見出し画像

ショートショート_パラレルワールド

十二月というと、クリスマスだが。この歳にもなると、それほどの高揚感も無くなるのかと昔は思っていた。子供たちも独立し。年末年始を考えると、なかなか心持ちも慌ただしくなる。だが。未だに、なんだかウキウキするのは、一体、どうしてなのだろうか。

さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。

そして、今回のお題は、「十二月」から始まる、小説、詩歌、エッセイということで。

そして、たらはかにさんからのお題は…。

表のお題が「助手席の異世界転生」で。裏のお題が「優先席の微世界先生」ということだ。

お2人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。
それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。毎週、励みになる。

また、今回は、wsd983320987さんの、シロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を述べてみる。

いい作品だ。wsd983320987さんのこの作品は、すごくシュールだ。むしろ、私の荒技からすると、たらはかにさんの、表のお題、「助手席の異世界転生」にもできるような作品だと思った。やはりwsd983320987さんも、私のような者とは、住む世界が違う。私には、ここまでのイマジネーションは、とうてい無い。
終わらないループした年末。生活。無機質な関係。生命。翻って、命の尊さに思い至り、限りある命の中で生きる現実の泥臭さが、愛おしくさえ思ったのである。
どこかから、こんな言葉が聞こえてきた。「生きてるだけで、丸儲け」
今、深い自問自答のワープの中に、私は、閉じこもっている。

小牧幸助さんが新たな企画を出された小牧幸助文学賞は、駄作を3つほど出したところで、11月30日に終了した。シロクマ文芸部員のはしくれとしては、もう少し練った作品を出せば良かったとも、後悔している。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。

せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のテーマ、3ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、4重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。


うむ。


これで何週間だろうか。まあ、続けられるだけ、続けるさ。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。

なんだか、悪ガキだな。


まさに。

そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。

家族からのお題は、バックアップで書いたの?

うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。

さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「パラレルワールド」約410字を、どうぞ。

☆         ☆         ☆

十二月も半ばを過ぎたクリスマスイブ。たまたま2人は休暇が重なったのだった。

湘南のカフェを目指して車を出そうとした瞬間、本部から、異世界に拉致された細菌学博士を保護するミッションが発動された。

助手席にはワープのためのマイクロチップが仕込んである。ドライバーは泉で。必然的に涼が飛んだ。


降り立った異世界はパラレルワールドで。見かけは現実世界と変わらない。ホームに高尾山口行き特急が停車している。

1号車に工作員達がいて。後部優先席に博士を拘束している。みな特殊サングラスをかけ厳重な警戒だ。

発射ブザーが鳴り、静かにドア閉まる。

と、涼が滑り込み、今回は特殊ノイズ弾を炸裂させた。


ギュイーン!


次の瞬間、重ね倒れる工作員の中から博士を担ぎ出した涼は、超小型ワープチップを起動、現実へと帰還した。

助手席に涼。後部座席は寝息を立てる博士。

泉はナビを本部に合わせ、『恋人はサンタクロース』をかける。


2人は顔を見合わせ、笑って、歌い出した。


☆         ☆         ☆

■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?