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感想 Iの悲劇 米澤 穂信 クイーンの名作に、Yの悲劇というのがありますが、どちらかというと、アガサの誰もいなくなったに近い。



タイトルの Iの悲劇のIは、アイターンのIです。
廃村に新住民を入れるという市長の政策なのですが・・・

変な人ばっかり集まってくる。
それで、犯罪が発生するというミステリーです。

ラストに強烈などんでん返しが待ち受けています。

序章 Iの悲劇
第一章 軽い雨
第二章 浅い池
第三章 重い本
第四章 黒い網
第五章 深い沼
第6章 白い仏
終章 Iの喜劇

見てわかるとおり

悲劇に 喜劇
軽いに 重い
浅いに 深い
黒いに 白い

対比構造です。

軽い雨は、無人の家で火事
隣の家では主人公たちが食事
犯人と、トリックを探るものです

浅い池は、鯉が消える話し
これは単純な答えでした
だから、びっくりします。

重い本は、失踪した子供はどこにという話し

黒い網は、村のパーティで毒キノコを食べる
犯人は、トリックは・・・・
人間関係が濃密で、ミステリーらしいミステリーでした。

白い仏はホラー風でスリリングです。
僕は、この話しが一番好きです。

そして、終章ですべての伏線を一気に回収し
思いもしなかったオチが待ち受けています。

ミステリーなので詳しくは説明できませんが
そもそも廃村に人を呼ぶことが、いかに不便で非効率かが見えてくる
火事や病気になっても、なかなか救助がこない
40分は待てません
そして、雪の問題
除雪は私道はしてくれないので、ほとんどの家は困ります。
冬季は閉じ込められるのです。
当然、学校はない。

廃村になるには理由があるのだと思った。



2023 7 2



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