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スキルx環境x運=キャリア

ふと気がつくと40年近く会社員をしていることに気がつきました。いろいろと浮き沈みはあったキャリアでしたが、環境にも収入にも比較的恵まれた会社員生活だったと思います。もちろん良い時ばかりではなく、辛い時や苦しい時も多くありましたが、総合点でいうとかなり良い会社員ライフを送れたと思います。これはまあ自分なりに頑張ってきた結果ということもあるのかもしれませんが、自分の力以外の影響も大きいと思います。そして満足度の高いキャリアを築くためには自分のスキルとそのスキルを活かせる環境、そしてやっぱり運だなって思っています。

スキル
アメリカに移住する前、私は東京で10年以上会社員をしていました。昭和の時代に就職しているので女子学生の多くは短期大学もしくは専門学校を卒業し一般職、つまり事務職として就職するというのが一般的でした。私もそのうちの一人で英語の専門学校を卒業した後、外資系の保険会社に就職して20歳で働き始めました。海外で生活したこともなく留学の経験もなかった私ですが、英語の専門学校に通う傍ら米海軍の基地内にあるレストランでウェイトレスのアルバイトを2年間しており、ある程度の英会話ができるようになっていました。なので東京で働いていた時代は英語を武器に通常業務以外に会議での通訳をしたり、海外から出張してきた役員の方のアテンドなどをさせてもらいました。役職が上の方達のやり取りを聞くことは本当に参考になりましたし、役員の方達の仰ることは含蓄があり本当に良い勉強をさせてもらったと思います。
アメリカに来た当初は所謂ソフトスキルをフルに活用していたのではないかと思います。私の強みは好奇心、向上心、そして諦めない力だと思います。以前上司にもYou don’t take no for an answer.と言われたことがあり、困難な状況をいかにして打開していくかを考えることは結構好きです。アメリカで最初に仕事をする際にとった策は「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」作戦。お陰で無事に仕事を見つけることができました。そしてアメリカでキャリアを築くためにとった策は「勝てる土俵で勝負する」作戦。数字が苦手なアメリカ人が多いことに気付き、数学は大の苦手な私ですが、敢えて大学では会計学を専攻し会社では財務関連のポジションへの移行に成功しました。財務関連のポジションに就いてからは、財務諸表を読むスキルや、ファイナンスのモデルを作ったり将来の収益を予測したりするスキルが非常に役立ちました。ソフトスキルもハードスキルも、自分が持っているスキルを棚おろしして、いつでも活用できるようにしておくことが大切だと思います。

環境
以前カリフォルニア州からユタ州に車で移動した時、何もない大地をひたすら何時間も運転しました。その途中にはポツン、ポツンと小さな集落があります。そんな町をいくつか通り過ぎながら「ここにもし天才がいても、その能力を発揮できる場所はないだろうな」って思っていました。どんなにスキルや能力があっても、それらを発揮できる環境がないと宝の持ち腐れでしかありません。テクノロジーの発達によってリモートで仕事ができるようになり、場所は関係ないという意見も一理ありますが、何かを成し遂げるには人脈が必要だったりするのです。そして人脈を築くのも、やはり環境の力は大きいと思います。シリコンバレーで働いていた時、世界中から集まってくる天才、秀才達が切磋琢磨するのを見て、やっぱりこういう環境だからイノベーションがどんどん生まれてくるんだなって思いました。GAFAMの本社はシリコンバレーかシアトルですが、それにはちゃんと理由があって、世界中の頭脳がこぞって集まってくる環境がシリコンバレーとシアトルには備わっているからだと思います。そして彼らを惹きつける給与レベルがこの地域にはあるので、テクノロジーには縁のない世界で働いていた私も恩恵を受けました。私がそれなりの報酬をもらっていたのは、シリコンバレーにあるグローバル企業で働いていたということが大きな理由だと思います。実際、お給料は勤めている会社の財力や業界によるので、もし自分の報酬が低いと感じるならば、給与体系の高い業界や地域に転職するのが手っ取り早いと思います。


スキルと環境が揃ったら、あと必要なのは運です。結局そこかい?って思う人もいると思いますが、キャリアなんて半分運だと思いますよ。私が最初に就職した会社を見つけたのも、たまたま家でパラパラめくっていた就職関連の雑誌に載っていた会社の待遇がよくて、聞いたことのない会社だけどお給料が良いから応募しようと履歴書を送ったことがきっかけでした。あの時、あの雑誌を見ていなかったら、最初の就職先は違った会社になっていたことでしょう。アメリカで最初に就職できたのも、たまたま採用してくれたボスがドイツからアメリカに引っ越してきたばかりで、同じような境遇だった私と面接中に話が弾んだということがあると思います。ディレクターのポジションの面接の際も、他に候補が2人いたのですが、結局一番元気が良かった(笑)私にオファーが来たようです。もし彼らのうちの一人がプレゼンの達人だったり陽キャだったりしたら私にオファーは来ず、私の運命はかなり変わっていたことでしょう。振り返るとキャリアの転機には必ず偶然としか思えないことがいくつかあるものです。そしてそれは人との出会であったり、ふと目にしたことであったり、運としか言いようがないことが多いのです。以前「私はラッキーだったんです」って言ったら「成功している人はみんなそう言う」って言った人がいました。でも確かにそうかもしれません。まあ何が成功の定義なのかは人によって違うと思いますが、大なり小なり成功者と言われている人達の成功の一因には運が必ずあると思います。少なくとも有名大学出身でもないアジア人女性としてそれなりのキャリアをアメリカで築けた私には、いろんな運が味方してくれました。

なので、キャリア形成を考えるうえで、
どんなスキルを持っているのか、そして身につけるのか
どんな環境で働くべきなのか
どうやったら運を味方につけることができるのか
を考えることは大切だと思います。

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