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鉄道の楽しみ方 #2 『超超ローカル!紀州鉄道に乗ってみた!』

和歌山県御坊市に紀州鉄道という鉄道会社がある。
御坊駅と西御坊駅を結んでいて、全長はなんとたった2キロ。
和歌山県の御坊にそんな鉄道があるのは不思議だし、この目で見ておきたいと思って、行ってみることにした。
新大阪から、特急くろしおでおよそ2時間。紀州鉄道は御坊駅から出発する。

紀州鉄道の列車は、とにかくものすごくスピードが遅かった。
自転車よりちょっと早いくらいのスピード。
遊園地のアトラクションなんかの方がよっぽど、速いかもしれない。

全長2kmなので、あっという間に終点の西御坊駅に到着する。
電車は速ければ速いほどカッコよくて魅力的に思っていたのでものすごく新鮮に思えた。

西御坊駅もまた不思議な駅だ。

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道端に急に車両が現れる感じだ

外から見ると建物の間に急に列車が置いてあるという感じに見える。
線路を囲う柵も規則性がなく、辺境感を醸し出している。
この辺境感こそ、御坊鉄道の醍醐味である。
こんなふうにこっそりと営業されているようにみえる鉄道がもっとあってもいいと思う。


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駅の大きさと電車の大きさがあってない

駅舎はなぜか天井がやたらと低い。
控えめに言って山小屋のようだ。

それにしても、紀州鉄道はなぜ運営可能なのだろうか。
ちょっと勘の鋭い人なら、紀州鉄道の終点である西御坊駅には何か人が移動する目的になるような場所があるのだろう、と思うかもしれない。

しかし、そのような予想は全く見当違いであることを思い知らされる。
西御坊駅の近くを歩いてみたけれど、人通りは少なく、これといった集客施設もなさそうなのだ。それでも、経営は続けられているのだから、きっとそれなりにお客さんがいるのでしょう?と思うかもしれない。

だけど、西御坊方面行きの列車の乗客は僕しかいなかった。まさに貸切状態。

そのときだけ、たまたまというわけではなく、データでもきちんと証明されている。
輸送密度は全国で二番目に少なく(2015年)、驚くことに全国一の赤字路線(2010年)らしい。つまりお客さんも、そんなにいないということ。

だったら、廃線という話もありそうなのですが、今のところ廃線という話もないという。

実は、紀州鉄道は鉄道会社でありながら、経営のほとんどを不動産事業で稼いでいる。鉄道部門は、赤字でも紀州鉄道という社名を掲げている以上、鉄道事業をなくすわけにはいかない、という思いがあるようだ。
たまにはこういう鉄道も楽しい。

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終点の西御坊駅の先を車内から




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