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初恋の人が離婚したらしい


電話の向こう側の彼は
ワタシの好きだった
優しい彼の跡形はもう無かった

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地元の噂で
ワタシの初恋の人が
昨年に奥さんと離婚したらしいと
ワタシの耳まで届いた

今はもう未練なんてない

というか
そもそも私からお別れを告げたのだ


彼は結婚願望が強かった

当時の私は
そのままレールに轢かれた
結婚、出産、子育ての列車に
乗るのが嫌でお別れをした


彼は優しかった

彼はどこまでも優しかった


彼と私を一番
応援してくれたのは
彼のお母さんだった

筍の煮物が上手なお母さん

お母さんが姑さんなら
きっと幸せだろうと思った

けれど
お母さんの応援に
応えることはなかった

あれからどのくらい経つのだろう


5年? 10年?、、、

最近、彼が苦しんでいる夢を見た

少し心配になった

しかし
連絡先を知らなかったので
2、3日そのまま頭の片隅に置いておいた 

1週間ほど経ったある日
何かの話題で友人と彼の話になり
私が先日見た夢の話をしたら
友人から彼の連絡先が送られてきた


多分、私と彼が長年
付き合っていたことを
知っていたからか面白半分に
送ってきたのだろう


連絡先をもらったのはいいけれど
何て送ればいいのだろう

なんだか照れ臭かった


気づけば夜になっていた

お風呂から上がって携帯を見ると

彼から着信が入っていた


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久しぶり、元気にしてた?

心配してくれたんだって?

ありがとう。

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まさか
電話が来ると思わなかった


私は電話をすることにした


3コールで彼は出た


あれ?
こんな声だっけ??

あれ?
何話すのだっけ???


五年付き合ったとは思えないほど

すごく不思議な感覚だった


でも
変わってないね、というより

私の好きな彼ではなかった

ただ何が違うとかは分からないけれど


ただ私が好きだった彼は
そこにはもう居なかった


彼は私と別れて
パパになっていて
昨年には独身に戻っていた



一瞬だけ
今まで止まっていた針が動き出すかと
少し期待してしまったけれど、
私が好きな彼はもう
私の中にしか存在しないようだ


それはそれで愛おしい


私の中で
ずっと好きな人で
いてくれますように


リアルでは結ばれることはない


さようなら


ありがとう






お洒落なカフェで 刺激的な記事を書きたい☕️