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20年越しの待望(涙)Donald Byrd『Places And Spaces』を発見!

高校の文化祭でクラスごとにオリジナルTシャツを作ることになって、そのデザインを任された時、サンプリングしたのがトランペット奏者Donald Byrd(ドナルド・バード)が1975年に吹き込んだ名作『Places And Spaces』のジャケットだった。

高校時代からHIP-HOPを聞くようになって、元ネタを掘っていく中でこのアルバムに出会った僕は、ジャケットのあまりのカッコよさに痺れ、音源のカッコ良さに痺れた。

それからレコ屋を巡るたびに探し続けた。ネットに出品されていても、それは買わなかった。レコ屋でいつか必ず巡り合えるだろうと探し続けた。しかし無かった。旅先でもレコ屋は必ず入るし、そのたびに探した。「こんなところで発見しちゃったら持ち帰るの大変だなぁ」なんて毎回思いながら、その心配はいつも杞憂に終わった。だって、どこにも無かったから。レコ屋の内装で「名盤が壁中に張り巡らされている」みたいな内装の中には、必ずこの盤があった。けれど実物にはついぞお目にかかったことはなかった。

そんなんで20年。

再発されたのは知っていたし実物も目にしていたが、やっぱり新譜じゃなくて、どこかでだれかが愛聴してきた、想いがこもった品がいいのよ。

そうやっていつか出逢えると思い続けて20年!20年だよ?!

2023年12月16日
その日も半ば諦めながら立ち寄ったHMV record shopコピス吉祥寺。

再発された新譜の『Places And Spaces』を発見。
「おぉ!再発盤でも有るの珍しい!みんな手にしたら手放さないからなぁ。」なんて掘り続けていたら。


手が震えて2度見、3度見したよ!!


時が止まったかの様にフリーズしたよ!!!!!


あるじゃん!!!!!!!!!!!!!!!!


生まれてはじめて実物みた。え、むしろ実物あるんだ?

1万円超え。

悩んだよ、悩んだ。
新譜の方で手を打とうかとも考えた。

しかし新譜でも4,500円ぐらい。倍とちょっと出せばいいの。そしてレコード盤は古着屋の1点モノと同じ。巡り合ったそのタイミングで手に入れないと、次の保障はない。そうやって買えばよかったと後悔し目に焼きついてる一期一会のレコードが何枚あると思ってんのよ自分?なにせ20年探した代物だよ。次出逢えるのが20年後かもしれないよ?

この20年の恋慕を考えてみなよ自分。ここで後悔したらどうすんのよ??

そんなんで、ついに、ついに、ついに。

我が家に迎え入れました。


あぁぁありがとうDonald Byrd。ありがとうHMV。このあと映画1本観ようと思っていたけれど、もう今日はこれで充分。だって20年越し。満ちたり過ぎてる。ホープ軒本舗でラーメンだけ食べて直帰しよう。

Donald Byrdご本人は惜しくも2013年に80歳で亡くなられ、実際に生でその演奏を聴くことは叶わなかった。けれどこうして音楽は残っている。人生の長さよりも芸術は長く残る。死んでも残るものを創りたいなと思う。

そうして今日もニマニマこのレコードを取り出しては眺めて元気を出している私なのでした。


<了>


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