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ノルウェー映画 「画家と泥棒」

ノルウェーで実際に起きた絵画の窃盗事件
その後の画家と泥棒の交流を描いたドキュメンタリー映画

私は昨年の冬、日本を訪れた時にアパートメントを借りて滞在していたのだが、そこのアパートから割と近かったStrangerというカフェ併設型ミニシアターでちょうど”北欧映画祭“を開催しているのをネットで発見
しかもノルウェー×画家という私の興味&ゆかりのある内容の映画が上映している
さっそくそのノルウェー映画を観に行くことに
これが何とも興味深く、私も芸術家の端くれとして引き込まれた



公式予告編


あらすじと感想

2015年、ノルウェーの首都オスロ
ギャラリー・ノーベルから2点の絵画が2人の男によって盗まれた
盗難に遭ったのはチェコ出身でオスロ在住の画家、バルボアの絵画だった
防犯カメラの映像から窃盗犯は逮捕されたが、絵画は行方不明のまま
泥棒のうちの1人、カールは裁判に出廷するが、「(ドラックをやっていて)盗んだことは覚えていない」と言う
カールの裁判を傍聴していたバルボアは「あなたをモデルに絵を描きたい」と提案する
その後の画家と泥棒の交流を監督は3年間にわたって撮影した

この間、2人の間には様々なことが起こり、ドキュメンタリーなのに、まるで脚本・演出がある映画のようにドラマチックな展開だった

ラストシーン、バルボアが展覧会を開催することになる
以前にバルボアは、カールと彼の恋人をモデルに半裸で横たわっている絵を描いたのだが、最後はカールの恋人(この時点では破局している)を自分(バルボア)の姿に描き変えた絵を展示するのだ
私はああ、やっぱりそうなるのかと感じた

芸術家って闇を抱えていたり、陰に惹かれたり、変わった(狂った?)感性を持っていたり、のめり込み過ぎて周りが見えなかったり、少なからず暗い影の部分がある
でも同時に得も言われぬ“何か”を表現したい強いハングリー精神を持っていないと成功しないのかもしれないと思った
バルボアもきっとそうだったのだ
最後の絵画に、この映画が集約されている気がした

The Painter and the Thief


作品情報

The Painter and the Thief(英語:画家と泥棒)
原題   Kunstneren og tyven(ノルウェー語:美術家と泥棒)
邦題   画家と泥棒
監督   Benjamin Ree
出演   Barboa Kysilkova
     Karl-Bertil Nordland
公開年  2020年
上映時間 102分
製作国  ノルウェー、アメリカ合衆国
言語   英語、ノルウェー語
ジャンル ドキュメンタリー映画





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