【読書コラム】紙の本じゃないといけない理由ってなんだろう - 『世界でいちばん透きとおった物語』杉井光(著)
紙の本と電子書籍、どっちがいいかという話はたびたびされてきた。なんとなく、読書家はこれまでの習慣もあって、紙の方がいいと言いがちで、まさにわたしがそうだった。
ところが、昨年、市川沙央さんの『ハンチバック』が芥川賞を受賞し、広く読まれるようになって、空気がじわり変わってきている。
先天性ミオパチーの主人公の視点で語られる本作の中で、紙の本を読むことの物理的な困難さが描写され、電子書籍化しないことは読書バリアフリーに反すると指摘されているのだ。
これを受け、先月、