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№78【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『ここまで来れば立派なもんだ』

12月22日は冬至だとスーパーのポップで気がついた。
【冬至には、ゆず湯やカボチャを!】
みると「ゆず湯用」だと思われるきれいで立派なゆずがなんと2個で500円。
「ひょ~っ! 恐れ多くてそんなお風呂には入れませ~ん」
手に取ることもせず、そのままスルーした。その後、貰ったゆずがあったこと思い出し、ホクホクしながら帰った。

でも、帰宅後ゆずを入れているはずのカゴを見て焦った。
「しまった!ゆずがない! 昨日唐揚げに絞ってかけたのが、最後の1個だった~」
せっかくその気になっていたゆず湯。なんだか諦めきれない。
「あ!」
あることを思い出して、ごそごそと探し始めたのは冷凍庫の中。
「あった~!」
見つけたのは、すでにカットしている冷凍もの。
「これでいいや」
凍っているけれど、ゆずはゆず。来年は凍っていないゆずを用意することにして、今年は気分を味わえればそれでいいと納得した。

ところがその後、念願のゆず湯に入ってこう思った。
「輪切りのゆず湯、見たことないな」
何だか自分がレモンソーダならぬ、ゆずソーダの一部になった気分に。
さらによく見ると、ゆずだと思っていた輪切りが、もしかしたらゆずではなく「みかん」かもしれない疑惑。
「一時期、母と青みかんの輪切りが流行ったような気がする」
さらにさらによく考えると、みかん疑惑のゆずが、湯船一杯180リットルのお湯に対してペラッペラな薄切りがたったの3枚。
「無果汁と表記しなければならないほど薄すぎる。たとえ、この3枚がゆずだとしても、はたしてゆず湯と名乗ってもいいものか、謎」

もう、なんちゃってゆず湯も、ここまで来れば立派なもんだと、そこそこ満足した。


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