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#レポート|【南相馬・仕事づくりセミナー】「まちの課題解決」 × 「仕事を通じた自己実現」を目指す。

皆さん、こんにちは。今回は、MYSHの物書き担当CKが、2021度11月〜2月にかけて実施された「南相馬・仕事づくりセミナー」の様子をレポートします。

近年、場所や時間を選ばない働き方の普及が急激に進み、リモートワーク、週休3日制度、副業など新しい働き方を模索する企業が増えてきて、これに伴い、人々の「仕事」に対する価値観も変わってきました。

働き方が変化する時代に、新型コロナウィルスの感染拡大が発生し、これまでぼやっとしていた「自分の将来のキャリア」を見つめる機会が増えた方も多いのではないでしょうか。

さて、MYSHは、設立当初より地方創生をテーマに日本を元気にしていくことを目指してきた企業で、地方での課題の紐解き、人との繋がりを通して「都市にはないビジネスの可能性」を切り拓こうとしてきた企業です。

そんなMYSHですが、昨年度は、新たな挑戦として、本格的な「まちづくり」事業にも乗り出した年でもありました。

2021年10月、まちづくり事業のファーストステップとしてご縁があった福島県南相馬市に支社を立ち上げ、現地には20代のメンバーが移住しました。
移住したメンバーは、現地での暮らしの中で地域課題や可能性の探索、地域の人との交流を楽しみながら、本格的なまちづくり事業への準備を着々と進めています。

今回皆さんにお伝えするのは、そのまちづくり事業の最初の取り組み。
福島県南相馬市を舞台に「地方で始める選択」を本格的に体験する「仕事づくりセミナー」についてです。

地方で始める選択・始まりは南相馬から

南相馬・仕事づくりセミナー 

仕事を軸にした若者層への移住促進プログラム。地方で働くことに関心を持つ若者層を集め、現状把握(現地視察)により課題(ビジネスの種)を発見、自分自身がやりたい“仕事”で解決するワークを実施、ビジネスメンターサポートによるビジネス性検証を実施します。  

開催期間:2021年11月〜2022年2月

福島県南相馬市、ゆたかな自然が広がるまち

まずは、約4ヶ月間のセミナーの様子をショートムービーにした動画をぜひご覧ください!


「まちづくり事業 × 事業を通した自己実現」を本気で目指す

MYSHの仕事づくりセミナーは、南相馬市を舞台に、まちの課題と自分の想いを両立した事業を生み出す。そんなセミナーでした。

4ヶ月にわたるセミナーは、一般的なビジネス立案コンテストや現地視察を含めた地域課題解決ツアーのように、現地を訪れ、アイデアを出して終わりの一過性のプログラムとは異なり、事業実現を目指す若者が本気で自分自身、仲間、そして地域と向き合う時間となりました。

参加者同士でのディスカッションの場を多く設け、議論を活性化

実際に現地に行って聞いて見て感じたものから、地域課題を見つける。

ここをスタートとし、そこから何度も思考を重ね、地域の課題解決を実現する、なおかつ自分のやりたいことを乗せた事業アイデアを構築し、実行フェーズを本気で目指す。

2021年度に実施された仕事づくりセミナーでは、実際に事業を経営しているビジネスメンターや仲間とのディスカッション(対話や壁打ち)、現地の方々へのヒアリングを経て、それぞれの事業アイデアを発表したところで幕を閉じました。

しかし、MYSHが目指しているのは、この発表会ではなく、その先にあるようです。

このセミナーは、年度をまたぎ、事業計画のブラッシュアップ、現地での実証実験の実施、事業家スキル・マインドの醸成を進め、中長期的な事業化の実現へ向かいます。各アイデアが実際に南相馬で実現されることで、実はそれがMYSHのまちづくり事業にもつながっていくのです。

今回のセミナーで印象的だったことの一つに、中期にわたるセミナーであったのにも関わらず、誰1人欠けることなく全員が最終発表まで辿り着いたことがあります。こういったセミナーは、途中で何名か脱落者が出るケースもあるのですが、今回は全員が最終発表まで辿り着いたことに、運営側の気配りと参加者の熱量の高さを感じました。

これは、「南相馬」というまちが、参加者にとって遠い地域ではなく、自分にとって大切なまちとなり、まちが自分ごとになりはじめた確かな証のように感じました。

首都圏の若者がポテンシャルを発揮できる地域を作り出す、セミナー構成に隠された仕掛け

今回は第1回目ということもあり、参加者は、熱量や目的の振り幅をなるべく絞って募集されました。どういう点に重きをおいたかと言うと、所属やバックグラウンドは違えど、独自の興味関心を持っているか、新しい土地での事業作りに意欲的な姿勢があるか、という点です。

その結果、17歳〜28歳(高校生・大学生・社会人)、主に首都圏で暮らす若者、合計17名が参加。

自然豊かな南相馬でエネルギーを爆発させる様子

首都圏の若者17名が全く未知の土地で、本気でその地域の未来を考え、事業アイデアを創出する。

決して簡単なセミナーではありませんが、MYSHのセミナーでは、本気でこれを実現するために、しっかりとした事前準備、サポートが用意されていました。

セミナー全体のプログラム構成

【セミナー全体像】
・オリエンテーション 
・現地訪問
・ワークショップ 2回
・メンターと事業検討
・最終報告会

最初のオリエンテーションでは、セミナーの舞台である南相馬に目を向ける前に、日本での地域創生事例のベンチマーク調査が課題として出されました。参加する人同士で、それぞれの参加者が持つ関心軸成功イメージの共有し、全員で意識のすり合わせをしました。

ベンチマーク調査 @オリエンテーション

それを踏まえ、南相馬地域の基本的な情報や地域に住む人について理解を深める基礎知識ワークショップが開催されました。都市から移住した人や地域で事業を起こしている人の話を伺うことで、地方暮らしのイメージを共有し、この次に実施される現地視察に向けた心構えや課題感をそれぞれが把握することができました。

そして、その後、2泊3日の現地視察へ。現地視察では、観光地や名所をめぐるだけではなく、参加者は地域の課題となっている施設や場所にも足を運びました。

震災以降廃校となった跡地、シャッター商店街、世界に羽ばたく可能性を秘めたスタートアップ企業を支援する施設。自分で事業を起こしコミュニティ運営をされている方や、農家民宿を営んでいる方など、参加者が地域の「生の声」を拾えるような仕掛けがたくさん盛り込まれていました。

現地に定住するスタッフが実際に地域の方々へ課題をヒアリングして、見学プランを立てており、参加者の方々は、わずか数日間の視察にもかかわらず、地域の方々のリアルな困りごとや課題に触れることができました。

地元で長く続くお店にも訪問

「この土地の課題を解決したい!」「この土地で何かを始めてみたくなった!」

現地の人とのリアルな交流を経て、参加者の皆さんは地方でのスモールビジネスの実感を持ったのか、この頃から南相馬が自分のまちであるというように感じる発言が増えてきたように感じます。

そして、たくさんの学びや気づきを得た視察の数日後には、事業化アイデアを固めるワークショップ。東京・オンラインの2ヶ所でハイブリッド形式のディスカッションを2回に渡り実施し、現状の事業アイデアの共有、そしてブラッシュアップを行いました。

現地視察を経て、地域への関心が高まった参加者の多くは、現地の市場調査や現地の方々へのインタビューなど、事業化に必要な根拠探しを事前に自ら進めており、ワークショップの中でどうしたら本気で事業を実現できるかという、本気度の高いディスカションも繰り広げられていました。

途中発表された事業アイデア@ワークショップ

そして、ワークショップの後は、参加者同士のディスカッション、メンターとの面談などを各自行い、参加者個人、またはグループが事業アイデアをまとめていきました。本番に向けて、プレ発表会も実施され、着々と準備を進めますが、中にはなかなかうまく進まないアイデアも。それでもメンターの方との壁打ちでなんとかアイデアをまとめ、最終発表に向けて仕上げる様子がとても印象的でした。

そして、2月19日。
ついに南相馬市長をはじめとする南相馬市役所の皆さんをお招きした最終発表会が実施されました。

独創的でありながら根拠のあるアイデア、最終発表会

最終発表会では、クリティカルな課題解決案が15案ほど発表され、参加された南相馬市の方々や関係者を良い意味で驚かせる結果となりました。

それは、どの事業アイデアも一度訪問しただけでは見えてこない課題が表現されていたこと、主語が「誰か」ではなくしっかりと「自分」になっていたこと、さらに、若者にとって「まち」が「自分ごと」になっていたからです。

事業アイデア発表会の様子

参加者の大部分は、南相馬というキーワードを聞いたことがある程度で、もちろん行ったこともありませんでした。しかし、そういった新鮮な目で真っすぐに地域の課題と向き合い、「なぜこのような状況なのか、なぜ私はこれに関心があるのか」「なぜ」を追求し続けたからこそ、全く新しい南相馬のポテンシャルを見出すことができたのだと感じています。

まだ、どれも実際の事業としては走り出していませんが、十分に実現可能なアイデア、すぐに走り出せるようなアイデアも中にはあり、南相馬市の市役所では、役所で働く人から何件もの問い合わせがあったというエピソードも…。

では、何がそこまで地域の方に響いたのでしょうか?

最終発表会で南相馬市の皆さんからオンラインで総評をいただく様子

メンターや仲間との対話が事業アイデアにもたらす力

仕事づくりセミナーで生まれたアイデアは、オリジナリティがありながらも実証性の高い事業アイデアであったということです。

そのアイデアを生み出した背景の一つには、事業経験が豊富なメンターの方々からのアドバイス、そして仲間との対話をもとに、参加者が行なった独自の調査や仮説検証があります。

現地視察後、参加者は現地の方々や関係者とコンタクトを取り、ヒアリングやインタビューを実施。参加者が自分自身で、実際の地域の意見を汲み上げ、事業の実現可能性をデータで裏付けを行いました。

実際にアイデアが豊富にあっても、実際にビジネスの形にするには、より細かな具体性や実現可能性などを考慮して、アイデアをまとめなければいけません。実は、ここに新規事業立ち上げの難しさがあります。

東京会場で発表を行う参加者@ 3×3 Lab Future

このプログラムではその難しさを乗り越えるために、「メンター制度」を導入し、地方を舞台に夢を追う若者の伴走者として、メンターの皆様と参加者が気軽にコミュニケーションを取れる場が数多く設けられていました。

運営側やメンターは、「なぜ」を追求すること目の前のことを自分ごととして捉えることを強く訴えながら、事業の実現可能性を高める専門的なアドバイスを提供。その結果、長年地域に暮らす人々ですら気が付かなかった地域の魅力を引き出し、オリジナリティ溢れる素晴らしいアイデアを生み出し、地域の人々の心を動かしたのです。

地域のものを楽しむ参加者たち

また、今回のプログラムは、参加者の方々、運営チーム、自治体の皆さんなど、決して会社、学校と家の往復、身近なコミュニティからでは得られなかったであろう「人との繋がり」を生み出す貴重な機会でもありました。

この繋がりは、参加者の考える事業アイデアに多様性をもたらし、これから南相馬という地域で事業を実行フェーズに移していくのに当たり、大きな強みになることは間違いありません。

「南相馬」を起点に他分野の人材が繋がる、地方の未来を作るネットワークへ

これまで繋がりのなかった人々が、このプログラムを通じて深くつながり、地域の未来を共に考え、アドバイスしあえる仲間へ。特に、参加者同士は同年代の人が多く、新しい地域で同じ時間を過ごすことで、共に夢を追う仲間となれたことは、このリアルなつながりが薄れた時代において非常に価値があります。

東京では味わえない地方の魅力を共に味わった仲間たち

リモートワーク、オンライン授業が一般的となった今、人とのコミュニケーションの機会や回数は減り、同じ志を持つ人や共感できる悩みを持つ人と出会い、交流できる場所が減ってしまいました。

そのような状況だからこそ、このように「地域」をキーワードとして、それぞれのチャレンジャーが横のつながりを持って挑戦していくことに価値があります。
今回のこのセミナーでそのようなつながりを生み出せたことは、MYSHの活動に携わる一員として、私自身も大変誇りに感じます。

同年代の参加者が南相馬でつながり、南相馬の未来を考える

最終発表会での集合写真

先にお伝えした通り、このセミナーは、最終発表会を新たなスタート地点とし、2022年度以降、事業アイデアをブラッシュアップし、事業実現に向けた取り組みを進めていきます。

「まちの課題解決と仕事を通じた自己実現で、日本を元気に」

それぞれの事業アイデアを持ってスタートラインにたった若者たちには、これからMYSHや地域のサポートのもと、どんどんと事業実現に向けて動いていくことでしょう。地域の課題が、首都圏の若者のポテンシャルを十分に引き出してくれる。MYSHは、そんな関係値を日本各地にどんどんと増やしていきたいと考えている人たちの集まりです。

今回は南相馬市が舞台となり開催されたセミナーでしたが、もっと多くの地域でこのような活動が開催されると、もっと日本が盛り上がっていくと思いませんか?地域の皆さま、ぜひMYSHと一緒に日本を元気にしていきましょう!

ここまでお読みいただいた皆様、ありがとうございました!
引き続き、MYSH活動を発信していくので、発信を楽しみにしていただけると嬉しいです✨

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