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「ハヤブサ消防団」を読みました。

池井戸潤さんの「ハヤブサ消防団」を読んだ。
テレビドラマでもやっていたけど、そっちは観ていない。
あえて小説で読む。
そんな自分が嫌いではない。

久しぶりの池井戸さん作品。
やっぱり面白い。流石すぎる。
読んでいて飽きがこないし、信頼してページを捲ることができる。一抹の不安さえ与えてくれない。そんじょそこらの一番人気の馬よりも信頼度が高い。

ざっくり感想を述べると、全然思ってたストーリーと違った。だからこそ面白かったけど。
タイトルを見ただけでは、宗教が絡んでくるなんて思わなかったな。

消防団という言葉には、どこかネガティブなイメージがある。
田舎のおじさんの集まり。若者は強制的に入れられて、貴重な時間を訓練や飲み会に搾取される。そんな地獄。

主人公は田舎での生活を選び、この消防団の活動も前向きに受け入れていた。
なんならそこで生まれる人間関係を大切にして、日々を謳歌している。
素晴らしい生き方だよなと思う。見習いたい。

何かを押し付けられた時、それをどう捉えるかだ。
嫌だなあと憂鬱な顔してずっと下を見て過ごすのか。それとも諦めて、せっかくなら楽しむかとその環境自体をおもろがっていくのか。

作者の池井戸さんは、インタビューで小説をエンタメとして楽しむことの尊さを述べていた。
今の人はそこから何かを得ようとするけど、そうじゃなくて純粋に楽しむ時間が贅沢なのだと。

せっかくだから、楽しんでいきたい。全部含めて。
勉強したい!という気持ちも、楽しみたい!が前提であるなら寧ろ褒められるべきものだ。

楽しもう、全て。
色んな角度から刺激を与えて、感情を揺れ動かしてみる。

池井戸さん、ありがとう。
人生を楽しもうという姿勢を、改めて持つことができました。これからも作品を「楽しんで」読ませていただきたいと思います。

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