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ベンチャー企業100社に投資して得られた教訓Ver.3【失敗する投資先の特徴】

こんにちは。myコンサルティング代表の坂元です。
ベンチャー企業100社に投資して得られた教訓記事の続きを書いていきたいと思います。

記事シリーズの目次は以下のようになります。

1、トレンドを見極められない
2、経営者のモラルがない
3、有名人が投資している、有名人が経営をしている
4、壮大な夢を語る
5、営業力がない
6、聞こえが良く、見栄えが良い
7、【番外編】絶対避けるべき投資案件の特徴

今回は、
6、聞こえが良く、見栄えが良い
7、【番外編】絶対避けるべき投資案件の特徴
について記載してまいります。

6、聞こえが良く、見栄えが良い

「SDGs」「サステナブル」「ESG」「CSR」など、環境を意識した投資案件がとても増えています。

特に若い世代の経営者には「ガンガン利益を出すより、企業としてどうありたいか」を重要視する方が増えているように感じます。
狩猟型よりも農耕型というイメージです。

私も年を重ねてきたことで、そのような環境へ配慮に興味を持っていますし、とても良いことだと思います。

しかし、投資案件としてみると極めて難しい部類になります。
体感としては"100件に1件"成功するかどうかというレベルです。

私が投資した中で成功している案件もありますが、ここでは失敗経験をお話しようと思います。

「焼け石に水」の出資金

その投資案件には2,000~3,000万円程出資をしていました。
「廃棄物をエネルギーにする特殊技術」を持った企業です。
代表のCさんは、元証券マンであり投資のプロです。

Cさんはプレゼンがとても上手く、事業計画・資料など、出してくるものは全て完璧でした。
プラントをつくるという話でしたが、専門性が高く、投資家が100%すべてを理解するのが難しい案件でした。
しかし、技術の面では特許を取得しているなど、信憑性があると感じました。

Cさんはプラントをつくる資金として、
①投資家からの出資
②助成金の活用
③金融機関からの借入

を計画していました。
その頃の説明では、投資家からあと数億円を集めたいと話していたと思います。

ここで気付くべきでした。
私が出資している金額は、完成するために必要な金額のうち、どれだけ賄っているのかということを。

2,000~3,000万円という金額は決して安くはありません。
しかし、今回のプロジェクト規模を考えると、それは「焼け石に水」でした。

また、その事業は「牛舎から再生エネルギーを取り出し、地域を盛り上げる」ことを掲げていましたが、それが本当にできるのかは大いに疑問があります。本当に地域の活性化につながるのであれば、地元行政から予算が出るはずですから・・・

結果的にこのプロジェクトは失敗に終わっています。
結果的に、特許がどのように活かされているのか分かりませんでした。(専門的な知見が必要でした)

また、事業規模に対して、どれくらいの時間と費用が掛かるのか、最初に明確に把握すべきだったと感じています。

この分野への投資が難しいものであると、改めて思い知らされました。
我々投資家は本当に気を付けなければなりません。

7、【番外編】絶対避けるべき投資案件の特徴

それでは番外編です。
今までの1~6のテーマでは「企業への投資はこうした方が良いですよ」というお話でした。

番外編では「絶対に避けるべき案件」の特徴をお伝えします。

1、友人・知人からの紹介案件

基本的には手を出さない方が良いです。
とはいえ紹介された手前、無下にはできないと思いますので、調べたうえで断るのが良いと思います。

紹介案件というのは、多くの人に紹介されているため、手垢にまみれています。
自分のところに話がきている段階で、すでにメリットがない状況になっている可能性が高いです。

また、よくよく聞いてみるとネットワークビジネスであることもあります。
経験上1~2年で終わってしまうことが多いです。そして、ネットワークビジネスの創業者はまた別の新たなネットワークビジネスをはじめるのです。

2、仮想通貨案件

今は相場が盛り上がっていないので大分減りましたが、最盛期にはとてつもない程の案件数がありました。
そして、そのほとんどが詐欺案件だったと思います。

なので仮想通貨案件には関わらないことをおすすめします。

ほとんどの案件が「トークンを発行して、価値が何百倍にもなる」という触れ込みですが、100件に1件くらいしか成功しているのを見たことがありません。

仮に上場して成功したとしても、仮想通貨はボラティリティが高く、一瞬で100万円が1万円になる世界です。

私は150件以上の仮想通貨案件に投資を行ってきましたが、ボラティリティの高い投資に慣れていない方は「精神的に持たなくなってしまう」と思います。

3、共同創業者・共同経営者

「出資して一緒に創業しませんか?」
「出資して一緒に経営しませんか?」
このパターンも手を出してはいけません。

たくさんのパターンをみてきましたが100件に1件も成功していません。

特に飲食店に多いのですが、数年以内に潰れます。
また、人間関係が悪化することも多いです。

なぜなら「お金を出している人が自分でお客さんを連れてこないといけない(営業しなければならない)」からです。
そうするといずれ「私の方がお客さんを連れてきているのに」「私が売上をつくっているのに」とズレが生じて、最終的に空中分解することになります。

最悪の場合、自身で連れてきたお客さんをパートナーにゴッソリと持っていかれることがあります。

私自身、相当信頼できる相手でない限り共同経営はしません。

4、仕組債・仕組み預金

こちらは別のnote記事でも記載していますので、詳細は以下を読んでみてください。

結論からいうと、これだけは絶対に手を出してはいけません。

日本では最近まで普通に売られていましたが、現在は金融庁が徹底的に調査を行っています。
千葉銀行は、会長が引責辞任に追い込まれる事態にもなっています。

欧米では、金融のプロにしか売ってはいけない金融商品です。
そういう意味でも、日本の金融はとても遅れています。

仕組債はベンチャー投資とは違いますが、注意喚起の意味を込めてお伝えしました。

今回の記事シリーズは以上です。
投資はジャングルに狩りに行くようなものです。
当然リスクがあり、致命傷を負うこともあります。

そこに間違いなく成果があったとしても、そのまわりにはたくさんのリスクがあることを忘れないでください。

この魑魅魍魎の業界で20年やってきた経験からのアドバイスでした。
少しでも皆様のお役に立てたら幸いです。

株式会社myコンサルティング
代表取締役 坂元 康宏

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