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[140字小説] オレンジ

ふと見上げた空のオレンジが綺麗で、僕は泣きたなった。
滲んだ夕日も、泣いているみたいだ。

こんな感情を知ったのはいつだろう。
教えてくれたのは誰だろう。

そしたら彼がね

隣で楽しそうに話す君の横顔にも、オレンジが溶けていた。

ねえ聞いてる?

僕のものじゃないその笑顔は、切ないくらい綺麗だった。


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