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「幸せであるべき」と考えると苦しくなる

こんにちは、心理士のなべたです。

「人生は幸せであるべき」
「幸せを求めて生きるべき」
私たちは漠然とそう思っています。

「人は幸せになるのが当たり前」「幸せではないのは私の行動や性格に問題があるからだ」と考えることもありますよね。

この記事を通して「幸せ」について改めて考えてみましょう。

参考にした書籍はこちらです。


「幸せ」とは

そもそも幸せとはどのような状態をいうのでしょうか。

「気分がいい」「心が満たされている」と感じる状態を多くの人が幸せと考えているようです。
そして、その状態が続くことを「幸せになる」と表現します。

しかし、英語で幸せとは「happiness」です。
語源は「happen(起こる)」です。

つまり「突然訪れるもの」という意味が含まれています。

幸せとは、めぐり合わせで、偶然に訪れた良い気分のことをいうのです。

事実、めぐり合わせには良いこともありますが、悪いこともあります。

寝坊してしまうこともあれば、好きな人が他の人を好きだった、ということもあります。

しかし、その一方で、失くしたものが見つかったり、おいしいご飯に出会ったりと、良いことも訪れます。

その両方が存在する毎日を、私たちは「幸せ」と呼んでいいのではないでしょうか。

幸せを認めない「マインドさん」

しかし、マインドさんはそれを幸せとは認めません。
もっと出来栄えのいい幸せを求めてささやくのです。
あなたが幸せでない理由を。

「マインドさん」については以下の記事を参考にしてください。

勉強もスポーツも得意で友だちもたくさんいるとしても、マインドさんはささやきます。
「私は太っているから、きっと誰からも好かれないんだ」と。

妻やかわいい子どもに恵まれていてもにマインドさんはささやきます。
「同期のアイツはあんなに出世している、自分にはとても無理だ」と。

マインドさんはダメな部分を探し、このままではダメになると脅します。
手元にある幸せではけっして満足させてはくれないのです。

マインドさんがこんなことをささやく背景には人類の長い歴史が関係しています。

人類を進化させた「不安」

地球上に誕生したばかりの私たちの祖先は非常に弱い生き物でした。

生き抜くために、マインドは注意深く観察し、「気をつけて!あの黒い物体は熊かもしれない!」「その木の実は毒を含んでいるかもしれない」といった警告を発していました。

不安感、疑念、自分の欠点を探すこと、これら全てが、弱い人類が生き抜くために必要な情報だったのです。

また、人類を生き延びるには集団を作ることも必要でした。

そのため、マインドは、「他の人たちに嫌われていないかな?」「誰が味方なのだろう?」とささやきます。

人と比べたり、優越感や劣等感に悩むことも、危機を避けるために人類が育ててきたマインドの一部なのです。

現代社会では誤作動を起こす

現代社会では、私たちは安全な家に住み、食料もスーパーに豊富にそろっています。

ところが「マインドさん」は依然として危険を探し、不安をささやくことを止めないのです。

現代でも危険を察知する能力が役立つこともあります。
だからといって、四六時中、耳を傾ける必要があるかどうかは、はなはだ疑問です。

幸せになることも幸せでいることも実はとても難しいのです。

良いことも悪いこともめぐってくる毎日が本当の「幸せ」と言うのかもしれません。


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