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精一杯生きるとは?

こんにちは。今日の写真はメキシコのある街の風景。カラフルな布が公園の前に飾られているだけで何だかワクワクした気分になりました。色彩って大事ですよね。

今日は結構前に読んだ本の読書感想文で『働く君に贈る25の言葉』という佐々木常夫さんの著書についてです。佐々木常夫さんはご存知の方も多いかと思いますが、東レで取締役や東レ経営研究所の社長になった方です。

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日本のビジネス書

日本での社会人歴は短かった事もあり、日本のビジネス書は実は殆ど読んだことがありません。カナダで仕事をしてる私にとっては参考にならない事もあるので興味が湧かなかったというのが本音かもしれません。

長年、駐在員の方のサポートをさせて頂いた中で、任期を終えて日本に帰るときは本を頂くことが結構ありました。この本も日本に帰任してしまった関連会社の社長さんから頂いた本で読む事にしてみました。

帯にも書いてあるのですが、これは仕事をしていない人が読んでも何か感じることがあると思います。読んでみての感想は「人生のバイブル」と言っても過言じゃないほどの素晴らしい内容でした。

最後の何十ページかは外で読んでいたにも関わらず涙が流れてくるほど感動する内容でした。それくらい感動してしまうビジネス書を読んだのは初めての体験でした。

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本音を綴る内容

著者は東レの会長にまで登りつめた人なので、勝手にエリートサラリーマンと思ってたのですが、実際はとても苦労してサラリーマン時代を生き抜いた方でした。

余り内容には触れないようにしようと思いますが、本の中には日本のサラリーマンとしては過酷としか言えない状況に陥る著者が状況を語ります。ただ、それは飽くまでも就職が決まった甥っ子にあてた手紙という面目で彼の成長を喜びつつアドバイスをしていく形になっていました。

私が涙したのは、そんな甥っ子に対して実のお父さんのようにアドバイスをしている著者が過酷だった時期を振り返り本音を漏らしたからです。

生い立ちも決して裕福ではなかったと思うし、女でひとつで4人の子供を育てたお母さんの話は私の祖母を思い出しました。本当に強くて素晴らしい女性に愛情たっぷりに育てられたから、著書も奥さんに愛情をたっぷり注げたのだろうと思いました。

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精一杯生きるということ

著者は本の中で、「精一杯生きる」という言葉を何度も使います。
通常ビジネス書にはそんな言葉は出てこないので、それだけでもこの本がビジネス書というよりは人生論が書かれているというのが分かってもらえると思います。

人は「生きる」という言葉をどういう時に使うでしょうか。日常生活の話なら「暮らす」と言うだろうし、事実を淡々を話すなら「XXがあった」と書いたり言うだけになります。私たちが「生きる」という言葉を使うときは文字通り「生」を感じているときだと思います。

では、「生」とはどういうときに感じるのか。それは「死」を意識したときだと思います。「生」と「死」が「表」と「裏」と同様の対比語であるように、「表」があるから「裏」と断定できて認識でき、「死」を意識するから「生」を感じられるのです。

著者は奥さんがうつ病を患って自殺願望が常にある時期を共に過ごしました。実際に奥さんは自殺未遂を何度もしていたようなので「死」を身近に感じていたはずです。

著書には書いてありませんが、おそらく著者にも「死にたい」と思った時期があったのだと思います。人生は不条理だと感じた時期や、「なぜ自分だけが・・・」と誰を責めるわけでもなく運命を憂うときには「死にたい」と思ったに違いないのです。

私が何度か「いつ死んでも良いように生きる」というのが自分の生きるテーマだと書いているのも、過去に「死」を感じて「生」を選んだからです。(この話は近々投稿しようと思っていますが、ちょっと重たいテーマなので保存中です;苦笑)

だから私も著者が「生き抜いた」と言う言葉を使っているのを見て、きっと彼は死を身近に感じたからこそ本当の意味で生き抜くことができたのだろうと思いました。

誰でも何か辛いことがあった時に立ち止まったり蹲る時もあります。それでも、「生き抜く」ためには歩みを止めてはいけません。そして、歩みを止めない限り可能性は必ずあると言う事を覚えて欲しい。この本から私が感じたメッセージです。

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皆さんは自分よりも過酷な経験をして来ている人の人生を知った時、どんな気持ちになりますか?

ある人は「なんて可哀想な人なんだ」と思うかもしれません。ある人は「自分がそうじゃなくて良かった」と思うかもしれません。又、ある人は「自分だったらどうしただろう」と想像するかもしれません。

人それぞれに思うことがあると思いますし、どう思うかが正しいというのもないと思います。ただ、私はこの本を読んだ時に自分自身の過酷な経験を思い出して、単純に「せっかく生き抜いたのだから私も精一杯頑張ろう」と思えました。

繰り返しますが、これはビジネス書のはずなのですが、完全にその域を超えています。仕事をしている人もしていない人も、老若男女問わずに読んでほしいと思う本です。

この本をプレゼントしてくれた社長さんだった方にも感謝のメールを送りました。人との出会いや本との出会いは財産です。読後また1つ視野が広がり、「生きる」ということの意味と自分の人生について考える機会を得ることが出来ました。

そんな風に思える人や本に出会えた事に感謝して、読書をこれからも楽しんでいこうと思っています。と言う訳で、今日の一言はこちら↓

"Survival can be summed up in three words - never give up. That's the heart of it really. Just keep trying."  by Bear Grylls

*今日の1曲:群青 by YOASOBI                 彼らの曲の中で一番好きな曲で聞くたびに勇気をもらってます

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