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ショートショート_帯

ヒマワリへの思いはいくつもあるのだが。夏の象徴のヒマワリ。もう8月も末となれば、その姿に、ゆく夏のわびしささえ感じ始める。

今日も日曜日。荒技あらわざのショートショートをひねり出そうと、朝から焦っていた。


荒技とは、小牧幸助さんのシロクマ文芸部のお題の出だしで。たらはかにさんの毎週ショートショートnoteの表と裏のふたつのお題をすべて入れたショートショートを書くことを指す。

小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。

そして、今回のお題は、「ヒマワリへ」から始まる、小説、詩歌、エッセイということで。

そして、たらはかにさんからのお題は…。

表のお題が「鳥獣戯画ノリ」で。裏のお題が「聴診器が海苔」ということだ。

お2人とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって、お題を出すだけでも、大変だと思うのである。

それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。

コジの能力じゃ、日曜日にお題が揃って。そこから書き出すなんて難しいんじゃない?



うむ。実は、困難を極めている。


だが。私のサイクルは、日曜日が創作の日と決めている。だから、お題に対する物語も書きたい、参加したい。小牧幸助さんのシロクマ文芸部も、たらはかにさんの毎週ショートショートnoteも。そして更に、自分の決めたサイクルも、できる限り守りつついきたい。そして、実力的に、1日に複数作書き上げる力量など無い。だから、昼からお題3つををすべて入れ込んだ荒技で、どうにか書き上げるしかないのだ。たとえ難しくとも。



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

やっぱり、悪ガキ、駄々っ子だな。



うむ。三つ子の魂百まで。



そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

家族からのお題は、ひとつは、バックアップで書いたんだろ?


いや。書いていない。あっという間に、夏休み後の一週間も、とうに終わってしまった。


今回で、たはらかにさんの、「毎週ショートショートnote」としては、11作目。「シロクマ文芸部」としては、7作目である。「ショートショートnoteカードゲーム」や「ショートショート」としては、さて、何作目かは、改めて数えてみなければ分からない。


さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「帯」約410字を、どうぞ。


☆         ☆         ☆

ヒマワリへと歩み寄ったりょうは、その向こうに見えるテレビへと目をやった。

たまたま八王子市博物館にいた彼は、また、本部の緊急指令を受けたのだ。

高名な芸術家である神宮寺じんぐうじひびきが自ら刺繍ししゅうした帯。ヒマワリと鳥獣戯画の2作あり。オークションでそれぞれ50億で落札された。

記念に博物館で公開され、無事に会期を終え金庫に保管されたが、あろうことかパスワードを紛失してしまったのだ。

大富豪への出荷が間近に迫る中、涼に白羽の矢が立った。

関係者が厳重に取り囲む中、解読の作業に入る。

涼は山本山の筒缶つつかんから、おもむろに特殊聴診器を出し。一瞬で解錠。ミッションは終了した。

涼は秘密警察の文官で。7つ道具は常に、秘密裏ひみつりに携帯されている。

館長室にはヒマワリが飾られ。その向こうのテレビには特番が流れていて。

インタビュアーのいす゜みが、なぜ帯のがらがこの2つの組合せなのかと問いかけると、響は笑って答えた。

「それはね、ノリです。」

画面越しの、涼と泉の、5年ぶりの邂逅かいこうだった。

☆         ☆         ☆


■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。


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