない日に、隣県に住む義母に看病をお願いしたら、“病気の時は、やっぱりママが子供のそばにいた方がいい”と言われてしまいました。休みたくても休めないからお願いしているのに、たとえ親であっても、上の世代にはわかってもらいにくい」
制度そのものよりも、社会全体で子供とその親を支えるという意識が欠如していることを実感する。こうした“あるある話”は、枚挙に暇がない。しかも、パートなど非正規雇用の場合、そもそも育休という制度そのものを取得できない人が多いことも忘れてはならない。

社会全体で子供とその親を支えるという意識の欠如…
もちろん、産休を伝えにくい環境や育休の取りづらい雰囲気もそうですし、例えば、マタニティマークの問題、双子ベビーカー乗車拒否など、公共交通機関の妊婦、子連れの活用が咎められるような話を、いくらか聞いたことがあります。

□待機児童問題も、期限がせまっています

2016年に「保育園落ちた日本死ね」という匿名ブログの投稿で話題を呼んだ、待機児童問題はどうだろうか。
厚労省の「保育所等関連状況取りまとめ」(2019年4月)によれば、待機児童数は前年比で3123人減少した。しかし、政府が掲げる「待機児童ゼロ」が目標期限の2020年度末までに達成できるかは微妙なところだ。

もうまもなく期限です。これも伝聞でしかありませんが、待機児童がいなくても、横浜では保留児童と呼ばれる子たちが存在するようです。少しの違いがあるものの、全員が認可保育所には入園できないということに違いはありません。

 厚労省調査によると、待機児童の87.9%が0~2才の低年齢児。最も手のかかる年齢の乳幼児を保育所に預けることができず、キャリアと収入を犠牲にして、肉体的にも精神的にも負担の大きい自宅での子育てにひとりで励む女性の姿が浮かび上がる。
結婚や出産によって、本来手に入るはずの収入や築き上げたキャリアを失いかねず、産休や育休を取得して育児をしようにも、退職や待機児童のリスクがある──そうした現実を知るからこそ、多くの女性は子供を産まなくなったのではないだろうか。

ここで思い出されるのは、フランス、シラク元大統領の掲げた3つ。

そのうち、2つ目の原則である「預けられる場所を用意する」こと。

0歳児の託児はリスクも多く、コストがかかるため、両親ともに1年間育児できる時間を確保しています。逆に1歳児以降、託児施設を政府が準備していくことで、スムーズに社会復帰していくことができるようになったのです。

義務教育として始まる小学生には、待機児童は居ません。つまり、政府がやる気を出せば、全員が認可託児、保育所に入る仕組みを作ることができるはずです。
ただし、先程もあったように0歳児託児をなくすことが前提となるため、社会にも変革を求められることになります。

□記事の締めくくりに

女性の働き方に詳しいジャーナリストの中野円佳さんが指摘する。
「男性の収入が減るなどして共働きが当たり前となるなか、出産後のキャリアや、育児の負担に見通しが持てないことに不安を抱く女性は多い。決して子供を望んでいないわけではないのに、将来の不安から結婚や出産に踏み切れず、ずるずるとタイミングを逸してしまう女性も少なくないでしょう」
これが令和日本の現実なのかもしれない。

最終的に女性の問題にしてしまうのではなく、パートナーである男性や、所属している社会にも、この問題を取り扱うことができなければ、解決することができないのではないでしょうか。

「子どもを生む機械」発言が思い出されるように、女性、男性はかくあるべきとかいう文化を捨て、社会全体が子どもを産みたいと思う人を助け、産みたくないという人が働きやすい環境になっていくべきだと思います。

結局のところ、国が手出しできる範囲は決まっています。企業、雇用側に求められていることの方が多く、そういった会社への就職が増えていくのではないでしょうか。

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