採用マーケットの変化とこれから
コロナによって激変したと言われる採用マーケットですが、2016年頃から既に環境変化は始まっていました。コロナによって加速したというのが適切なのかもしれません。
そこには「大きな二つの変化」があります。
①企業情報・採用情報の「ガラス張り」化
②「メディア」の多様化
【企業情報・採用情報の「ガラス張り」化】
・若者雇用促進法(平成28年3月1日)施行
下記の項目を開示することが当たり前になりました。
「多い少ない/有る無い」以前に、開示していない時点で求職者から選ばれなくなるマーケット=情報開示が大前提。
<募集・採用に関する情報>
①新卒者等の採用数/②離職者数
③平均勤続年数
<職業能力の開発及び向上に関する取組の実施状況>
①研修の有無及びその内容
②自己啓発支援の有無及びその内容
③メンター制度の有無
④キャリアコンサルティング制度の有無及びその内容
⑤社内検定等の制度の有無及びその内容
<職場への定着の促進に関する取組の実施状況>
①前事業年度の月平均所定外労働時間・有給休暇の取得日数
②前事業年度の育児休暇取得者数/③出産者数
③役員及び管理的地位にある者に占める女性の割合
・働き方改革関連法案
残業時間の上限規制、勤務間インターバル、年次有給休暇の取得等々、
大手企業だけではなく中小企業も遵守するべき法律が増えました。
・テレワーク環境の有無
感染症対策のテレワークから生産性向上が目的のテレワークに変わりました。テレワーク環境が有るか否かが求職者にとってのモノサシへ。
「企業として変化しようとしているか?」「環境対応しているか?」という視点で見られるようになりました。
SNS、口コミサイトへの書き込み、求人企業へのレイティング、求職者は今まで以上に「情報収集」が容易になりました。即ち、企業側がどんなに取り繕っても「ガラス張り」になっているということ。
【メディアの多様化】
下記は前提となる「就・転職市場の流れ」
応募から入社までに求人広告や転職エージェントの情報だけで完結する時代ではありません。企業のホームページ(オウンドメディア)を閲覧し、SNS・知り合い(パーソナルメディア)からも簡単に情報収集できる時代となりました。ベンチャー・中小企業でも多くの人材にリーチできるチャンスがあります。
・ペイドメディア
・オウンドメディア
・パーソナルメディア
すべてのチャネルを通じて一貫性のある情報提供ができていることが大切なマーケットとなります。
このようなマーケットにおいて、企業はどのような姿勢が大切になるか。
採用マーケットは以下のように変化しています。
「ターゲティング」ありきではなく、まずは「発信」することから。
既存のデータベース、接触した人ではなく、常に新しい人たちに触れ合うためには「発信」「認知」「接触」の繰り返しです。そして「接触」から「共有・紹介」が生まれます。良い/悪いといった画一的な価値観が崩壊し、好き/嫌いという極めて個人的な価値観での意思決定に変わってきています。
それは企業・就転職マーケット・社会(コミュニティ)の「あり方」が変わったことによって加速しました。分断されていたものが、それぞれが重なり合っている=「境界線が淡くなる」ということです。
このような環境下では、Outer Branding/Inner Brandingという「内と外を分ける」ブランディングではなくこれからは社内外を分けない、その会社らしさを正直に、素直に、純粋に表現する「Honest Branding」こそが大切になると考えています。
自社の「らしさ」を言語化し社内外に発信する企業を増やしていきます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?