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あの日君は何をした

衝撃的な本を読んだ。

感想を記したくなったため、ここに書き溜めておこうと思う。

「あの日君は何をした/まさきとしか」

用事があって本屋さんに立ち寄ったのだが、
この題名に惹かれて購入。

ミステリーものは
これまでほとんどドラマや映画ばかりで、
小説はほとんど読んだことがなかったのだが、
これがきっかけでミステリーにハマったと言っても過言ではないほど、素晴らしい作品であった。

どんなに凶悪な殺人犯だったとしても、必ずどこかではその人のことを大丈夫かなと心配している人がいて、
そんな過ちを犯してしまった人間をそれでもいいからと許し、必ず生きていてほしいと願う人がいる。

どんなに裏切られてもやっぱり大事な人は嫌いになれないし、
逆に大事な人だからこそ信じてもらいたい、
大事な人を信じたい時がある。

殺してしまいたいくらい憎い人がいたとしても、その人をどれだけ恨んでいても
どこかでは必ず生きていて欲しいと
心の片隅ではそう思っている人がほとんどで。

そんなことを思い知らされた小説だったような気がする。

親子や家族、特に母親は子供のことをどんな時も1番に想う。
だからこそ息子のためなら娘のためならと、
子供の笑顔さえ守れたらそれでいいと、
犯罪でも何でも手を染めることのできる母親の愛情は、
ものすごく強いものであると同時に
時としてその愛情は狂気へと変わることを知った。

何が正義で何が悪なのか、
何の事情も知らずに
ただ「殺した」という事実で
人を裁いていいのだろうか、
裁かれるべきなのだろうか、
ということを少し考えさせられたような気がした。


このタイトルが小説の全てを物語り、
既にタイトルからこの物語の伏線は始まっていたことを知った時、
ハッとさせられ、
同時に心の中がゾワっとした。

ここ最近読んだ本の中で1番衝撃的で、
少し作風が湊かなえや東野圭吾と似ていて
見応えのある一冊でした。おすすめ。

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