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ヤムーの大冒険 第1章 第31話 いざっビッグストーンタウンへ31日目〜

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ヤムー達はミッケを連れて、足音を立てないように静かにビッグストーンタウンをあとにした。

無事大木ベンチキャンプに戻ると、みんなが暖かく迎えてくれた。
「おいおいっ、知らねぇ顔のお出ましだなぁ!
このうだつのあがらねぇ猫は誰だい?」
ディッチが切り出した。

「ミッケだ。以前私が唯一剣で倒した相手だよ。
私の住んでいた所では悪のボスとして恐れられていたんだけど。正直今はただの猫ちゃんですね。」
「、、、お邪魔しやす、、、ただの猫ちゃんミッケと申しやす。左耳半分イカれてる猫でやんすっ、、今じゃぁ落ちぶれたあっしをお頼み申し上げるでやんす。」

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「ミッケ、ガブライズ族について知っている情報を全部教えろっ」
ヤムーは突き刺さるような口調で言った。

「すいやせん、情報の前にひとつだけ教えてくんさいっ。みなさんはガブライズ族をどうするおつもりでやんすか?まさかっ、奴らに戦いを挑むんじゃねーでしょうね?」

「そうだったらどうなんだ?」
「いやっそれなら、無茶すぎる話なんでねぇ、、」
「あっしも詳しくは知らねえが、ガブライズ族組織の人数は1,000人以上と聞いてるでやんす。あっしはただ二ヶ月に一回奉納するだけなんですが、そんな手下を含めるなら10,000人はくだらないかと、、、」

さすがのヤムーもリッキーも言葉を失った。
ガブライズ族のあまりのスケールの大きさに気が遠くなっていた。

「でっ、ガブライズってどんな感じの猫なんだ?」
「イタチの旦那、こりゃ本当なんだがあっしもガブライズには一度も会ったことがねぇえんですよ。」
「嘘つけっこらっ!てめぇ殺したろうか?いつも馬鹿みてぇに食料を奉納してるんだろっ?」
ディッチはイライラをつのらせながら言った。

「はいっ、もう5年になりますが一度も、、」
「はっ?本当かいなっ、じゃあ誰から奉納を命令されたんだっ?」

「カラスのジャック・グロウです。
あっしの背中のこの大きな三本傷は5年前にジャック・グロウから受けた傷でやんす。
命を助ける替わりに、ビッグストーンタウンへの食料奉納を命じられたんでやんす。」


「またジャック・グロウかっ、チキショウ」

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