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ショートショート_星

読む時間が、すごく大きい。一日に占める時間のうち。しかも、ほぼ、noteの記事だ。

もともと活字を読むのが習慣で。本や雑誌をよく読んでいた。だが、noteの世界にやってきてから、ほぼ、誰かのnoteの記事を読んでいて。本を読む機会は、ほぼ、なくなってしまっている。

これじゃいかんとは思いつつ。まあ、そろそろ本をじっくり読む時間を作らねばと思っている。

noteの世界に。ももまろさんという、昔からの友人がいる。投稿する記事のコメント欄を閉じていて。書いていることも、かなりストレートな内容を書くので、いわれの無いことを噂されたり、いろいろに誤解されることもあるという。

でも、書いていることは、なんだかまっすぐで。私が最近参加して活動している、シロクマ文芸部のレギュラーメンバーとしては、いちばんいいエッセイを書かれている。

私も、いつか、ああいうエッセイも書けたら、人としての幅も、もう少しは広がるだろうになんて、あり得ないことを、ふと、考えたりしている。


小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。

そして、今回のお題は、「読む時間」から始まる、小説、詩歌、エッセイということで。

そして、たらはかにさんからのお題は…。

表のお題が「なるべく動物園」で。裏のお題が「あるべき成仏園」ということだ。

お2人とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって、毎週お題を出すだけでも大変だと思うのである。

それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。

せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のテーマ、3ついっぺんに書くなんて、やはり、お二方に対して、だいぶ失礼なんじゃないかな。



うむ。むしろ、勿体ない。これだけお題を盛り込むから、特に、たらはかにさんの裏表両方を入れてしまうので、タイトルが全く自分勝手なタイトルをつけるしかなくなってしまうのだ。


だが。私のサイクルは、日曜日が創作の日と決めている。だから、お題に対する物語も書きたい、参加したい。小牧幸助さんのシロクマ文芸部も、たらはかにさんの毎週ショートショートも。そして更に、自分の決めたサイクルも、できる限り守りつついきたい。そして、実力的に、1日に複数作書き上げる力量など無い。だから、昼からお題3つををすべて入れ込んだ荒技で、どうにか書き上げるしかないのだ。



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

まるで悪ガキ、駄々っ子だな。



まさに。



そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

家族からのお題は、バックアップで書いたの?


いや。書いていない。あっという間に、秋分の日も終わってしまった。


さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「星」約410字を、どうぞ。


☆         ☆         ☆

読む時間の長さが手紙の価値を表すものではないのだと思うのである。



泉は、ちょっと変わったものに拘っている。

それは、風景印だ。

消印の一種なのだが、局周辺の名所旧跡に因んだ図柄の印が押される。

そういうものこそ手紙に花を添えるのだと信じていて。出来うる限り窓口で依頼し、押してもらう。




日曜日だというのに、朝から母の霞は、バタバタしていて。お弁当を作ったりしている。

「どこに行くの?」

「パンダを見にね。」

上野動物園と聞いて、泉は、ピンと来た。

「出来たらで、良いんだけど。これ、パンダポストに出してもらえると嬉しいな。」

霞は泉の拘りをすべて熟知している。ニコリと笑いつつ、快諾した。



先日のカフェの一件でのお礼状を、涼に出そうとしていたのだ。もちろん、肝心なところは暗号にして。






泉はその脚で新宿に向かい。ある雑居ビルの地下会議室に出向いた。



定例の物故者慰霊祭だった。


その夜は、盛大に飲み、語り、供養に徹した。





帰り道。





星が、綺麗だった。

☆         ☆         ☆


■POSTSCRIPT■

風景印。なかなか洒落た印で。あまり知られていないから、余計に洒落ている。

上野公園のパンダポスト。このようなものである。左側の投函口に入れると、バンダの風景印が押される。

これがパンダポストだ

最近、手紙やはがきを使う機会がますます減ってきていて。私など、汚文字おもじなのでなおさら、出さない。

だが、泉は、筆まで。サラッと書いては出して、時々の季節や出来事を刻んでいくのである。

実に、風流な人だ。



■追記2■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。


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