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ミュージアムに行こう!① 企業ミュージアムを紹介する新書を出版したい

情報サイト「プレジデントオンライン」に、日本で最も権威のある美術展の日展と、上下関係が厳しく、金銭体質と言われている書道界の実態を追ったレポートを書きました。お時間のあるときに読んでみてください。

「週刊文春」の取材を受け、宝塚歌劇団を傘下に持つ阪急阪神ホールディングスのコーポレートガバナンス(企業統治)についてコメントさせていただきました(2024年1月4・11日号)。タイトルは「宝塚『闇の金』」です。お時間のあるときに読んでみてください。

「週刊文春」の取材を受け、宝塚歌劇団を傘下に持つ阪急阪神ホールディングスのコーポレートガバナンス(企業統治)についてコメントさせていただきました(2024年1月4・11日号)。タイトルは「宝塚『闇の金』」です。お時間のあるときに読んでみてください。

「プレジデントオンライン」という総合情報サイトで、宝塚歌劇団と阪急阪神ホールディングスが改革すべきこと、急務の問題について記事(第2弾)を書かせていただきました。お時間のあるときに読んでみてください。

「プレジデントオンライン」という総合情報サイトで、女性の社外取締役や女性のアナウンサー、アスリート、タレントとの関わりについて記事を書かせていただきました。お時間のあるときに読んでみてください。

「プレジデントオンライン」という総合情報サイトで、宝塚歌劇団の劇団員の死や宝塚歌劇団の記者会見、阪急阪神ホールディングスの会長や社長の減給処分について記事を書かせていただきました。お時間のあるときに読んでみてください。

大学生の頃、博物館の学芸員の資格を取るため、博物館学関連の授業を受けていたが、実習などカリキュラムも多く、ジャーナリストになりたいという気持ちが強くなり、途中で諦めてしまった。中学校と高等学校の社会科の教職の資格は取得したが、興味のある展覧会に行くものの、博物館とは距離ができてしまった。

それが、5、6年前に博物館と接点を持つようになった。ある金融機関のリサーチ部門が発行している会員企業向けの月刊誌で、企業ミュージアムを紹介するグラビアページが新設され、編集担当として関わるようになったのだ。カメラマンと共に企業ミュージアムを取材して、800字ほどの解説を執筆することになった。

企業ミュージアムができた経緯や特色、見逃してはいけない所蔵品を聞き出し、産業の歴史や企業の軌跡にも触れて、ミュージアム案内を書いた。出張や旅行などで近くに行ったら、ちょっと見てみようかと思うような内容だ。取材したのは、以下の施設である。

小坂鉱山事務所(秋田県小坂町)
筑波宇宙センター展示館(茨城県つくば市)
オリンパス技術歴史館「瑞古洞」(東京都八王子市)
トヨタ産業技術記念館(愛知県名古屋市)
ミキモト真珠島(三重県鳥羽市)
京都鉄道博物館(京都市)
グンゼ博物苑(京都府綾部市)
パナソニックミュージアム、松下幸之助歴史館(大阪府門真市)
サントリー山崎蒸留所 ウイスキー館(大阪府三島郡島本町山崎)
日本食研 食文化博物館(愛媛県今治市)
TOTOミュージアム(福岡県北九州市)
三菱重工 長崎造船所 史料館(長崎市)

取材、執筆をしていると、数々の発見があり、すごく楽しい仕事だった。企業取材を長く続けてきたので、産業界に土地勘があり、文学部史学科を卒業したこともあり、企業や産業の歴史にも興味がある。企業ミュージアムを紹介する仕事は天職だと感じるようになった。

ところが、長年、勤めていた出版社を辞めることになり、企業ミュージアムを紹介する仕事から離れることになった。今から4年半ほど前のことだ。天職と考えていたぐらい、企業ミュージアムに入れ込んでいたので、残念でならない。

どうすれば打開できるかを考え、企業ミュージアムに関する本を新書で出版したいと思い立った。企画書を作成し、新書を出している出版社の編集者に会い、企画を説明する機会を得た。

企画案は以下のようなものだ。2019年秋に作成しており、データ、数字は当時のまま掲載している。

企業・産業ミュージアムに関する本の企画案

■本のタイトル
『企業・産業ミュージアム――知られざるワンダーランド』(仮題)

■企画の狙い
ここ数年、企業・産業ミュージアムが相次いでオープンし、おカネのかからない観光スポットとして人気が高い(無料の施設が多く、有料でも比較的安価)。1万円札の新しい顔に渋沢栄一が決まると、埼玉県深谷市の渋沢栄一記念館、東京都北区の渋沢史料館に早速多くの人が押し寄せている。

企業や産業の歴史、これまで市場に投入した製品や技術の展示のほかに、体験コーナーを設けたり、最新のデジタル技術による映像やホログラムでの演出など、エンターテインメント性の高いミュージアムが登場し、来館者を惹き付けている。

新社屋の建設、本社の移転、研究所の新設などを機に、企業はミュージアムを新設し、既存の資料館(史料館)や記念館をリニュアルするケースが多い。企業側は、CSR(企業の社会的責任)の一環、企業PRやファン作りの場と位置付けており、ファミリー層、シニア、学生も含め、見学者を増やしてきた。

各企業は、さまざまな趣向を凝らして集客し、認知度、好感度を上げようと、企業ミュージアムに力を入れているが、その背景に何があるのか。子どもや学生をはじめ、ファンを増やせば、有望な人材の獲得やブランド力の向上につながるという思惑もあって、多額の投資も厭わない。経営戦略の重点項目に位置付けている企業もあり、企業・産業ミュージアムに掛ける各社の期待や思惑を追ってみたい。

自分たちの会社をいかに知ってもらうかなどの創意工夫にスポットを当てながら、企業ミュージアムブーム、知られざるワンダーランド(楽しく素晴らしい場所、夢のような不思議な場所)の実態を解剖する。

■本の構成

第1章      なぜ今、企業ミュージアムなのか

日清食品のカップヌードルミュージアムは、NHKの朝ドラ「まんぷく」(2018年10月~2019年3月末)を放送する以前から人気が高く、年間来場者100万人を超えていたが、放送開始後、神奈川県横浜市と大阪府池田市にある2つのミュージアムは人で溢れかえった。ミュージアムの開設によって、日清食品の事業やイメージにどのような変化が起きているのかを探る。
国内に20を超える鉄道博物館があり、新たに京急電鉄(2019年秋)と小田急電鉄(2021年、ロマンスカーミュージアム)がオープンするが、ミュージアム新設の狙い、企業のミュージアム戦略の本音に迫る。
来場者ランキング
企業ミュージアムの集客力ランキングを掲載し、分析する(現在と10年前の比較)。 
コラム
来場者数トップ10の企業ミュージアムは、どんな手法で客を呼び込んだのか。

第2章      企業ミュージアムの仁義なき戦い

創業100年を迎えたニッスイ、ヤンマー、TOTO、パナソニックをはじめ、周年事業でミュージアムを一新させる企業は多い。横並び意識には落とし穴があり、閉鎖を余儀なくされたミュージアムも出ている。ミュージアムブームに乗った企業の皮算用や、お荷物ミュージアムを抱え、経費倒れで苦しむ企業のジレンマを追う。
コラム
ミュージアムを閉鎖した企業、ミュージアムへの巨額な投資をした企業の収支を分析する。

第3章 ここまできたミュージアムの進化

ヘッドマウントディスプレイ(HMD)での360度画像や、上空から見ているような鳥瞰図の映像を楽しむミュージアムが相次いで登場している。VR、3D、ホログラムなどの最新技術、デジタル技術で進化を続ける企業ミュージアムの最前線を歩く。

第4章 テーマを明確にした特化型ミュージアムで勝負

特色のある企業ミュージアムを紹介する。
・コーヒーワールドを五感で冒険するUCCコーヒー博物館
・世界的にもマレな“小麦・小麦粉”をテーマにした日清製粉の製粉ミュージアム
・富本銭、和同開珎、天正大判など、希少貨幣に出会える三菱UFJ銀行貨幣資料館
・世界62カ国、1万3000点の貯金箱を集めた尼崎信用金庫の世界の貯金箱博物館
・マンションのルーツを探り、未来の住生活を体験できる長谷工のマンションミュージアム
コラム
医薬産業発祥の地を「道修町ミュージアムストリート」(大阪市)と宣言。呉越同舟で集客力アップを狙う塩野義製薬、田辺三菱製薬、大日本住友製薬、武田薬品工業など、製薬メーカーのミュージアム戦略を解き明かす。

第5章 企業ミュージアム戦争の仕掛け人たち

ミュージアムブームを演出する空間プロジューサーの熾烈なバトルを、ミュージアムの作り手や裏方から描く。乃村工藝社、丹青社、トータルメディア開発研究所の企画力、制作力、運営力を点検する。
コラム
企業ミュージアムブームをメシの種に変えた企業の勝算
東海旅客鉄道のリニア・鉄道館(名古屋市)や大和ハウス工業の賃貸住宅体験館(奈良県、栃木県 )など80ヵ所のミュージアムの運営を手掛ける「サントリーパブリシティサービス」の実態と実力を分析する。

第6章 海外からの来館者を取り込め! 

海外からの旅行者を魅了する鉄道大国・日本。さいたま市にある鉄道博物館は、英語・中国語・韓国語・フランス語・タイ語・インドネシア語の6つの言語で対応しており、インバウンド(訪日外国人)の拡大を狙っている。日本で唯一、大工道具を中心に展示する竹中大工道具館(兵庫県神戸市)は外国人に人気がある。日本文化に関わり、日本的な要素の強いコンテンツは海外から注目されているが、インバウンドを意識した企業ミュージアムの動きを追跡する。
コラム
神戸観光に「街めぐり1dayクーポン」を利用する訪日外国人が急増! 
1日電車乗り放題の神戸エリア版の「お得な切符」は950円で、700円分の観光クーポンが付いており、交通費は実質250円。こうした情報が海外に広まり、魅力的な観光エリアになっている。竹中大工道具館(新神戸駅)、UCCコーヒー博物館(南公園駅)、神戸海洋博物館・カワサキワールド(元町駅、みなと元町駅)などのミュージアムや観光スポットを効率的に見ることができ、インバウンドの呼び込みに貢献している。 

資料編 企業・産業ミュージアムを紹介するデータ

各ミュージアムの注目ポイントを解説し、企業・産業ミュージアム巡りのガイドブックにする。
盛り込む内容はミュージアム名、特色、所在地、URL、電話番号、休館日、開館時間、入場料、交通の便、設置機関、設置時期(移転した場合は以前あった施設の開設時期)と最新のリニュアル時期。
地図
地域ごとに地図を作成し、ミュージアム名と掲載しているページ数を掲載。
北海道、東北、関東・甲信越、首都圏、東海・北陸、京阪神、近畿、中国、四国、九州の10カ所の地域に分け、1つの地域の地図は見開き(2ページ)にする。

大手総合出版社に本の企画を提案

企画案を大手総合出版社の編集部で検討してもらったのだが、カラー写真を入れたムックの形式のほうが適しているのでは、ということになり、出版には至らなかった。ムックであれば、カメラマンなどチームで本作りをすることになり、個人で取材して執筆し、本にまとめるスタイルにはならない。

そこで、ミュージアムを紹介するホームページを作成して、利用者が自由に閲覧できるようにしたい、と方針を変えた。企業ミュージアムに限らず、全国の博物館、資料館、記念館、郷土資料館などを網羅したものにしようと、ミュージアムをピックアップし、4000~5000のミュージアムのリストができた。

一般的な美術館はテーマに応じて展示品の入れ替えをするのでリストから除外することにし、ガラス細工や陶磁器など、特定の分野や一人の画家や陶芸家などの作品を収集している、専門性の高い美術館は含めることにした。

それぞれのミュージアムには、名称、住所、URL、電話番号、休館日、開館時間、入館料の基本情報を盛り込み、400字~3000字ほどの解説文を入れることにした。

ミュージアム関連の作業と並行して、書きたかった小説の執筆を始めた。一度書き上げた小説を、推敲などで3年ほど熟成させて、『黒い糸とマンティスの斧』のタイトルで出版した。

ミュージアムのホームページを作ろうと一念発起するが、その後、コロナが流行し、多くのミュージアムが休館となった。ミュージアムの解説を書く作業は続けており、現在、100万字を超える文字量になっている。ホームページを作成するプロジェクトについては、次回、顛末を記したい。


アマゾンのキンドル出版で、2023年8月にペーパーバックと電子書籍で
小説が発売されました。「権力は腐敗する」「権力の横暴や不正を許さない」をテーマにしており、興味のある方はお読みください。
『黒い糸とマンティスの斧』 前原進之介著

2023年9月25日発売の「週刊現代」で『黒い糸とマンティスの斧』が紹介され、9月27日にネットで配信されました。「現代ビジネス 黒い糸とマンティスの斧」で検索すると、記事が出てきます。時間があるときにお読みいただければ幸いです。


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