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クジラの子らは砂上に歌う

今シーズン始まるアニメでは、市川春子原作の「宝石の国」と、この作品を楽しみにしてました。どちらもこの週末に第1話を放映。せっかくの連休なのに、風邪っぴきでお家ごもりしていたので、どちらもリアルタイムで視聴。

宝石の国のほうは、個人的に21世紀の「少女革命ウテナ」的なものになるといいなと期待してたんだけど、それよりもだいぶとっつきやすい雰囲気に仕上がってたなー。

原作漫画のほうも最初は少しまったりした雰囲気で始まって徐々にハードになっていくので、まぁこんなものかな、とも思いつつ、出来ればもっとエッジィな感じで攻めて欲しいです。

市原春子の原作が好きすぎるので、映像化には不安があったけど、全体の雰囲気は悪くはないです。フォスが可愛すぎるのがちょっと気になりますが、これも話が進むにつれて変わってくるはずなので…

原作は5月に7巻が出たので、そろそろ8巻が出る頃じゃないかと。月人の秘密が少しずつ明らかになってくるはずなので、楽しみです。

クジラの子ら…」も漫画原作ですが、こちらは最近知った作品です。以前「このマンガがすごい!」のサイトで紹介されていたのが記憶に残っていたのですが、今回のアニメ化に合わせたのか、電子版の第1巻が無料になってたりしたので、試しに読んでみてまんまとハマりました。速攻で全巻買い。

原作漫画はとにかく絵が綺麗です。物語の質の高さだけじゃなく、舞台となる架空の島「泥クジラ」の日常生活やそこに暮らす人たちの使う道具、衣服などのディティールが実に細かく描き込まれていて、説得力があるとこがいい。単行本のあとがきを読んでいても、作者の梅田阿比がどれほど緻密にこの世界観を構築しているかを感じることができます。

私、ファンタジー小説はそんなに好きなほうじゃなかったんですが、例外的にハマったのが、上橋菜穂子の「獣の奏者」と、ミシェル・ペイヴァーの「クロニクル 千古の闇」シリーズでした。

「千古の闇」シリーズは、酒井駒子の絵が好きなのでジャケ買いしたら当たりだったやつ。

どちらも民俗学の知識に裏打ちされた、物語の登場人物たちの暮らす世界の生活・風俗の設定のリアリティが素晴らしくて、物語に没入できたとこが良かった。SFでもファンタジーでも、登場人物たちの暮らしや設定が、生活感ゼロだったり都合よすぎたりすると白けちゃうので。

この「クジラの子らは砂上に歌う」という漫画も、登場人物たちの物語の背景にある生活の確かな手触りみたいなものが、「(若くして死んでしまう)少年少女だけが持つ特別な力のために、彼らが不本意な闘いに巻き込まれていく」という全体としてはセカイ系アニメとかにもありがちな筋を、説得力のある物語にしてる感じが好きです。

原作がみっちり作り込まれているので、アニメ版はその世界観を壊さないように大事に作ってるなーって感じでした。オウニの声が老けすぎな気がするけど(オウニ、ああ見えて16才だから、もう少し若い声がよかった…)、他は声もあんまり違和感なかったな。原作のどのへんまでやるのかはわかんないけど、構成が戦隊モノやなんかで定評のある横手美智子さんなんで、間違いはないかな、と。

書いてて気づいたんだけど、この2つの作品に共通してるのは、主人公は自分たちの世界を取り巻く「外の」世界の秘密を知らず、読者が主人公と一緒にその秘密を少しずつ知っていく、ミステリー仕立てなんですよね。「進撃の巨人」あたりにも通じるものがあるかな。

私は原作を先に読んじゃってるので、これから物語を初体験できる人が羨ましい。アニメ版も盛り上がりますように!

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