見出し画像

「対話」で気付くコミュニケーションの本質

知人が以前より「対話会」なるものを開いていて、参加させてもらった。トピックがあったりなかったり、その時浮かんだことや疑問なども自由にシェアをしたりもする。

北欧デンマークのフォルケホイスコーレは、教師と生徒が平等の立場で生きた言葉で語り合う「対話」を重視した学校教育が理念となっている。

人間同士の「対話」を通じて互いに影響しあい、学び、人格を育んでいく。「競争」ではなく「共創」の世界観だ。

私のいたフォルケホイスコーレはどちらかというと、自分の内側との「対話」がメインだった。デンマーク人はお話好きでよく意見交換などもしていたと思うが、直接的に「対話」の概念やスキルについて学んだわけではなかった。

そもそも人との「対話」(Dialogue)ってなに?っていうところから。

定義も手法も様々ではあるけれど、対話研究の第一人者、アイザックスは以下の4つの段階を説いている。

Listening(聴く)    

Respecting(尊重する)

Suspending(保留する)

Voicing(声にする)

相手の話をまず聴き、受け止め、評価や判断をせず、自分の内側から声を発する。

ディベートやディスカッションとは違って、正解や優劣を決めるのではなく、出てきたものからまた何か着想し、新たな形を創っていくようなイメージ。

対話会に参加してみると、時間がゆったりと流れていて、各々の発言に対してジャッジのない安心感や信頼が根底にあって心地が良かった。

「対話」というトピックだけでこんなにも他人と優しく繋がれるんだなーなんて感心しながら、はたと気付く。他人の話の深いところまで聴くのって、そんなに簡単じゃないということを。

傾聴ができているのか?人とのコミュニケーションについて振り返る。

「言葉」だけ切り取って、「わかったつもり」になっていやしないか。

自分の言いたいことだけ言って、満足していやしないか。

日常生活でも時に議論の「平行線」は起こる。「発言」そのものよりも、そこに至る背景や奥に隠された感情までをも汲んで理解しようと思えたら、もっと深いレベルのコミュニケーションができるはず。

もちろん必要なのは傾聴力だけじゃなくて、発言を受けてからの質問力、伝える力、それに内容を受け止める包容力も大事。

さらには「言葉」のニュアンスや仕草、目の動きなど色んな非言語メッセージが含まれていて、それに気付くのも大事なコミュニケーションではあるけれど、でもまず一番大事なのは「理解」するための「傾聴」から。

特に身近な関係の相手にはついつい甘えて気付いたら自分ばかりしゃべくり倒してて・・・相手が見えていないことが往々にしてある。

理解と共感。「相手の話をよく聴く」ということを、当たり前のようにできていると思っていたけれど、あえて「対話」という場を設定された中に入ると、新しい気づきがあった。

「傾聴」は何もビジネススキルだけではなくて、近しい人達とのコミュニケーションにこそ必要なのだなと。「意を通す」前にいったん「受容する」ことを意識していこう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?