見出し画像

エッセイを書きたくなった理由

「妥協とか同情とか、そんな諦めの漂う感情とは違う。ふりむくのは、挑戦だ。自分の愛ではなく他人の愛を信じるのは、自分への裏切りではなく、挑戦だ。」

綿矢りささんの作品『勝手にふるえてろ』の終盤にある文章。この数十文字を見たとき、初めて文章のことを美しいと感じた。魅力的な文章に出会う。新たな読書目的が加わったことで、私はエッセイに心を惹かれるようになった。架空の世界で生きる第三者の視点を通して書かれる小説と異なり、この世界で生きる者の主観視点で書かれるエッセイはより文章に筆者の個性が出ていて楽しいのだ。

そのシニカルな視点に笑わずにはいられない、さくらももこさんの文章、用いられる擬態語から暖かみが出ている、荻上チキさんの文章、なんてことない日常から浮かび上がらせてくる筆者の思いが私の背中を押してくれる、若林正恭さんの文章、等々。同じ出来事について書かれていても、きっと文章を書く筆者によって私が受け取るものが違う。

小説を読んで文章は素晴らしいと思い、文章は素晴らしいと思って、エッセイを読み、エッセイを読んでいると、自分も魅力的な文章を書きたいと思った。そんな曖昧な理由に加えて、元来なにかをコツコツ続けることが苦手な性格のため投稿を続けれる自信もなければ、魅力的な文章が書けるようになる気もしない。まあでも、自分のペースで頑張っていきたい。

この記事が参加している募集

#自己紹介

230,200件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?