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感想 ぼくらは星を見つけた 戸森 しるここれは家族の修復の物語だ。そして、優しい。


みさき君という養護施設出身の人が、ある屋敷の家庭教師に採用された。
当主は、有名人の妻でそらさんという人だ。
息子は10歳の星。彼は養子だ。
ハウスキーパーのシドという住み込みの人もいる。

みさき君を家族として迎えるというのだ。
これは疑似家族の物語だと思えた。
そして、優しい。
全員が本当は皆に気づかいして生活している。
理想的な家族だ。
みんなとても幸せそうだ。

しかし、この家族には秘密がある。
それを話すとネタバレになるので少しだけ話すと

ソラシド は 続いていますね
というみさき君のセリフがある。

実は、シドさんは、当主のそらさんが捨てた娘なのです
身分を偽り家政婦をしているのです。
もちろん、母のそらさんも気づいている

疑似家族と思いきや、本物だった。
これは家族再生の話し

しかし、この母親のそらさん
いい人なのですが、いささか前時代的
娘と養子の息子の心配をし
このみさき君を家族にしようとして採用
つまり、シド 娘 の夫
星の父にしようと考えてのことなのです

自分の生命が残りわずかだからですが
それを愛というのか
子供の時に捨てたので償いということなのだと思うが

夫を勝手に母親が決めようとしているのです
実の娘なのに、カミングアウトせず、シドなどと、嘘の名前を使っているのですよ
そんな人に・・・、何か違うと感じた

たしかに、みさき君は、頼りになる良い人
物語では、シドの恋人になり、そらさんの死後もたぶん、シドと星の支えとなってくれるでしょう

しかし、子供を捨てた母が、勝手に子の夫候補を一緒に同居させるって
違う見方をすると、それは愛ではなくて、傲慢というか支配に見えて嫌な気分がした。





2023 5 23



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