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相談に乗る時にしちゃダメなこと

こんにちは。今日の写真は富士山の五合目まで車で行った時の駐車場の写真です。まだ寒い時期でしたが幻想的で素敵でした。

今回は読書感想文として、東野圭吾さんの作品『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の感想を書こうと思います。ミステリー作家の東野さんですが、この作品はハートフルヒューマンストーリーって感じでファンタジー性の強い作品でした。

舞台は田舎町にある老人が経営するナミヤ雑貨店です。そこで老人が人生相談にのっているのですが、その真摯な姿勢や真っ当な意見が評判良くて広まっていくところから物語は始まります。

作品としては、複数の章に別れて各々主人公が異なり、ナミヤのおじいちゃんに助けられた人達のストーリーと実はこの雑貨店がタイムトラベルみたいな状態にもなっています。

複雑に絡み合っている話が最終的には繋がることになるのですが、その中から印象に残った相談に対する回答と感想を書いていこうと思います。

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「私のところへ相談に来る人たちを迷子に例えると、多くの場合地図は持っているが見ようとしない、あるいは自分のいる位置が分からない、という状態です。でも、おそらくあなたの地図は未だ白紙なのです。だから目的地を決めようにも道が何処にあるかさえも分からないという状況なのでしょう」

とても上手な例えだなっというのが最初の印象で、確かに相談に乗ってもらいたい人や占いに行く人達は人生の迷い子だと思います。

どうして良いか分からないという事の本意は、「他人に地図をちゃんと直視するよう説教されたい」とか、「客観的に地図上の自分が今どこにいて今後どうしたら良くなるかという事を諭して欲しい」のだと思います。

または、この相談の主のように途方に暮れている人もいるかもしれません。そう言う人は「本当に誰でも良いから何か言って欲しい、そしたらそれに従うから」というような思考になってると思うので、宗教や占いに傾倒してしまう人もいるんだろうなと思います。

いづれにしても、人生の迷い子になった場合は「何を求めているのか」というのを自問自答して無闇に他人のアドバイスに傾倒しないようにしてほしいと思います。


「白紙なのだから、どんな地図だって描けます。全てはあなた次第なのです。何もかも自由で、可能性は無限に広がっています。これは素晴らしい事です。どうか自分を信じて、その人生を悔いなく燃やし尽うされることを心から祈っております」

上記の続きですが、こういう回答は相談している人には実は助けにならないんだろうと思いました。もちろん言ってる事は的を得ているし素晴らしく前向きですが、ネガティブな体質の人には響かないと思ってしまいました。

そして、この言葉は私がまさに地図が白紙状態の友人に言ったものと全く同じでビックリしました。いや、正確には愕然としました。

その友人は数ヶ月の間に仕事を失くし、親を亡くし、引っ越し先の家は不備ばかりでという状態に陥りました。彼女の話を一通り聞いた後で、私は本の中に書かれた通りの言葉を言ったのです。

今はある意味白紙状態で途方に暮れるだろうけれど、言い換えれば何をしても良いし、可能性は無限で、自由な状態とも捉えられるよね」と・・・。

本の中でこの言葉を活字にして読んだ時はポジティブで強い人間のキレイごとのように見えました。だから、おそらく同じような言葉を放った私に対して彼女もそう捉えていたのだろうと後で反省しました。

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自分で言うのもなんですが、私はクリエイティブなタイプで何も書かれていない紙に自由に文章を書いたり絵を描く事が大好きです。

真っ白な紙が文字や絵や色で変化していくことを楽しめるので、魚で言うならば水槽にいるより大海で泳いでいる方が自分を発揮出来るタイプだと思います。

その一方で多くの人は真っ白な紙を渡されてしまうと「何を書けば良いのですか?」とか「何色を使うべきですか?」と疑問が湧いて書けなくなる人もいると思います。

つまり、意外に多くの人はある程度の規制や条件を提示される方が心地良いと感じるのだと思います。

人間社会はルールや法律の中での自由を許されていて、それを守っていくということに窮屈に感じる人もいます。一方で、多くの人は規律がある方が安全で平等で心地良いと感じるのではないかとも思います。

魚でいうならば、きっと水族館の水槽にいる方が安心する魚なのだと思います。そこにいれば整った環境の中で必ず食事がもらえて安心だからと。

小説の中の相談者は自由が苦手なタイプの人で、白紙の状態が嫌で仕方ないというのが主旨だと思います。だとしたら、「むしろ、その状態を楽しみなよ」と言う回答は無意味というか不謹慎とさえ言えるのかもしれません。

こういうタイプの相談者がが欲しい回答は、「こうしてみたら?」という具体的な提示か「分かるよ」や「大変だよね」という同意・同情でしょう。

ただ、実際こういうタイプの相談者の人は、どうして良いか分からないという言いつつ自分がしたくないことは分かっていたりします

だから「こうしてみたら?」に対しては、その提案に対して否定の言葉を返してきたり、言い訳をして出来ないと決めつけてしまい自ら道を閉ざしてしまったりする事もあります。

結局は自分の状態を聞いて欲しくて、後は時間が許す限り時間をかけて答えをみつけていきたいというのが本音なのだと思います。何故そう決めつけちゃうかというと、同じ友人がそう言ってたから。

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英語のことわざ的なもので『あなたは、あなたが一番時間を過ごしている周りの5人の人間の象徴だ』みたいな言い回しがあります。

私はこれを「自分がこうなりたいと思えるような人を周りにおいておけば理想の自分に近づきやすくなる」という事だと理解しています。

Friends for benefitという言い回しだと、自分にとって得になるような友情しか求めないようで嫌な感じですよね。でも、実際に自分が素敵だなっと思える人達と時間を共有する事は糧になると思うので、自分の時間は有効に使いたいなと素直に思います。

今回は読書感想文的な投稿にから相談者の気持ちを考えてみました。そして、周りの人から「SASHAと一緒にいるとポジティブな気持ちになる」と言ってもらえるような人間になっていけるよう日々邁進していきたいと思いました。という訳で、今日の一言はこちら↓

“Try to be a rainbow in someone's cloud.”  by Maya Angelou

*今日の1曲:Peaches ft. Daniel Caesar, Giveon by Justin Bieber    久しぶりに彼の曲で「やっぱ良い」と思い毎晩聞いてます


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