【仕事やめやめ日記】2024/07/26
昨日は結局体調がすぐれないまま一日が終わってしまった。夜だけ、お芝居を見に行く予定があったのでそれのために外出。
めちゃくちゃ良かった!
『Birthday』というイギリスの戯曲を元にした作品。男性が妊娠できる技術が実用化された世界で、出産しようとしている男性とその妻の話。私立病院ではなく、NHS(National Health Service)の病院に入院するも、ただひたすら待たされフラストレーションが溜まるふたり。シンプルに男性が妊娠するという男女逆転劇ではなく、女性も妊娠できるが、男性もできるという世界線なので非常に複雑な構成。性差別も、セクシュアリティに関する差別も、人種差別も、複数の人の中に絡み合う構成で、インターセクショナリティの概念が浸透していない日本ではなかなか伝わりづらいだろうなあと思いながらも、個人的にはめちゃくちゃ楽しかった。とはいえ、イギリスならではの文脈がわからなくても楽しめるような翻訳・演出だったので、話についていけないという人はいなかったと思う。
特に主人公の男性は、白人男性という設定で、おそらくもともとやや保守よりで都会に住む中流階級の男性なのだけど、妻が前回の出産を経て子どもを産めなくなったことで自分で産むことを決意して、男性妊娠者?としてマイノリティであることを経験するというキャラクター。その複雑なありようを演じるのはとても難しいだろうなあ。ネタバレだが、最後出産してお腹が小さくなると、すぐに主人公には男性的な振る舞いが戻って、夫婦も「ふつうの」異性愛者の家族に戻る、というところも面白かった。ここは絶対に皮肉的な表現だとわたしは思うんだけど、まっすぐ受け取る人もいるだろうなと思った。
やっぱりお芝居好きだな。最近は良い作品を見られていなかったのと、出張が突然決まる仕事をしていたのであまり積極的にチケットも取れていなかったんだけど、ちゃんと見に行こうという気持ちを呼び起こしてくれた!
noteをひさびさに書くようになったので、すこし昔の自分の記事も掘り出してみていた。非公開にしていた記事が1件だけあって、見てみると20歳の自分の少しイタい感じの、でも切実な文章があって。そのときはより、自分が何者でもないこと、に苦しみを感じているみたいで、今はあんまりその苦しみはないんだけど、自分がやりたいことにどうやって本気で向き合えるか?ということは今も変わらない自分のテーマだなって思った。
めちゃくちゃ恥ずかしいけどもう外に出ていないのであえて引用↓
地球の歴史のなかでたったひとり…のくだり、こんなこと考えていたのねあなた!?という気持ちになる。今言えるのは、元からこの世に生きてる人全員そうだよ?ってことかな。誰でも、その人が見ている世界は一個で、その人の身体も一個で、その記憶が積み重なっている時間も一個で、だからこそそれ自体がおもしろいんだから、別になにもしなくたって十分おもしろい。
逆にいまやりたいのは、自分ふくめあらゆる人のその「ひとり性」みたいなことをおもしろがって、可視化して、大事にしていくような場所・しくみ・媒体をつくることだなって思うかな。
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