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雪国出身なのにアイスランドで雪に負けた話

私は一体何をしているのだ?

こんなで異国の地で。


雪に埋まった車を掘り返す作業を1時間ほどして、汗だくになりながらふと我に返った。

アイスランドまで来て雪掻きしてるアラサー女2人って、相当可笑しいんですけど。


雪国出身なのが仇となる

アイスランドの首都・レイキャヴィークに宿泊して3日目の朝、かなり雪が降り積もった。

正確に言うと、初日も吹雪のために飛行機の出発が遅れたので降雪していたのだが、着いた時には止んでいたし、この日ほどではなかった。


この日の予定は朝早くホテルをチェックアウトし、前日に借りたレンタカーで氷河ツアーの集合場所まで行くこと。

氷河ツアー参加後、アイスランドの超有名ど定番スポット・屋外温泉”ブルーラグーン”に行き、空港の近くで宿泊すること。

しかし、残念なことレンタカーは屋外の駐車場に停めてあったため、雪で埋まってしまっている。

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あなたはこの写真を見て、どう感じますか?
「めっちゃ積もってる!」
ですか?
「大したことないじゃん」
でしょうか。


私は「結構降ったな」と思った。

もう少し詳細を説明すると、

「結構降ったんだけど、人や家が埋まるほどではないし、だいぶ雪も止んでいるから、自分の地元だったら夜中2時とか4時とかに除雪車が出て、大きな道は一通り除雪され、電車も動くから休校にはならない。」

「自分の車庫周りと車の上(もし外に停めていたなら)を雪掻きすれば、車も出れるな。」

と思った。

そう、私の出身地は冬はマイナス気温が当たり前で、かなり雪深い地方なのだ。


ちなみに早朝はまだ雪が降っていたが、小降りになっており、直にやむとのこと。
日中の天気予報は”晴れ”。

この時点で氷河ツアーのキャンセル連絡はなし。

これは、どうにかして車を掘り起こして、出発しなければならない?


日本なら・地元ならすぐ交通が回復すると見込めるが、ここはアイスランド。

そもそもアイスランドの大雪に対する姿勢とか、知らない。


でも、旅の雰囲気で気が大きくなり、雪国の血が騒いだ私は、「雪とか1年に1回降るか降らないかですけど」っていう関東出身の同行者(しかも会社の先輩)を巻き込み、ホテルにスコップを借りて車を掘り起こすことにした。

はい、これ間違い!


この後分かることだが、アイスランドは道路が少なく、空港へ行く道も氷河方面へ行く道もかなり限られており、大雪だとすぐ通行止めになってしまう。

通行止めになったら、車が動かせても現地に向かうことができない。

みんな向かうことができないなら、ツアーもできない。


そんなわけで、この雪掻きは完全に無駄になってしまうのだけれど、それを知る由もない我々は、一生懸命車を掘り出し、なんとなく駐車場から道路までの道を作ることができた。
(1時間くらい経過。汗だく。)

ちょっと希望が見えてきた!

そう思って、車を出してみようと試みたところ、雪国の割にあまりタイヤ周りのしっかりしていない仕様の車だったために、

キュルルルルル!

……
…そうですよね…
やっぱり、ハマりますよね。

てなわけで、ちょっとは前進したものの、逆に他の車の邪魔になる場所で、タイヤが空回りして進まなくなってしまった。

おいおい、状況悪化してるじゃないかよ。

もし私が雪に不慣れだったら、最初から雪掻きなんてしないだろうに、ちょっと雪に慣れ親しんで育ったからって、調子に乗って無駄な事をしました。はい。


そんなところに観光バスが通りかかり、ちょうど我々のいる駐車場がある曲がり角でスリップして進まなくなってしまった。

これから空港へ行くバスらしい。

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ヴヴヴヴヴンンン、ギュルギュルギュル!

と、タイヤキュルキュル仲間となったバスを見て、

現地の観光バスも動かなくなるなら、我々素人のレンタカー動かすの無理じゃん!

と思い、自分たちの車のことは諦めたところで、スリップしているバスから人がわらわら降りてきて、男性陣はバスを一生懸命押し始めた。

すると、男性陣の1人が我々の持っているスコップに気づき「いいもの持ってるじゃないか、貸してくれ」と、そのスコップでバスのタイヤ周りを少し除雪した。

バスはその甲斐あってか再び動き出し、降りていた人たちも再度乗車し、何事もなく去っていった。

残されたアジア人女性2人は、雪にまみれながらバスを見送った。


記憶と記録の差

さて、私たちはどうしようか。


とりあえず皆今日はしばらく車を出さないだろうと勝手に判断し、
車を半端な場所に放置したまま、
ホテルにお礼を言ってスコップを返し、
スコップだけでもありがたいのに、一度チェックアウトしたが、ツアーに行けないこと、体が冷えたことなどを伝え、図々しくチェックアウト済の部屋に再度戻してもらうことにした。

もう雪掻きでくたくただし。シャワーくらい浴びたい。

ご厚意で部屋に戻った我々は体を温め、少し仮眠して、朝食まで食べて再度ホテルをチェックアウトした。

そして、その日は予定を変更して、レイキャヴィークの街歩きをすることにした。


見てくださいこの写真。

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めっちゃ晴れてます。

なんだか、この写真だけ見てると、アイスランド天気良かったじゃん!最高じゃん!

ってなるんですが、実際は除雪されてないから、道はない…。

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でも、足場はかなり悪かったが、綺麗に晴れたおかげで、美しい景色をたくさん見ることができた。結果オーライ…かな?

ちなみに、この晴天で午後には雪もだいぶ緩くなり、車も動かせたので、ブルーラグーンとその日の宿泊地には無事たどり着けた。

この旅で見たかったオーロラも氷河も、雪に阻まれて見られなかったが、十分美しいものは見れたし、雪掻きも含めこの旅はとても楽しかった。


それは間違いない。


でも、完全に私の判断ミスで、無駄に先輩を筋肉痛にさせた。
(本気の雪掻き後は、腕が筋肉痛になります。)

この場を借りて謝ります。
すみませんでした。


”一度は行きたいあの場所”。

アイスランドにはちゃんと行ったし、楽しんだけれど、

オーロラ見れてないし、

氷河行けてないし、

雪国育ちなのに雪掻き失敗したし……


悔しいから絶対もう一度行ってやる!!!


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※日本から行く場合は遠いし高いので、できれば真冬を避け、余裕を持ったスケジュールで行くことをお勧めします。



頑張る励みになります!そして、息子のおやつ代になります^_^