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語り会うとさらに深みが増しそう<百年の子>

百年の子 著者:古内 一絵さん

読書会に参加することは滅多にない私ですが、本作に関しては読了した人の感想を聞いてみたいと思いました。

うーん、正確には聞いてみたいというより、一緒に語り合いたいかな。😉

  • 児童文学、小学生学年誌への思い出はありますか?

  • 出版社がどのように生き残ったか、知っていましたか?

  • そして、あなたは今の時代をどのように過ごしていますか?

物語は、出版社に勤務する明日花と祖母のスエさんを中心に動き出します。

明日花が子どもの頃に面倒を見てくれた祖母は戦時中に同じ出版社の臨時職員として働いていたことがわかり、ファミリーヒストリーと思いきや、文林館という出版社が100年を乗り越えて今があるという大きな時代の変遷を見事に映し出し、ひとつの社史を読んでいるようでもあります。

そして、読めば読むほど実在する大をモチーフにしたことが感じられるのですが、本作に登場するマンガ家の先生はかの有名なマンガの帝王を指しているなど推測する楽しさもあります。

スエさんと関係者、編集者と作家との出会いの場面が多々ありますが、私が一番好きな出会いはスエさんが臨時職員に応募するために、初めて文林館を訪問するところ。

一人のご婦人から言葉をかけてもらったことにより、新たな世界に踏み出すスエさんは晩年にこのように言います。

「私たちはやっと、自分が本当に読みたい本を読んだり、見たい芸術を見たり、したいことを自由にできるようになったじゃありませんか。何事も、後悔のないようにするのが一番です。」

本作より

時代を紡ぎ出すエールの物語をぜひ堪能してくださいー💗😊


小学館

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