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「ズレている」という感覚もいいんでない?! <父と私の桜尾通り商店街>

父と私の桜尾通り商店街 著者:今村夏子さん

今村夏子さんの本を始めて読みましたが、主人公のパン屋の娘(わたし)の行動に「えっ、こう動いちゃう?」とびっくりマーク(!)が飛び出しました。

なんと言うか“変わっている”というありきたりの言葉ではなく、目の前にいる人に対して湧き上がってきた感情が、ちょっと斜め方向に進んでいく感じです^^

ある日、お店に並べたコッペパンを「おいしかった」と言って笑ってくれたあの人。その人のために、コッペパンにイチゴジャム&マーガリン、ピーナッツバターやハムエッグなどの具材を入れてサンドイッチを作り始めたわたし。

ごくシンプルなコッペパンは味わいがあるサンドイッチに見事に変化していき、いつしかお客さんも増えていきます。しかし、肝心のあの人は・・・。

淡々と過ごしてきたわたしに今までなかった感情が芽生えていく様子が小気味よく、パン屋にねずみが出るといる言葉もどんと翻していきます。
わたし自身もサンドイッチのように変化し、さぁこのあとは?


余談ですが、主人公わたしの「えっ、こう動いちゃう?」という行動ですが、本書最後に収録されている瀧井朝世さんの解説「今村さんにきいたこと」を読んでモヤモヤが解消しました。

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瀧井さんが「今村さんの作品には健気で懸命だけれど、傍からみていると「ズレている」と感じさせる人々が多く登場しますね」と聞くと、今村さんは「一生懸命さが痛々しいというか、見ていられないです。でもそこが〇〇だとも思います。」とのこと。

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この〇〇は、あなたのご想像または本書でご覧くださいませー😋🌮

<本書には、ご紹介したタイトルのほかに6作品の短編が収録されています>

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