ショートショート_夏空
流れ星は、好きである。そもそも空を眺めるのが好き。そして、それは夜空でも一緒で。いや、むしろ、夜空、星空の方が綺麗でロマンチックな面があるのかもしれない。
太陽は規則正しく朝を連れてくる。それは夜空の終焉を意味する。星は、夜空を巡っていく。ゆっくり、1年周期で。月も、空を巡る。ちょっと早足で、約29.5日周期で。月はときに、昼に逃げたりする。
夜空を突然に彩るのは、彗星や月食などもあるが、華やかなのは流れ星だ。
流星群というのがある。これは周期的にやってくる。だいたいは、星座の名前がついている。学生の頃は、天文年鑑なるものを毎年買っていて。流星群の旅に夜通し空を眺めていた。そのおかげで昼間の授業は熟睡だったが。
ただ。
流れ星というのは、実は、一日で地球に1,000個以上は降り注いでいるらしい。俄には信じがたいが、本当の話だそうで。そういう記事を30年ほど前にどこかで読んだ。
流れ星が見えないのは、夜空が明るいからで。生きている間に、本物の満天の星空を、眺めてみたいものだと思っている。
そんなつまらないことに頭を巡らせながら、日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、毎週木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「流れ星」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
表のお題が【誘惑銀杏】で。裏のお題が【入浴委譲】|д゚)チラッ、ということだ。
そしてそして、山根あきらさんのお題は、ちょっと早めに出る。
お題: 「妬いてるの?」、裏お題:「焼いてるの?」ということで。
今回も、裏のお題が出ている。ただ、ごく簡単なつぶやきで投稿されていたので、少し驚いた。
今回は、表お題も、裏お題も、文中に入れさせてもらおう。
また、今回は、ましゃこさんの、シロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を述べてみる。
シロクマ感想文を書こうと、「シロクマ文芸部」・「流れ星」で、検索して飛んでいった。すると、ついこの前にフォローして頂き、私もフォローした、ましゃこさんが記事を投稿されていたので、今回はこの記事でシロクマ感想文を書いてみようと思う。
何度でも書こう。つくづく、詩作ができる人というのは、尊敬する。
私は詩作が苦手で、詩が書けない。読むのは好きなのだ。詩は余白が広いことを良いことに、勝手に読み解き、勝手に感心しているだけだが。
ましゃこさんは、今回の記事でたくさんの詩、歌を読まれている。
全部の歌が良いのだが、特に私が気に入ったのは、この歌だ。
流れ星
また見えたねと
はしゃぐ君
この時こそが
我らの願い
実に良いと思う。
言ってしまえば、なんてことはない、特別ではない日常の一コマ。けれどもそれこそが幸せで。思わずニコリと噛みしめる。
そんな、最高の幸せを感じた。
良い歌を、詩を読ませてもらったことに、感謝したい。
生きていることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。
小牧幸助さん、たらはかにさん、山根明さん。3人とも、私は、大好きである。3人の企画は、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃる。だが、お題を出すだけでも大変だと思うのである。
毎週。ほんとうにありがたい。そして毎週の日曜日の、私の励みである。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のお題、山根あきらさんの裏表のお題。5ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで加えると6重の荒技。
あまりにもやりすぎじゃないかな。
うむ。まあ、私にも事情があって。本当は、ひとつひとつ丁寧に書きたいのだが、まだ、それが、どうしてもできない。
これで何週間だろうか…。まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。
なんだか、悪ガキだな。
まあな。申し訳ないな。みなさんに。
そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。
家族からのお題は、バックアップで書いたの?
うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。どうしようか。
私は、この荒技シリーズを、ハードボイルド風に書き上げたいと思っている。だが、そうそううまくはいかず。いつも、反省している。少しばかり。
なんのはなしですか。
さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「はじめて切なさを覚えた日」約410字を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
あの夏、泉は高校三年生。ペルセウス座流星群は極大が例年になく盛大だった。
ガリバー山の芝生に彼とラフと3人で寝転んで空を眺めたが、数え切れないくらいだった。
ラフが彼のシャツの裾を引っ張る。
「妬いてるの?」
ラフは裾を離した。
「僕は東大の法科を出て弁護士になる」
泉は東大への進学も考えたが、地元のこの街が何より気に入っていた。
「私は、都立大の数学科を目指す」
きっぱり言い切った。
夜が明けてきた頃。眼下の畑から煙が幾筋か上がっていた。
「焼いてるの?あれ?」
「朝に野焼きは無いだろう」
しばらくして煙は消え、朝日が射してきた。
麓で彼と別れ、ラフと帰宅した。
すぐに湯船に浸かりたかったが、ラフの足を洗うことを優先しながら、ぼんやりと進学先のことを改めて考えていた。
そんな昔のことをふと思い出しながら、泉は本部の屋上から階段を降り、事務室で任務に戻った。
あんなに静かな心で夜空を眺めるのは、今度は、いつになるのだろう。
☆ ☆ ☆
荒技も、もう、やり始めて1年以上になる。何回目だろうか。今度、数えてみよう。
振り向くと、ソファーのさっちゃん(注1)が言った。
マッサー、頼むわ。
マッサージをすると、家内は上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。
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