見出し画像

「ゼロ」を「プラス」にではなく、「マイナス」を「プラス」にする動き

こんにちは、myProductライターの河合です。

地方が抱える課題の一つに、活用されずに放置されている遊休不動産(空家 / 空き店舗 / 廃校など)があります。各自治体においては、移住や企業誘致などによって活用を促す動きが見受けられます。

例えば、取材で訪れた茨城県かすみがうら市も、そういった問題に取り組む地域の一つでした。

行政主導によるものもあれば、事業者がかすみがうら市という場所に目を付けて、空き家や廃校を活用した例もあります。

代表例としては、造り酒屋の古民家を改装したゲストハウス「江口屋」、廃校した小学校をキャンプ場へとリノベーションした「CAMPieceかすみがうら」が挙げられます。いずれも、今ではかすみがうら市にとって重要な拠点となっています。

また、具体化したものばかりではありませんが、官民連携による空き家を活用した事業は継続した動きを見せており、昨年末にリリースしました「CRAFTRIP」でも、その一端をご紹介をしております。

この取材の中で、とても印象的なお話がありましたので、ご紹介させていただければと思います。

「私の取り組みのテーマは、『あるものを生かしていきたい』というものなんです。物置になっていた倉庫たちは、残しておいても仕方がないと考えていたこともあって、いずれ壊さなきゃいけないんだろうというような負の財産だったんです。逆に事業を始めるからといって、新しいものをつくるということは、負の財産になりうるものをつくるということにもなりますよね」

「CRAFTRIP」かすみがうら市の地域資源から広がる共創の輪より

こちらは茨城県かすみがうら市で、遊休不動産を活用した事業を展開している塚本さんの言葉になります。

「ゼロ」から「プラス」をつくり上げるのは正攻法と言えますが、計画がうまく運ばず十分な活用がされなければ、それは早々に負の財産(遊休不動産)となってしまうリスクをはらんでいます。特にかすみがうら市のような、すでにそうしたリスクを抱え込んでいる地域にとっては、ゼロから新たなハコモノをつくることは安易に踏み出せない領域と言えます。これ以上負の財産を増やすことは、何としても避けなければなりません。

塚本さんのような考え方で、負の財産を減らし、それをプラスに転化することができれば、地域へ与えるプラスの影響は計り知れません。関係者にお話をお伺いすると、かすみがうら市の中で、移住や企業誘致に活用できる遊休不動産の候補はいくつかあるようで、今後は地域外の方々が同市へと入り込んでいくような動きを垣間見ることができるかもしれません。

「あるものを生かしていきたい」「新しいものをつくるということは、負の財産になりうる」という言葉は、日々の生活にも通じることでもあるなとも感じました。もったいない精神ではないですが、限りある資源を無駄にしないためにも、そうした気持ちでモノと向き合うようにしていきたいなと、改めて思わされました。

\「CRAFTRIP」はこちらから/

この記事が参加している募集

ライターの仕事