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金沢在住

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最近の記事

アイドルグループとの向き合い方

数年前から、某女性アイドルグループのことが気になり始めた。女性アイドルは恋愛ソングばかり歌っているという偏見があったが、そのグループの楽曲は自意識の葛藤をテーマとしたものが多くを占めている。大学のプログラムでイギリスに留学した際、誰にも話しかけれず一人でいた僕は、それらの楽曲を聴いて心の支えにしていた。 当初は、メンバーの動画や写真を見れなかった。自分のネガティブな内面を投影していた楽曲を歌っている人たちが、明るくしている姿を見るのに抵抗感があったのだ。この感情は緩やかに消

    • 22歳、童貞

      数年前、ある映画祭のボランティアスタッフに参加した時のこと。映画祭が終了し、スタッフのみんなで打ち上げをしようとなり居酒屋に行くことになった。人数は10人程度で、二つのテーブルに別れた。どちらのテーブルも男女比は半々。 飲み会開始から、別のテーブルはとても盛り上がっていたが、僕のテーブルの方は会話をしているものの全然盛り上がっていなかった。必然的に僕のテーブルにいた何人かが別のテーブルに移動する。僕は飲み会で席を移動することができない。自分が移動すると、近くの人に「あなたと

      • 男性性と向き合う

        ※この文章はもしかしたら、一部の方(特に女性)には不快な表現があるかもしれません。 露出度の高い服の女性を見てしまう時、マッチングアプリで胸の大きさを見て右スワイプをする時、痴漢・レイプもののAVで興奮している時、インスタのオススメ投稿が水着姿の女性ばかりになっている時、、、。どれも避けようとしているが、繰り返してしまう。こうなると、僕は居心地がとても悪くなる。 対象方法は二つしかないと思っていた。 ①女性を性的対象物としか見ていないと深い自己嫌悪に陥る。 ②正当化。

        • 「街の上で」~コミュニケーションのほつれ~

          映画「街の上で」 「それ取ってください」と誰かに頼んでみたら取って欲しい物とは別の物を渡されたり、聞かれた質問に長々と返答している途中に趣旨と全く違うことを話していることに気づいたり、調子に乗って出た言葉が相手の踏み込まれたくない一線を越えてしまったり、、、。 映画「街の上で」は、誰もが体験するそんな「コミュニケーションのほつれ」をすくいとっている。 高校時代、容姿や運動神経に自身がなくて、自信を持つことができたのは「コミュニケーション」だけ。恋人もいなくて、部活では補欠の

        アイドルグループとの向き合い方

          自意識という邪魔者

          よく晴れたある日の休日。一日の予定は、朝から東急スクエア内のカフェの外の景色が眺めるいつもの席で勉強をした後、午後は同施設内にある本屋で村田紗耶香さんの「地球星人」を購入して、近くの公園のベンチで一気読みをする。その日は、開店時刻とほとんど同時にカフェについたので席を確保することができた。 数時間して人も増えてきたので、勉強を切り上げようと教科書をカバンに入れて席を立つ。顔を上げると、外にいる真っ赤な花束を持った女性が目に入った。自分と同年代くらいの彼女の表情は、マスクで隠

          自意識という邪魔者

          二度と行けないあのお店

          三年前のGW、金沢に来て初めての長い連休だったので一人金沢散策をした。金沢駅、近江町市場、21世紀美術館、ひがし茶屋街、兼六園、、。今ではすっかり日常の風景に、当時は心を躍らせていた気がする。(そういえば、「アベンジャーズ・インフィニティウォー」を映画館でみて衝撃を受けたのも三年前のGWだったことをこのエッセイを書きながら思い出した。) 兼六園を堪能した後のお昼過ぎ、近くでご飯を食べようと思い兼六園周辺で店を探した。せっかくだからチェーン店じゃない所にしよう。でも、金沢の名

          二度と行けないあのお店

          ラストスパート

          今日で、刑法と憲法の基本書を読み終えた。昨日の時点で数時間あれば読み切れる位まで進んでいたが、朝から読んで、読み終えたのは18時。自分は何に関してもラストスパートをかけることが苦手だ。 講義中、残り時間が5分だと分かるとノートを取る手が止まってしまう。本の最後にある解説やあとがきは全く頭に入ってこない。腕立て伏せを30回しようと思っても28回でやめたくなって、やめる。 「あと一歩だけ進むんだ!」「最後だと思って全てを出し切れ!」という言葉や「1.1と0.9は僅かな差に見え

          ラストスパート

          エッセイを書きたくなった理由

          「妥協とか同情とか、そんな諦めの漂う感情とは違う。ふりむくのは、挑戦だ。自分の愛ではなく他人の愛を信じるのは、自分への裏切りではなく、挑戦だ。」 綿矢りささんの作品『勝手にふるえてろ』の終盤にある文章。この数十文字を見たとき、初めて文章のことを美しいと感じた。魅力的な文章に出会う。新たな読書目的が加わったことで、私はエッセイに心を惹かれるようになった。架空の世界で生きる第三者の視点を通して書かれる小説と異なり、この世界で生きる者の主観視点で書かれるエッセイはより文章に筆者の

          エッセイを書きたくなった理由

          自己紹介

          以下では、私の好きな小説家、ラジオ番組、映画を書いておきます。 小説家 朝井リョウ、村田紗耶香、綿矢りさ ラジオ番組 「アフター6ジャンクション」、「荻上チキsession」、「creepynutsのオールナイトニッポン0」、「ハライチのターン!」、「中川家・ザ・ラジオショー」、「問わず語りの神田伯山」、「アシタノカレッジ(金曜日)」、「福のラジオ」、「中居正広のon&on air」、「安住紳一郎の日曜天国」 映画 MCU作品、是枝裕和作品、吉田大八作品、深田晃司作品

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