見出し画像

『Future In-Sight 展』 デザインを学ぶ大学院生の率直な感想

こんにちは。大学院でデザインの研究をしているニッチと申します。

年も明け、年末年始ボケが止まらず研究も中々捗らない日常を過ごしていたので、ここは一つ展示でも見て刺激を貰いに21_21 DESIGN SIGHTへ….。

そこで今回は、Future In-Sight 展に行ってきました。
展示チラシを見ると、自分の知っている著名人や教授方ばかりだったので、見る前から期待値高く足を運ばせて頂きました。

以下、本記事では展示の詳細情報と、一人のデザインを学ぶ大学院生の個人的解釈の元、率直な感想を述べていきたいと思います。

▼展示情報(内容・価格・混雑状況・所要時間)

内容

展示空間には「Future Compass」(未来の羅針盤)という三つの単語を繋げ一つの”問い”を形成することが出来るコンパスが配置されている。本展示では、デザイナー、アーティスト、思想家、エンジニア、研究者といった著名人が「Future Compass」を用いて”問い”を作り、”未来”に対しての見解・思想を掲示している(一部作品展示もあり)。「未来を想像する(insight)とはいかなる行為で、どんな視座や洞察(insight)が込められているのか」をコンセプトとしたデザイン展示。

価格

一般1200円・大学生800円・高校生500円・中学生以下無料となっています(当日 現地購入可)。DESIGN SIGHT自体はどの展示も比較的安く、小規模な展示をコンスタントにやっている印象があったので、今回も想定通り安く観ることが出来ました(一応学生なので)。

混雑状況

私は金曜日の12時頃行ったのですが、比較的空いていました(その時は10人くらい?)。展示内容が作品展示というよりかは参加作家による未来への思索・思想がテキストベースで展示されている感じだったので、観賞者も美大生や作家さんと接点がありような人が来場している印象でした。

所要時間

この展示は人によって大きく観賞時間が異なりそうですが、私は1時間半ぐらいで全部観賞し終えました。というのも、テキストベースで尚且つコンテンツが一つ一つ深いので、普段論文を死ぬほど読んでいるはずの私でも中々消化しきれず、、、すべて解釈するまでに大分時間がかかりました。恐らく美大生のような学生ほど、しっかり解釈しようと思うので、かえって時間はかかりそうな印象ですね。

▼率直な感想

撮影者:ニッチ

スぺキュラティブデザインの領域で学ぶ私としては、非常に勉強になる展示でありました。「Future Compass」(未来の羅針盤)の問い立てによって、実際に異なる”未来”が各作家から思索されていたので、「自分もこのコンパスで作品のコンセプトを考えたら面白いのでは?」と思いを巡らせていました(笑)。

しかし、まあ、、思いのほか観賞するのに時間がかかりましたね…。
というのも、一部作品展示はあるものの、基本テキストベースで情報量も多い展示だったので、途中から骨身を削りながらコンテンツの解釈と消化をしていました(笑)。

例えば、一般的なアートイベントにはキャプションがあるので、展示でテキストを読むことはほぼ必然的なのですが、そこに作品があるかないかで解釈の難易さは全く異なります。ある種、今日メディアがある意義として「コトバでは得られない理解の創造」があると私は考えているので、それっぽいこじつけでいいから作品が欲しかったところです(予算や規模的に作品展示は難しかったのかもしれませんが)。内容自体は本当に勉強になったので、後半完全に解釈しきれなかった”問い”があるのかと思うと、やはり勿体ない気持ちになります

あんまり悪いこと言いたくないのですが、展示にする意義が正直あまり感じられなかったので、展示でなく本・webで見たかったコンテンツだと思いました。まあ、この辺の真意は私もいろんな観賞者のレビューを見ていきながら理解していこうかなと。

▼おわりに

ということで、いかがでしたでしょうか。
少々批判的な部分もありましたが、だからといってお勧めしないのかというとそういう訳ではありません。実際にデザインやアートを学ぶ学生、先端的なテクノロジーの研究をしている方は、本展示を見に来る価値が大いにあると思います。僕も沢山インスピレーションを頂き、めちゃめちゃ考えさせられました。(で、作品を作りたくなる衝動に現在駆られております。)

本展示にある「新しいものを後世に残すこと」、そして「未来を思索すること」は私たちが常に求めている工程の一つです。その思考を養うための一要素として、是非Future In-Sight 展に足を運んでみてはいかがでしょうか。


この記事が参加している募集

#イベントレポ

25,990件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?