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配られたカードが弱い人ほどサクセスストーリーを作るチャンスに恵まれてるのよ

あれは先週の金曜日。

恋人ティムと近所のベトナム料理を食べていた時のこと。

ふと、彼の親友の奥さんのアシュリーの話になった。彼女も私の彼と同じく韓国系アメリカ人なのだけど、その小さなコミュニティの中で彼女は”アメリカンドリームを掴んだ女”とされている。

アメリカ国民が言う『アメリカンドリーム』って何だろう?と思って尋ねてみると

実家が裕福で、いい大学に入って、いい会社に入って、結婚をして、家を買って、車を買って、子供を2人授かって、可愛いペットがいて、休日にたまに旅行に行くというライフスタイルだよと彼は言った。多くの親が子にそうなることを望んでいるとも言った。

なんだ、アメリカンドリームってロックスターになって輝くみたいなことじゃなかったのか。どこの国も、多くの人が理想としている地点は同じなんだなと思った瞬間だった。

王道のように見えて、当たり前のように見えて、辿り着くのが極めて難しい地点。みんな必死にそこにたどり着こうと努力する。努力してもたどり着けない人もいる。しかし皮肉にも、王道側から愛されてしまう人もいる。その地点を特に目指してないにも関わらず、当たり前のように王道街道のど真ん中を歩めちゃう人がいる。アシュリーはそんな人だった。

家族仲が極めて良くて、おばあちゃんも元気いっぱいで、たっぷりの愛情を受けて育った感じが滲み出ていて、かなりのお金持ち。

いい大学に入って、世界的に有名な某コンサルティング会社に就職して、毎週のように大勢の友達と自宅でパーティをして、素敵なパートナーに出会って、リッツカールトンで大きな結婚式を挙げて、ハネムーンはギリシャで、最近は可愛い猫と大きな家とテスラを得た。そろそろ子供を迎えようと話しているらしい。

そのライフスタイルはもれなくストーリーズやフィードで上映されている。

少し話は変わるが、昔、友達と旅館で大富豪をしたことがある。何度かプレイした後、そのうちの1人が「大富豪はこの世界そのものだ」とポツリと呟いた。どのカードが配られるかは完全に運。最初に強いカードを得た者はその後も勝利しやすいし、最初から弱いカードを得た者は不利になる。なんて不公平で残酷でリアルなゲームなんだ。

大富豪に例えると

アシュリーは最初から「2」が4枚、「A」が4枚、ジョーカーが2枚みたいな状態だった。

そんな彼女を見ると、コンプレックスを刺激されるという人もいる。

去年ティムと韓国のソウルを訪れた時、レイチェルという女の子に出会った。彼女は彼と同じ州・同じコミュニティに属していて、仕事の都合で一時的にソウルに住んでいた。

その時なぜかアシュリーの話になった。

彼女の表情が一瞬にして曇ったのが分かった。

ティムも彼女の話をする時に「これは嫉妬かもしれないけど」と前置きをして話す。最近はというと、アシュリーの女友達が酔った勢いでいちゃもんをつけたらしく、ドラマが起こったらしい。

うらやましいという気持ちが「なんの苦労もしてないくせに最初から強いカードがずらりと並んでいてムカつく」というダークな感情に変わる。

そう感じてしまう自分にものすごく嫌気が差す。カードが足りてない自分にも嫌気が差す。何を隠そう、私もアシュリーにそう感じた1人だった。

もちろんこれまでの人生、アシュリー以外の人にも似たような感情を抱いたことがある。だって、人間だもの。




でも、そんな時はこう考えるようにしてる。

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