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【20年来の愛読書】『海馬 脳は疲れない』には、おもしろく生きるヒントがいっぱい

私が、人生で1番何度も読み返している本は、『海馬 脳は疲れない』。ほぼ日刊イトイ新聞の主宰・糸井重里氏と、東京大学・薬学部助手(現在は教授)であった脳科学者・池谷裕二氏の、脳についての対談をまとめた本だ。

この本を読むと、2人の対談をその場で聞いているような錯覚に陥る。そして、人類や自分や子供たちの可能性にウキウキワクワクしてくる。2002年の本なので、脳の本としては、もしかしたら情報が古いのかもしれない。でも、私は何度も驚かされ、優しく喝を入れられる。その上で、そっと背中を押されて、一歩前進する勇気をもらえるのだ。実は、noteを始める直前にもこの本を読み返した。そして、一歩を踏み出した。自分自身が何度も読み返しているだけでなく、“あっ、この人に『海馬』をおすすめしたら、とても楽しんでくれそう”と思った人には、貸したりあげたりしているので、多分合計10冊以上購入している。
noteを始めてみたら、「この方は海馬を楽しんでくれそうだな…」と思う方がたくさんいらっしゃるので、紹介記事を書いてみることにした。

おすすめポイント① 年齢のせいにしなくなる! 自分で自分にかけた呪いを解く

歳を重ねていくことは、いろんなことを失っていくこと。そんな風に思い込んではいないだろうか。私がこの本に出会ったのは、20代後半だった。わ、若い…。けれど、それでも30歳を目前に控え、あぁ、おばさんになっていろいろ衰えていくなぁ…と老いていくことを残念に思っていた。しかし、この本では、年齢とともに上がる能力もあることを教えてくれる。
「老いることはマイナスでしかない」という自分で自分にかけた呪いが、科学的に解かれるので、年齢を重ねることが怖くなくなり、年齢を重ねた自分も愛おしくなる。

おすすめポイント② 才能のせいにしなくなる! 特別な人には誰でもなれる?

成功するもしないも、生まれ持った才能次第。そんな風に思い込んではいないだろうか。では、その才能とは、いったい何なのだろう?才能のある(と私たちが思っている)人と凡人の違いは、何なのだろう?そもそも違いはあるのだろうか?才能のある人と凡人に大した違いがないことが分かれば、頑張るモチベーションになると思うのだけど…。驚くなかれ!この本では、その点についても説明されている。しかも図解付き。
「私はまだここだ!あの人はこの辺かな?」と、自分の好きなように距離感が設定できて、「よっしゃ、やってみよう!」と思わせてもらえるから気持ちいい。

おすすめポイント③ やる気を出す方法が分かる! だから、やってみたくなる

まさに私がそうだけど、やろうと思うところまでは行けても、一歩踏み出すのにものすごく時間がかかってしまったり、直前で怖気づいてしまう方も少なくないと思う。そんな場合のヒントも、この本にはたくさん書かれている。何より、これだけ腰が重くて、これだけ飽きっぽい私が、こうやってnoteを始めて、1カ月続いていることも、一部分はこの本の効果なのだけど、どれだけ私がポンコツかと伝える術がないのが残念。いや、もう、すんごいんだから!

すごくまとめて書いたけれど、実はかなりちゃんと脳の本。なのに、堅苦しさは全くなくて、ただただ自分の心持ち次第で面白く生きられるということを教えてくれている。この本を読んでから、他の脳の本なども読むようになったのだけど、結局ここに戻ってくる。ということで、20年近く?以上?お世話になっているこの本が、誰かにも届くといいな…と思いながら、ここに書かせていただいた。
興味を持っていただける方がひとりでもいて、これをきっかけに読んでくださる方がいたら嬉しいな…ということで、私の文章だけでは心もとないので、目次の引用を貼っておきます。

【目次】
第一章:脳の導火線
第一章のはじめに
生きることに慣れてはいけない
頭のいい人って、自分の好きな人のことかも?
一流と言われる人は、実は案外「おしゃべり」だぞ
ストッパーをはずすと可能性がひろがる
刺激があるから生きられる
つながりを発見する能力
三〇歳の誕生日は人生の縮図
脳の九八%は眠っている
人間は眼に頼る
脳は死ぬまで休まない
はじめての体験
自分に都合のいいように解釈をする脳
盲点を体感できる実験、お見せします
第一章のまとめ

第二章:海馬は増える
第二章のはじめに
脳は「べき乗」で発展
科学者が海馬に惹かれる理由
海馬があるから人間でいられる
人間はいちどに七つのことしか憶えられない
ウソをつくのが脳の本性
何歳になっても海馬の神経細胞は増えている
脳は毎日が面白いかどうかに反応
「かわいい子には旅をさせよ」
ハリウッドは血の入れ換えで成長した
クリエイティブは、脳への挑戦
悩みを解決するコツ
第二章のまとめ

第三章:脳に効く薬
第三章のはじめに
ものを忘れさせる薬
頭が良くなる薬は、あることはある
朝鮮人参やイチョウの効果
風邪薬はやる気を奪う? 眠っているあいだに、考えが整理される
酸化防止剤は老化防止剤
やる気を出すコツはたくさんある
第三章のまとめ

第四章:やりすぎが天才をつくる
第四章のはじめに
一〇〇〇億の細胞からつながる相手を選ぶ
受け手が主導権を握る
センスは記憶
頑固が頭を悪くする
モーツァルトでIQがあがる
天才とは、やりすぎてしまう人?
情報の捉えがたい洪水
新しい観点を得ることのすごさ
漢字テストは一〇〇点中二点だった
テストのたびに公式を導き出す
問題をひとつずつ解くこと
言葉の呪い
結果ではなくプロセス
第四章のまとめ

海馬 脳は疲れない (新潮文庫)


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