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2023年2月の読書日記

2023 年2月の読書日記


読んだ本の数:12
読んだページ数:3481

今月は新刊を含めて12冊読みました。
ぺースとしては鈍化傾向です。
意図的に小説以外の本を増やしました。

おすすめ本は五冊

再読ですが、大好きな本
きょうのできごと: 増補新版 (河出文庫)
この本を読むと昔を思い出します。

SFからも一冊

タイタン (講談社タイガ)

最近、やたらと話題のAIの話し
人が働かなくなった未来
面白かったです。

時代物に収穫あり

まずは、新人の作品から
貸本屋おせん (文春e-book)

貸本屋の女性が主人公の本や絵にまつわるミステリー的な短編集
なかなか良かったです。

そして、ベテランの永井さんの一冊

木挽町のあだ討ち

あだ討ち事件を色んな視点で語るという形式
この作品、かなりいいです。
今回のいち押し。

勉強本からの収穫

限りある時間の使い方

時間についての本ですが、少し哲学的で面白かった。


おすすめ本以外にも

ミステリーの佳作
神様の思惑 (講談社文庫)
やパラレルワールドを描いた
ボス/ベイカー も良かった。


以下、読んだ本の簡単な感想です。




神様の思惑 (講談社文庫)感想
ミステリー形式なので最後のオチが楽しみでした。心があたたまるようないい話しの数々。大きな事件やら変化やらがあるわけでもないのに、読ませる作品たちでした。とくに我が家の序列。この犬の話しは好きです。最後に、あんなオチがとびっくりでした。表題作の神様の思惑も好みの一作。描かれている視線が優しくて癒やされます。しかし、現実的ではないのかもと思ってしまいます。5つの作品すべて読み応えありです。
読了日:02月02日 著者:黒田 研二

リンボウ先生の なるほど古典はおもしろい! (世界をカエル10代からの羅針盤)感想
古典の魅力をざっと作品を紹介する形で見せるという形式の入門書でした。最初の歌の話しがとても興味深かった。声に出してよむ、つまり、今のSONGそのものだと感じた。神由来というのは知らなかった。だから黙読しても伝わらない。わかる気がする。個別の作品では、伊勢物語の貴族と斎宮の秘めた恋の話しが良かった。伊勢物語というタイトルの謎が自分の中で解明した。土佐日記の娘を亡くした父の思いもよくりかいできた。徒然草も好きな作品の一つです。源氏物語が優れた文学である理由も理解できました。古典好きには楽しい本でした。
読了日:02月04日 著者:林望

不思議カフェ NEKOMIMI感想
村山さんらしい優しい魔法の物語。飼っていた猫と飼い主が死んで魔女と化け猫として復活し空飛ぶ車で旅に出る。コンセプトは魔女の宅急便なのかな。最初の旅するお雛祭りの人形たちとの出会い、廃校になった学校に出ていた七不思議っぽい幽霊との優しい交流、最後の戦国時代の姫、その地域の神やその地域で戦争中に死んだ子供。食がそこに絡んできて優しい雰囲気を醸し出していた。短編集なので話しは薄くて世界観を堪能するまでには至らず。村山ファンには満足の作品という感じかな。
読了日:02月05日 著者:村山 早紀

絶対悲観主義 (講談社+α新書)感想
考え方の基本が違うので肌に合わなかった。絶対悲観主義とは、すべての物事において基本「うまくいかないだろうな」と悲観的にとらえること。つまり、ハードルを最初から下げておくのです。絶対悲観主義を採用すると、失敗が気にならなくなり、仕事に対して気楽に向き合える。たまにうまくいったときに幸せな気持ちになれるのもメリットだと著者は言っている。自分が幸せかどうかを決めるのは、世間ではなく自分だ。この考え方には教官できた。
読了日:02月08日 著者:楠木 建

数学の女王感想
犯人が途中でわかってしまった。タイトルで想像ができてしまう。捜査チームの紹介というのかキャラ説明みたいな展開が前半あり少し退屈したが読みやすく魅力的な展開でした。爆破事件の犯人を追うという展開に、公安が刑事部の邪魔をするという構造。女性刑事が代理でチームを主導し解決まで導くということでした。スパイのあぶり出しの場面とかは、かなり面白かった。後半かなり盛り上がるシーンありました。嫌いじゃない雰囲気です。
読了日:02月10日 著者:伏尾 美紀

タイタン (講談社タイガ)感想
将来、すべての仕事はロボットとAIがやってくれて、人間の仕事は激減するなどと言われている。本書では、12のタイタンというAIが、人間の仕事のすべてを請け負ってくれていて、人は働かなくてもいい状況にある。だから主人公の内匠は働くということの意味を知らなかった。そんな彼女に働けという、AIタイタンの一つが機能が落ちたのでカウンセリングしろというのだ。発想は楽しいし、世界観も広大でいいが、そんなに楽しくない。理屈にこだわりすぎて物語の楽しさを蔑ろにしているように感じた。理屈はわかるがツッコミどころ満載な気もする
読了日:02月12日 著者:野崎 まど

できる人は、「これ」しか言わない 1万人の話を聞いてわかった「一瞬で心をつかむ」伝え方感想
確かに、話しの長い人の話しって、結局、何が言いたかったのかが理解できなかったりする。相手に伝えたいなら的確に短く効果的な言葉を使うのがいいということ。 たくさんのテクニックが紹介されていた。相手の性格によって話しかたを変えるという考え方はいいと思った。ストーリーを作るという話しも参考になった。確かに説得力がある。要するに、コミュニケーションで大切なのは、FOR YOU という感覚。相手を重視するということですね。営業職ではないが、とても参考になる本だと感じました。
読了日:02月14日 著者:大塚 寿

きょうのできごと: 増補新版 (河出文庫)感想
きょうのできごとなのに、3/24と3/25にまたいでいる。24時間ということでは今日なのか。しかし、時間の概念としては0時を超えると明日なのだけど、パーティーの途中では、そんな時間の概念は無関係だ。それにしても、普通の学生たちの日常がそこに描かれているだけで、でも、それは大人になると、とても貴重で二度と訪れない宝石みたたいな時間だったとわかるのです。たわいもない会話の中に、何かノスタルジーを喚起させられて、とても良い気分になれます。
読了日:02月17日 著者:柴崎友香

ボス/ベイカー感想
彼の放った弾丸で友達が死んだ世界と生きていた世界。その瞬間、世界は2つに別れてしまう。並行世界BOSSとBAKER 。BOSSは盗賊のボスとして、そのまま生きる世界。BAKERは生きていた友人と二人盗みから足を洗いパン屋になる世界。しかし、そこでも昔の因縁が絡み合い、物語はハードボイルド的な展開に、そして、ラストで物語は一人に融合していく。ラストはあれしかないとはわかっていても、何か物足りない。後半のギリギリまで面白かっただけに残念。
読了日:02月19日 著者:上田 未来

限りある時間の使い方感想
ライフハック、生産性の向上や時間の有効な使い方。時間は金だ、みたいな本はたくさん読んでいますし、時間のことなら哲学者のハイデガーで十分と思っていたのですが、本書はとても楽しかった。 人生は短い。まず、この自覚が大切。なら生産性を上げるなどの時間の効率化かと思いきや、時間を支配しようとすると時間に支配されるって言葉が出てきてびっくり。ここで禅などの今を生きる。という考え方が出てきたりする。ようするに、何もかもはできないので、やれることだけやるという話しのような気がします。
読了日:02月21日 著者:オリバー・バークマン

貸本屋おせん感想
オール讀物“歴史時代小説”新人賞。受賞作品を含む短編集。貸本屋という職業の女性おせんさんが本にまつわる人情話しを展開していくというパターン。ミステリーっぽい作品もあり楽しい。最初の受賞作は今いちだが、「幽霊さわぎ」とか「松の糸」とかはベテラン作家の筆かと思えるほどの力量。もし、この次が出たら絶対読みたいと思いました。松の糸の松さんに惚れた若旦那。彼女が出した結婚の条件は、死んだ夫が持っていたという源氏物語の幻のパートの写本探し。このラストのオチがいい。
読了日:02月23日 著者:高瀬 乃一

木挽町のあだ討ち感想
ある仇討ち事件が芝居小屋の近くで発生した。二年後。芝居小屋には仇討ちの詳細を訊ねて回る、一人の侍の姿が。殺陣師、衣装係、小道具職人、筋書、木戸芸者――。仇討ちを目撃した人々が語る「木挽町のあだ討ち」の顛末、そして真相とは……というミステリーなのですが、それよりもこの探偵ならぬ話しを聞きに来た侍が目撃者たちの過去を聞く、その生々しい生きざまにこそ、この物語の魅力が凝縮されていると思う。文章のテンポも良く魅力的。とにかく面白かった。その一言に尽きる。久しぶりに時代小説をむさぶるように読みふけりました。
読了日:02月26日 著者:永井 紗耶子



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