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映画レビュー:23年8月の8本

さらば、我が愛/覇王別姫
(1993年/中国・香港・台湾/チェン・カイコー監督)

「ラストエンペラー」といい本作といい、この頃の中国周辺の時代背景、本当に、翻弄される激動の時代だったんだなと改めて。盧溝橋事件とかすっかり忘れてる、勉強し直したい。「人前に出るには人に隠れて修行することだ!」「この生業を選ぶ者は精進あるのみ!」と師匠が追い詰め、そうしてスポットライトを浴びる華やかな先輩の姿を見た後輩は「彼は名優になるまでに何度殴られたのか。何度殴られてもいい。俺もああなりたい」と決意を新たにする。芸能の世界あるあるなんだな。。。台詞回し、言葉のうつくしさはさすがに格調高い。でも途中で飽きちゃった。

ルードボーイ トロージャン・レコーズの物語
(2018年/イギリス/ニコラス・ジャック・デイヴィス監督)

「55年~63年の間に10万のジャマイカ人がイギリスに移住し、サウンドシステムも渡った。」なるほど!それでイギリスにレゲエが!そして「ヒッピームーブメントを拒絶するかたちでスキンヘッド・カルチャーが生まれた」って、ほほーう!知らないこといっぱいだ!当たり前のように平たく全部受容しているけれど、成り立ち、ルーツ、背景、通史を知れると面白いなぁ。名曲いっぱいだ。そして今や当たり前の多文化共生の礎は60~70年代のダンスフロアで築かれた、って、やっぱ音楽は社会を映すねぇとしみじみ。

パルプ・フィクション
(1994年/アメリカ/クエンティン・タランティーノ監督)

昔観てぜんぜんハマんなかった記憶あって、改めて劇場で観たら、アレ?これ観たことないわ!ってなった。「重要なのは現象じゃねぇ。俺が神の存在を感じた、って事だ。決めた。俺は足を洗う」のところ、シビレル。

王立宇宙軍 オネアミスの翼
(1987年/日本/山賀博之監督)

前評判や、これの解説動画を見ていて、どこかで機会を伺っていた作品、ようやく観れた!けど!実際に観ると!主人公の森本レオの声が邪魔!個性が強すぎる!作画はメチャメチャ凄い、クライマックスのロケット発射のシーン、たしかに凄すぎる!!世界観の描写もすごい。けど、、つまらない!「一万年後にここで何かやってるやつはいるんだろうか。」のつぶやき良。

ハズバンズ
(1970年/アメリカ/ジョン・カサヴェテス監督)

下高井戸シネマで予告が流れた瞬間に、メチャかっこいいジャズ!なにこれ観たい!となって、観て、ジャズ、オープニングで流れて、それだけだった。予告詐欺に乗せられてしまった(悔)。裕福層の男性のお戯れ。女は刺身のツマのようなもの。マッチョでMADな映画。観客ほぼ男性。笑って観てるのも男性。007の任務先でのアバンチュールと同じ。まぁ50年前の作品だからね。。やばいぞ、カサヴェテスのよさが解らないぞ。。。!

濡れた唇
(1972年/日本/神代辰巳監督)

汽車で実家に帰る、と彼女に嘘をついて、駅まで見送った彼女をやりすごし、その電車に乗らずに違う女に会いにいく。「残酷~!(笑)」と叫びながら。みなぎる青さの表現として秀逸だよ。しかし軽トラで大根積んである横で行為する画とか、今観るとすごく粗野なんだけれど、50年前ってこんな感じだったの?青いポリバケツ(ごみ入れるやつ)を台所に置いてそれを湯船代わりに2人でイチャイチャ入る、って表現も、たまげた。周りビチャビチャになるじゃん!いいの?!これが普通だったの!??

バックが大好き!
(1981年/日本/小原宏裕監督)

甲斐八郎氏の音楽がすばらしい。BGMがフェイドインしてくるのオシャレ。チンたくとか、エロの想像力が溢れててメチャメチャ面白い。観客の中で、多分彼氏に連れてこられたんだろう若い女の子が「映画観て久々にこんな笑ったわ」と、その見方、正解だよ!笑いまくれる完成度高い傑作!

サンドランド
(2023年/日本/横嶋俊久監督)

僕らは邪悪なものを見過ぎてるんだな。敵だって拳で殴らないし、陰惨なこと、悲惨なことは起こらない。教育番組みたいでハラハラするけれど、キャラはドラゴンボールのそれだし完全に鳥山明ワールド全開!安心して見ていられる。きょうび、これぐらいが平和で最高なのだ。

<了>





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