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本を読みまくってた幼少期を経て、物書き志望のビジネスマン。2000年当時に少し書き溜め…

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本を読みまくってた幼少期を経て、物書き志望のビジネスマン。2000年当時に少し書き溜めていた短編ストーリーを上げてみました。また、書き始めるきっかけにしたいなと思っていますので、気まぐれに新編をアップできたらと。

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しょうもないパロディー小噺1:森のきこり

ええ~毎度bakabakaシーお話ではございますが、お耳汚しにおひとつ・・・ とある名も無い小さな山奥の村のお話なんですがね ありきたりのパターンですが、ここに一人のきこりがおりました。このきこり、バリバリの個人事業主と言うわけではなくて、この地方の大地主の雇われきこりだったんですね。ですんで、完全歩合制で、切った木の本数に応じて給料が決まると言うシステムでやっておりました。 で、雇い主の地主はかなり人使いの荒いことで有名で、毎月一回はきこり全員を集めて月例会なるものを

    • 【短編】音の三部作「ワイングラス」

      床に落ちたワイングラスは音をたてて砕け散り、辺りにグラスの破片とワインが飛び散った…。グラスの砕ける音を聞いた瞬間、俺の脳裏にはあの苦い思い出が蘇っていた。 大学に入学した俺はすぐに、テニスサークルに入った。 そこで、同学年で歳も一緒だった彼女と出会い、すぐに好きになってしまったんだ。我慢なんて言葉を知らなかった俺は、すぐに強引なプッシュをして、粘りに粘って口説き落とし彼女と付き合う事になった。嬉しさのあまり浮かれてはしゃぎまくっていた事を懐かしさと共に、今でもはっきりと

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        「チャリン・・・」 深夜のアパート、ドアの外でコインが落ちるような音が響いた。 その日は記録的に続く熱帯夜に、頼みのエアコンがダウンしとても寝れたものじゃなかった。俺は疲れた体と格闘しながら、なんとか寝ようと頑張っていた。 そんな時、ドアの音で確かにコインの音がした…。しかし、誰も外に居るような気配はない。 「変だな、何でコインの音だけ?」 目覚まし時計を見ると、時計の針はもう深夜の2時過ぎを指していた。 「こんな夜中に・・・。」 このまま頑張ったところで当分

        • 【短編】音の三部作「ブレーキの悲鳴」

          深夜の住宅街に車のブレーキの悲鳴が響き渡った。続いてドスンという鈍い音が聞こえた。「またか・・・」俺は、そう思っていた。 この辺は住宅街で普段は車は通らないのだが、少し離れた所に有る国道が、深夜の工事で片側通行になっている時などに、家路を急ぐ車の迂回路となる事が多かった。しかし、俺の住んでいるマンションの近くの十字路は、角の家が出っ張っているのと、少しきついカーブになっているために見通しが悪く、年に数回は人身事故が起こるのだ。 慣れている筈の人身事故だが、今日は何か普段と

        しょうもないパロディー小噺1:森のきこり

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          【短編】夢のかけら

          親類縁者もすっかり帰り、さっきまで兄貴の遺影の傍で散々泣き濡れていた母親も、もう泣き疲れたのだろう、20分位前に父親とともに寝室へと向かい、この部屋を後にしていた。 夜もすっかり更け誰もいなくなった部屋に一人・・・。一体、俺は、何年振りにこの家に帰ってきたのだろう・・・ この世に真実を伝えるジャーナリストになりたいという夢を追いかけるために、家出同然でこの家を飛び出してからもう10数年が経ってしまっていた。 その昔、父親の勤める食品会社で、宿直の社員が殺されると言う事件が

          【短編】夢のかけら