2分で読める子育てエッセイ№892『忘れ物多発』
ある朝、小4の息子に玄関先で「いってらっしゃ~い」と手を振って見送った後、家に戻ったら思いっきり水筒が置き去りにされていた。
「よりによって今日! 見えなくなるまで見届けたばかりなんですけど」
慌てて息子の後を追うと学校の正門に入ったすぐのところで、正門に立っておられる先生に
「イチ君あそこです!」
と声をかけて頂いた。
「よかった、間に合った!」
無事に息子に水筒を渡し終え、先生に挨拶して帰ろうとしたら、先生が神妙な顔でワタクシに小さな声でこうおっしゃった。
「イチ君のお母さん・・・事件です」
もしやそれは、息子イチのこと?
「え! 何かありましたか。先生」
ドキドキしながら先生の言葉を待っていると、先生が重い口をこう開いた。
「今日、私・・・眉毛をかき忘れてしまいました」
ひょーっ! その角度から切り込んでくるの? 先生、それは反則だわ~!
先生はかぶっている帽子をさらに、深く、深くかぶりなおし、こんどはこう訊きなおした。
「バレてません?」
正直言って、言わなきゃ全然バレてませんでした~!
「先生は美人だから大丈夫」
とワタクシ、先生に返事すると、
「そうだった~! 忘れてた~」
先生の返事に二人で爆笑した。
これ、もしや先生の持ちネタ? お陰で「しょっちゅう忘れ物を届ける母」などと思われていないだろうかという心配をしたことすらスッカリ忘れて帰路についた。
めでたし、めでたし。
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