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短編小説

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【短編】夢のかけら

【短編】夢のかけら

親類縁者もすっかり帰り、さっきまで兄貴の遺影の傍で散々泣き濡れていた母親も、もう泣き疲れたのだろう、20分位前に父親とともに寝室へと向かい、この部屋を後にしていた。
夜もすっかり更け誰もいなくなった部屋に一人・・・。一体、俺は、何年振りにこの家に帰ってきたのだろう・・・

この世に真実を伝えるジャーナリストになりたいという夢を追いかけるために、家出同然でこの家を飛び出してからもう10数年が経ってし

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【短編】音の三部作「ブレーキの悲鳴」

【短編】音の三部作「ブレーキの悲鳴」

深夜の住宅街に車のブレーキの悲鳴が響き渡った。続いてドスンという鈍い音が聞こえた。「またか・・・」俺は、そう思っていた。

この辺は住宅街で普段は車は通らないのだが、少し離れた所に有る国道が、深夜の工事で片側通行になっている時などに、家路を急ぐ車の迂回路となる事が多かった。しかし、俺の住んでいるマンションの近くの十字路は、角の家が出っ張っているのと、少しきついカーブになっているために見通しが悪く、

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【短編】音の三部作「三日月コイン」

【短編】音の三部作「三日月コイン」

「チャリン・・・」

深夜のアパート、ドアの外でコインが落ちるような音が響いた。

その日は記録的に続く熱帯夜に、頼みのエアコンがダウンしとても寝れたものじゃなかった。俺は疲れた体と格闘しながら、なんとか寝ようと頑張っていた。

そんな時、ドアの音で確かにコインの音がした…。しかし、誰も外に居るような気配はない。

「変だな、何でコインの音だけ?」

目覚まし時計を見ると、時計の針はもう深夜の2

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【短編】音の三部作「ワイングラス」

【短編】音の三部作「ワイングラス」

床に落ちたワイングラスは音をたてて砕け散り、辺りにグラスの破片とワインが飛び散った…。グラスの砕ける音を聞いた瞬間、俺の脳裏にはあの苦い思い出が蘇っていた。

大学に入学した俺はすぐに、テニスサークルに入った。

そこで、同学年で歳も一緒だった彼女と出会い、すぐに好きになってしまったんだ。我慢なんて言葉を知らなかった俺は、すぐに強引なプッシュをして、粘りに粘って口説き落とし彼女と付き合う事になった

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