アニメ感想文 ビースターズ
【感想】
学校には『どうとく』という科目がある。
私は全学校の『どうとく』の時間にこのアニメを流してほしいと思った。
異なる者同士が同じ社会で生活すると
どういう問題が起きるのか?
どのような葛藤があるのか?
...どうやって歩み寄ればいいのか?
さらにアニメからの質問は続く。
生まれつき変えられないものとどう向き合うか?
自分の中の弱さとどう向き合い、克服するか?
強さはどうやって使えば良いのか?
相手をねじ伏せるため?
それとも誰かを守るため?
信念って何?
正義って何?
殻を破るって何?
命って何?
異なる者同士は心から分かり合えるのか?
根本的に異なるもの同士は…..結ばれるのか?
このアニメを観始めると
そんなマリアナ海溝のように深くて壮大なテーマに向き合うことになる。
質問が深すぎる、重みがありすぎる。
目を背けたくなる…。
でも、このアニメを介してだと
マリアナ海溝並に深いテーマとスッと向き合うことができた。
登場人物が全員動物だからこそ
自分たちの社会を客観視しやすかった。
ほのぼのとしたオレンジ色の高校生の青春や、ヒヤッとするミステリーを満喫しつつ
本質的な問題について考えるきっかけができた。
濃い〜時間を過ごせた。
*
「多様性をたいせつにしましょうね」
と言われる社会になってきた。
多様性がたいせつなのは分かる。
あれだ、
みんな違ってみんないいってやつだろう?
…
このアニメを観て感じたのは
私は多様性というものをかなり甘くみていた上に
知った気になっていたんだなということだった。
多様性を支持しているワタシ、革新的。
多様性を支持しているワタシ、エライ。
とでも思っていたのかもしれない。
ハズカシイ。
どうやら多様性というものは
とんでもなくフクザツらしい。
違うがゆえに、争いが起こる
違うがゆえに、くるしみが生まれる
違うがゆえに、分かり合えなくなる
違うがゆえに、サベツされる
弱いものと強いものができる
…..
「多様性はたいせつです」
それは事実であるものの、どこか綺麗事のように感じていた。
なんか、ぼんやりしているというか。
それっぽいこと言ってるけど
あんまし響かないというか。
でもこのアニメは、まずじっくりと時間をかけて教えてくれた。
多様性とは、ざんこくです
ということを。こりゃ驚いた。
私がこのアニメに見入ってしまったのは
「多様性とはざんこくです」
ってさんざん前置きした上で
じゃあ、どうやって多様性と向き合うか?
について教えてくれたからだと思う。
そして
本当に知るべきことは、そこなのかもしれないと思った。
それぞれのキャラクターが持つ「違い」。
そしてその違いによって生じるそれぞれの葛藤を、このアニメはとてもはっきりと描いている。
私たちの世界にも、違いはいくらでもある。
人種の違い、男女の違い、生い立ちの違い、境遇の違い、体格の違い、性格の違い、スペックの違い、力の違い…
あげだすとキリがない、”“””違い””””。
今はそんな違いをガチャなんて言葉で言い表したりする。
それ以前に、私たちは1人1人違う。
そんな違いを、あなたならどう捉えるか?
登場人物はそれぞれ
何食わぬ顔で楽しそうに学園生活を送り、部活動にいそしみ、恋愛をし、青春を謳歌している。
でも、ひとりひとりが心の奥底で
自身の生まれ持った境遇、姿、心に
ただただコンプレックスや葛藤を感じ
目を背けている。
しかし、物語が進むにつれて
不器用な灰色狼の主人公:レゴシをはじめ
他の動物キャラクターたちは向き合い始める。
自身の持つ境遇・姿・性質をどう受け入れ、どう活用して生きていこうか?
自分だからこそできることはなにか?
自分とは違う者とどう共存していくか?
自分が思う正義ってなんだろう?
自分の中にある正義を、思い切り突き通してみようかな?
それぞれが真剣にそんなことを考え始め、変化していく。
その紆余曲折を経たビフォーアフターに
どうしようもなくグッときたのだ。
あああ!!!!
シーズン3が待ち遠しい!!!
ビースターズ…
個人的にとても観てよかった作品の1つになりました。
心が大きく揺さぶられ
考えるきっかけを与えてくれるような….
オススメ!!!
以上、アニメ感想文でした。
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