見出し画像

2分で読める子育てエッセイ№889『ラムネ味だというグミ』

ある日、小4の息子がダンナに買ってもらった駄菓子の入った袋を持ってきた。
「お母さん、これはグミかな。一緒に食べる?」

見ると、ラムネのボトルの形をしたラムネ色のラムネ味だというグミ。
「え? お母さんにも分けてくれるの? サンキュー」
遠慮なく子どものおやつをとる母、どうなんだろう。

ところが1個1個、個包装してあるフィルムが妙に頑丈で、そのうえどこから開けるか非常に迷う。
「うわっ、きっかけが掴めん」
息子と競争でフィルムを開けるハメになった。

「あれっ? おみくじ付きだって」
先に開けた息子が嬉しそうに、フィルムの裏に書かれたおみくじを読み上げた。
「僕、中吉だ! その後に『ワクワク♡』って書いてある」
おみくじつき、イイね。

ようやくワタクシのフィルムが開いた。
「最近フツーなんだよね。なんかいいこと書いていないかな」
期待しながらおみくじを見ると、そこには驚きの結果が書かれていた。

「大凶」

ひょーっ! これ、子ども向けのおやつだよね? それに容赦なく、大凶は、ないんじゃなーい?! 子ども泣くよ~!
そんなメンタルガッツリと削っておいて、さらにもう一言、こう書かれていた。

「ドンマイ」

うわっ。軽っ。
大凶引かせておいて『ドンマイ』って、なんか軽すぎない?

そのうえグミがなかなか取れずに、手がベッタベタ。
始めて食べるそのグミは、ちょっぴり屈辱の味がした。

ちぇっ。


この記事が参加している募集

サポートありがとうございます!  迷わずお菓子を大人買いしますよ?怒りません? ありがとうございま~~~す  ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ