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muuteのデザインのはなし #01 「変わらない北極星と、変わりつづけるデザイン」


こんにちは。AIジャーナリング・アプリ「muute」のプロダクトオーナーの岡橋です。2021年もmuuteをどうぞよろしくお願いいたします。

2020年12月にアプリ(現在はiOS版のみ)をリリースをしてから、わたしたちの予想を遥かに上回るかたちで多くの方々にmuuteを知っていただき、手に取っていただけていること、開発チーム一同とても嬉しく思っています。(ユーザーの皆さん、本当にありがとうございます)

毎日わたしたちのもとには、ユーザーの皆さんから多くのフィードバックが届くのですが、その中でも特に多かったのがmuuteのデザインについてのものでした。

今回のnote記事では、muuteのデザインとその背景にあるわたしたちの考えや想いを皆さんと共有したいと思い、「muuteのデザインのはなし」というテーマで書きました。是非ご一読いただけると嬉しいです。


muuteのことを初めて見た、聞いたという皆さん、はじめまして。muuteは、思考と感情を分析して、新しい自分を知るためのフィードバックをくれるAIジャーナリング・アプリです。ジャーナリングについて、muuteの基本機能について知りたい方はこの記事を読んでみてください👇 👇 


1. 新しいコンセプトを実装することの難しさ


「型」がない中で、デザインするということ

muuteのアプリ・デザインの話をするまえに、その背景や制作過程で苦労したことから簡単にお伝えしたいと思います。

いまから1年程前、muuteの大枠のコンセプトが決まり、いざチームとしてデザインの方向性を決めていくなかで、最初の一歩をどこに踏み出し、進んでいくか、わたしたちはなんとも言えない難しさを感じていました。

なぜ、難しさを感じたのか?

それはおそらく、ジャーナリングとAIによる分析とフィードバックを組み合わせるというコンセプト自体が新しかったこと。そして、それゆえにmuuteが該当するカテゴリーが定まらず(ヘルスケアなのか?日記なのか?SNSなのか?)、お手本になるような確立されたデザイン言語やユーザー体験が存在しなかったからだと思います。

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それは、AIジャーナリング・アプリの「型」がまだ存在しないということであり、同時に、自分たちの手で muute の理想の在り方と、その振る舞いを構想し、言葉とデザインの力で実装することで、セルフケア・アプリの新しい「型」のひとつを創ることができる可能性があることを意味していました。

まだ世の中にないものをゼロからうみ出していくことに対するワクワク感と、ユーザーの皆さんの声と自分たちの直感を頼りに方向性を模索していくときのドキドキ感の両方がチーム内に混在していたことをよく覚えています。

このフェーズで必要以上に長時間かけて議論を重ね、試行錯誤してプロトタイプをつくり、検証を繰り返したことが結果として、muuteのブランドとしての土台をつくることに繋がったのではないかといまになって思います。


さまざまなインスピレーションをもとにコンセプトの可能性を探る

もちろん、先行している海外のジャーナリング・サービスや他の類似アプリも参考にしました。

しかしそれだけでなく(むしろそれ以上に)、学術的な研究論文からSF映画やNetflixなどの映像シリーズまで、または、メディア・アートや音楽、プロダクト・ブランドなど、様々なところからインスピレーションを得て、muuteのデザインや体験設計に取り込んでいったことはわたしたちのデザイン / 開発スタイルの特徴と言えるかもしれません。(インスピレーションについてはまた別のnote記事で紹介したいと思います)

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muuteのアプリ・デザインは、さまざまなインプットをもとに、簡易プロトタイプから始まり、α版、そしてclosed-β版と何回もの検証と改善のサイクルを繰り返しながら、変化を遂げてきました。

そして、これからもデザインは変わり続けていくと思いますが、常にかたちを変えながらも、アプリの体験を改善してこれたのは、試行錯誤をしていくなかでデザインの土台となる、muuteのブランドとして目指すべきもの「北極星 = ミッションとビジョン」が少しづつ見えてきたからかなと思います。

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2. muuteの理想の在り方、振る舞いとデザインの関係


ここからは、わたしたちが考えるmuuteの理想の在り方と振る舞いについて触れながら、それらの要素がどうアプリ・デザインや体験に関係しているのかについて紹介したいと思います。


1. 自分だけの静かで、優しいデジタル空間

muuteは、誰の目も気にせずにパーソナルなことをありのままに書き出すことができる「自分だけの静かで、優しいデジタル空間」として設計されています。「muute」というアプリ名にもノイズをミュートするという意味が込められていますが、インターネット上の喧騒から少し離れたところでほっと落ち着ける場所を提供していきたい、そう思っています。

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また、自分だけの心地よい空間を提供したいという観点から、デザインの一貫性は保ちつつも、ユーザーの皆さん1人ひとりの個性やカスタマイズを許容する「余白のデザイン」も大事な要素として捉えています。今後よりカスタマイズ性を高めていきたいと考えています。


2. ひとりでもない、ソーシャルでもない、ちょうど良いジャーナリング・パートナー

muuteは、ちょうど良いジャーナリング・パートナーを目指しています。この、「ちょうど良い」というのは色々な捉え方があると思いますが、muuteでは、「一見相反する要素をどう両立させて心地よい体験として提供できるのか」を日々考えていながら、デザイン開発を進めています。

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例えば、Twitterのような投稿の手軽さと、ジャーナリングという内省的な行動はどう両立できるのか? あるいは、1人でいられる空間の心地よさと、独りぼっちではないと感じられる温もりや人間味をどう両立させるか?

ユーザーの皆さんの注意を必要以上に刺激したり、煽らずとも、能動性を引き出すきっかけを提供するにはどうすればいいのか? 受動性と能動性の最適なバランスはなにか? ということを常に考え、デザイン、実装して、検証しながらこのmuuteというアプリをつくっています。


3. 曖昧なものを、曖昧なものとして受け入れる

わたしたちが大切にしているバリューのひとつに「ジャッジをしない、聴き上手(Non-judgemental and a good listener)」というものがありますが、これは、muuteがあつかう「感情」と「思考」を数値化して一方的に評価するのではなく、それらの曖昧さを大切にしたビジュアル表現に繋がっています。

そもそも形のない感情のアイコンはぷよぷよのような有機的なカタチを使い、日々の感情の揺れ動きは、ポジティブ/ネガティブ評価ではなく、その「振れ幅」や「変化の推移や流れ」が表に出てくるようにデザインをしていきたいなと思っています。

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そして、毎週と毎月お届けしているインサイトというレポートでは、蓄積データの可視化だけでなく、友人から送られてくる手紙のような物語性を感じられる表現を大切にしていきたいと考えています。


ここで紹介させて頂いたものは、現時点でmuuteが考える理想の在り方とデザイン表現の一部です。

muuteが掲げている「『自分らしさ』を受け入れられる社会をつくる」というミッションの実現に、どうしたらデザインの側面から貢献できるのか?

この問いに対する明確な答えはないかもしれませんが、これからもmuuteとして、わたしたちが目指す北極星に少しでも近づけるように、ユーザーの皆さんと対話を重ねながら模索し続けたいと考えています。

3. 新機能の紹介


その小さな一歩として、2月4日にリリースされたmuuteの新機能を簡単に紹介したいと思います。

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1. カラーテーマ追加&ダークモード対応
既存の「muute Coral(ミュートコーラル)」に、「Green」と「Orange」の新色を加えた全3種類のバリエーションから自分の好みや気分に合わせて、muuteをお使いいただけるようになりました。

2. プライバシーロック
パーソナルなことでもより安心して書き留めることができるようにプライバシーを強化するロック機能を実装しました。

3. Apple / Googleサインアップ
新しくmuuteを使っていただけるユーザーの皆さんがより簡単にアカウント登録できるようにApple / Googleサインアップを実装しました。


AIによる感情予測機能(2021年2月中リリース予定)
その時に考えていることや感じていることをテキストから先行入力できるだけでなく、その入力内容をAIが瞬時に分析し、感情アイコンを予測・選択する機能で、muuteのAIをより身近に感じていただけます。

4. 最後に


今回も(とても)長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

muuteアプリをリリースしてから約2ヶ月、まだまだ至らないところも多くあると思いますが、これからも皆さんの声に耳を傾けながらより良いアプリにしていきたいと思っています。

この「muuteのデザインのはなし」はシリーズ化して、今後も定期的に記事を出していきます。もし、muuteのデザインについて気になっていることや知りたいことがあれば、是非コメントやDMをいただけると幸いです。

この記事を楽しんでくれた方、あるいは今後の発信が楽しみという方がいれば是非このnoteをスキ&フォローいただけると嬉しいです。

それでは、また次回お会いしましょう 👋

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【2022/03/30 追記】

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